グループB 日本×チャイニーズ・タイペイ
4thクォーター 40秒
JPN 82
TPE 64
道谷、興奮実況。
《さあ、第4クォーターは凄い形で始まりました!
桜木・森重の連続ダンク。いや、連続アリウープ!
塚本さん、黄金世代がさっそく爆発ですよ!》
塚本、興奮解説。
《いやあ、凄い光景です! 勝負の第4クォーターに
学生世代の選手を送り込んだのは、大浜監督からの
期待の表れだと思いますが、選手はその期待以上の
プレイを見せてくれていますよ!》
道谷、続ける。
《岡浜さん、いかがでしょうか》
岡浜、ニコリ。
《ええ、素晴らしいのひと言です。ビッグマンが
国際試合で活躍すると本当にワクワクします!》
道谷《日本のラッシュに解説陣は大興奮です!》
テレビの前で、荒石は苦笑い。
「そりゃ興奮もするぜ。とんでもねえ人たちだな、
アメリカ代表かよ、ったく」
桜木の後輩であり、森重の後輩でもある天崎、
強くコブシを握る。
「俺って本当に凄い人たちと一緒にやってんだな。
くそー、俺もあの中に入りたいよ!」
荒石 「ハッキリ新しい目標ができちまったな」
須形 「みんなで目指しましょう」
千種 (この会話が夢物語じゃないのが凄いわ…)
続く、台湾のオフェンス。
シュートタッチは変わらず好調。
ここでアウトサイドシュートを決める。
ザシュ!!!
4thクォーター 1分
JPN 82
TPE 66
道谷《台湾、ここは一本返しま…》
塚本《ああっと、日本が…!》
「……!!!!??」
ブン!!!
桜木、豪速球を前線へ。
台湾の得点から2秒後だった。
連続失点後の得点で、台湾は一瞬気が緩んだか、
ディフェンスの戻りがわずかに遅れた。
桜木花道の野生の勘はそれを見逃さなかった。
そして、
仙道彰の天性の嗅覚もまたそれを見逃さなかった。
道谷《ボールは仙道に渡った!!!!》
塚本《おお…!!!》
町田 「通った!!!!」
彦一 「桜木さんから仙道さん!!!!!」
ダム!!!
仙道、一気にリングに向かう。
キュキュッ!!!
台湾ディフェンス、必死に戻る。
佐戸 「速い!」
樽瀬 「しかも、もう1枚走っている!」
逆サイド、深津が走ってきていた。
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!」
「2対1…!!! 大チャンス!!!!!!」
森尾、苦笑い。
「深津、仙道、油断も隙もない男だ」
『クソ…!!!』
台湾ディフェンス、前に出る。
(これは決めさせてはいけない。
ファウルしてでも潰す…!!)
道谷《ディフェンスが出た…!!》
塚本《深津君が空きまし…》
ダム!!!!!
仙道、強引に突進。
「……!!!!!」
「パスじゃない…!!!!?」
コート後方の桜木。
「行け」
道谷《仙道、行った!!!》
ガシイイ!!!
台湾ディフェンス、ファウル覚悟で手を出す。
仙道、その手を吹き飛ばすようにシュートへ。
『ピピーーーーッ!!!』
ファウルを告げるホイッスル。
同時に、仙道の手から放たれたボールが宙に舞う。
ガタッ!!!
日本ベンチエリアの25人が再び立ち上がる。
「これは…!!!!」
「来たか…!!!!」
ザシュ!!!!!
4thクォーター 1分5秒
JPN 84
TPE 66
レフェリーが2本指を振り下ろす。
『カウントーーーーー!!!!!!!』
25人がコブシを突き上げる。
「しゃあああああーーーー!!!!!!」
道谷《バスケットカウント・ワンスロー!!!!》
塚本《来たああああーーーーーー!!!!!!》
グッ!!!
仙道、ガッツポーズ。
「うおおおおおーーーーーー!!!!!!!」
「仙道、やったあああーーーーー!!!!!」
「仙道らしからぬ、パワフルなプレイ!!!」
弥生 「あら、あんなガッツポーズ、珍しいかも」
町田 「よほど会心のプレイだったんでしょうね」
彦一 「仙道さん、燃えとるで!!!」
日本ベンチのスタッフ陣もガッツポーズ。
「そうだ、このプレイ、この空気だ」
「大浜さんが言い続けてきた今日のテーマ」
大浜 「戦え、闘争心だ」
ザシュ!!!
仙道、ボーナススローを決め3点プレイ完成。
4thクォーター 1分5秒
JPN 85
TPE 66
塚本《これは、大きな一発ですよ!》
道谷《台湾の反撃の出鼻を挫いた一発か!》
木暮 「第4クォーター、最高の立ち上がりだ」
彩子 「完全にモノにしましたね」
晴子 「桜木君も、仙道さんも、みんな凄い」
(お兄ちゃんも頑張れ…!)
赤木、腕組み。
「いまのは見事なプレイだ。だがここで
感心して終わるわけにはいかん」
三井、頷く。
「ああ、負けてらんねえぜ。俺たちだって
同じ日本代表のメンバーなんだ」
桜木・森重の連続のダンク、
そして失点直後の仙道の3点プレイ。
日本は、押した。
波に乗った。
神通力とでも言えそうな台湾の高確率ショットも
この波を喰い止めるには至らなかった。
一定のスコアは積み重ねるものの、日本の攻撃を
止められず、ビハインドを縮めることができない。
結果、5分後にはリードが22点に拡大。
4thクォーター 残り4分30秒
JPN 96
TPE 74
道谷、状況を伝える。
《勝負は最後の最後まで分からないと言いますが、
これは勝利濃厚となりました。アジアカップ予選、
日本は大事な初戦を白星で飾ろうとしています!》
塚本《あとは落ち着いてゲームを進めることです》
岡浜《しっかり勝ち切りたいですね》
続く台湾の攻撃、
スリーポイントシュートが決まる。
ザシュ!!!
4thクォーター 残り4分10秒
JPN 96
TPE 77
「ああああ、やられた…!!!」
「ホントに入るな、チクショウ…!!」
道谷《いや、まだ喰い下がるか、台湾》
塚本《ちょっと空けてしまいましたかね》
岡浜《しかし、あれを決め切るのは、さすがです》
『ビビーーーーーーーー!!!!!!!』
日本、ここでタイムアウト。
さらに選手交代。
樽瀬、森尾、若穂、桜木、杉山。
黄金世代は、桜木を残しベンチへ。
「……!!!!??」
道谷《塚本さん、この交代は?》
塚本、解説。
《試合のクローズに向かうということでしょうか。
東京と大阪の選手で固めています。どうやらここは
連係重視の構成で行くようです》
岡浜、続く。
《大浜監督は、台湾が決めた直後に動きましたね。
もしかしたら、いまのを機に追い上げられる予感が
あったのかもしれません。リーグ戦では得失点差も
重要になりますので》
道谷《最後はBリーグのトップ選手で戦います》
観客席からは拍手と共に、少々の落胆の声も。
「あ〜、黄金世代の時間は終わりかあ」
「もっと見たかったなあ」
「これだけ差があるんだしさあ」
また、
日本ベンチスタッフも観客席と似た雰囲気に。
「うーん、もう少し見たかったかもしれないなあ」
「ゲーム自体は押してましたからね」
そこに大浜。
「あのスリーは、フリーで撃たせちゃいけねえよ」
「…?」
大浜、続ける。
「決められたことじゃねえ、フリーなのが問題だ。
世界の列強は、終盤の反撃タイムでああいうのを
撃たせはしねえ。たかが一本、されど一本だ」
そして、黄金世代に目を向け、ニヤリ。
「とはいえ、デビュー戦としては上出来だ。
あとはオッサンに任せておけ」
1秒後、訂正。
「あ、オッサンじゃねえのもいたか」
ベテランと若手のミックスとなった日本は、
再び手堅くゲームを進めた。
そして、残り2分を切ったところで、
佐戸健一がコートに入る。
4thクォーター 残り1分50秒
JPN 101
TPE 80
コートには、
佐戸、樽瀬、若穂、杉山、富沢。
道谷《おっと、ここで佐戸・樽瀬がそろい踏み》
塚本《ダブル司令塔ですね》
道谷《ラスト2分、ベテラン中心の布陣です》
森尾と桜木がベンチへ。
森尾 「ラストまで立ちたかったところだがな」
桜木 「最後にこの天才を下げるとは手抜きか」
そこに大浜。
「おう、リバウンドご苦労さん」
桜木 「フン」
大浜 「どうだ、世界との戦いってのは」
桜木 「たった一戦じゃ分からねえな」
大浜 「ほう? んじゃ次も出てもらうかな」
桜木 「なんだ、次は外す気だったのか?」
大浜 「ハッハッハ、企業秘密だ」
森尾 「フッ…」
(だが、その通り。この試合は勢いで押したが、
国際試合の難しさはこれからだぞ、桜木)
そして、
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
試合終了
JPN 105
TPE 83
日本、勝利。
満員の観客席から、一斉に拍手と声援が注がれる。
「やったああああーーーーーーー!!!!!!!」
「よくやった、日本!!!!!」
「いいゲームだったぞーーーー!!!!!!」
道谷《日本、初戦を勝利で飾りました!!》
塚本《いやあ、いいスタートを切りましたね!》
岡浜《まずは一勝、素直に喜びましょう》
ギン!!!
桜木 「待ってやがれ、アメリカ」
森尾 (いや、アジアカップだぞ)
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1303) へのコメント一覧
とは別に、日本の点がおかしいな
仙道の3点プレイの前後ではたった1点だけの加点だ
深津にパスして仙道のアリウープかなと思いましたが違いました(笑
Kさんいつもありがとうございます!
黄金世代深津・仙道・河田雅史・花道・森重の活躍で攻守抜群の状態で18点リードに広げる日本。
深津から花道、仙道から森重のアリウープに興奮し、ゴール下最強の花道と森重のハイタッチに感動
!深津・仙道・河田の落ち着きのあるベテラン勢みたいでいくらでも見てられます!
台湾が2点返すが、隙をつき花道が豪速球パスで仙道へ、深津も走り2VS1の速攻へ!強引に突き進みバスカンを奪った仙道彰!
凄い、本当にこの5人の力は凄まじい!残り4分10秒で樽瀬・若穂の大阪メンバー、森尾・花道・杉山の東京トリオでトドメを刺しにいきます!
ここぞで、詰められないよう勝負の厳しさをわかっている大浜監督良いですねぇ!最後は花道&森尾が下がるが、22点差で日本が勝利を収めました!
まずは、1勝おめでとう!初戦の難しい中でほんとみんな良くやりました!
次は本命韓国だが、どのようなオーダーで日本は挑むのか?花道や仙道はもちろん、三井&神&森尾のトリプルシューターや赤木&若穂のゴリコンビ、牧さん&杉山さんの深体大コンビなど見たいのは多い。
ここは4年前には叶わなかった神奈川の帝王牧、炎のシューター三井、天才仙道、リバウンド王桜木、キングコング赤木の神奈川最強メンバーがみたい!
最後の花道と森尾さんのやりとり笑いました笑
日本代表頑張れ〜!
次の試合のロスターが気になって仕方ありません!
いつも、ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
桜木 「待ってやがれ、アメリカ」
それでいい
おそらく、このアジアカップ予選が終わって、本戦が始まったとしても、まだ、流川や沢北がチームに合流することはないだろうし
仮に、流川や沢北がいなければ、アジアカップを突破出来ないようでは、ワールドカップで、本物の“世界”と“勝負”することなど、無理というもの
沢北は勿論のこと、ほぼ間違いなく流川も、バスケットボールの最高峰であるNBA入りを目指している以上、やはり、狙うべき首は、アメリカ代表一択
桜木だけでなく、流川や、ユニバーシアードで敗れ去った黄金世代の面々は、心底、その機会を待ち望んでいるに違いない
かつて、全国大会で、高校バスケの絶対王者である“ヤマオー(山王)”のことを『通過点』と言い放った桜木(しかも、二度も)
アジアカップなんて、“通過点”だよな
同歳オッサンです。
仙道の『行け』を探しに、覚えてるぜってドヤ顔で翔陽戦
探しに行ったら、無い。。。
慌てて読み進めたら、海南戦でしたね。物忘れを年のせいにしてしまいがちなこの頃。
継続は力なり。Kさん、天才です。
いい正月休み最終日になりました。
また仙道も森重のパワープレイで負傷し国体の決勝の舞台に立てず。やはりパワープレイも身につけたか。
次回も楽しみにしてにます。
kさん、今年も宜しくお願いします!
桜木を残して4人交代したので桜木のことだと思いますよ
野生の感→野生の勘
ですね。
杉山だって、まだ“25歳”なんだから(今、大学四年生の牧や河田雅の直の三年先輩なんたぜ)、本当は、若者のはずなんだけど
もはや、オッサンの括りに入れられても、誰もが納得してしまってる
仙道は、流川や沢北と比べると、チームメイトに恵まれていなかったですからね
いくら、仙道自身の実力と才能が突出していても、そこは、チームスポーツであるバスケットボール
やはり、独力で勝ち続けるのには限界がある(以前、公園での、流川との“1 on 1”でも、自ら、そのような旨の発言をしている)
チームメイトに恵まれなかったが故に、そういう状況下においても勝つためには、自分自身の努力・向上だけでなく、周りを最大限に活かす必要性と常に向き合わざるを得なかった
そうした部分を含めたトータルとしての上手さ、更に、信頼感が、流川や沢北以上であると思わせるように気がしますね
長所が違うのもあるかもですね。
オールラウンダーの仙道
1on1、スコアリング敵なしの流川
現代ガード主流のスコアリングガードになれる沢北といったところですか。
ただ沢北とかなり前のアランの描写を見ても、沢北の個人技と流川、仙道は一歩とは言わずとも半歩ほど、経験の差であるのではとは思ってます。
「行け」ですか、、
やはり、凄いですねK様は、、
すっかり酔いしれました。
今年も楽しい「続き」を
お待ちしております♪
プレイ描写から天才性は伝わってくるんですが、こんなにしゃべらないキャラでしたっけ…?
でも、面白いことに変わりないです
更新ありがとうございます
沢北流川がいれば…みたいにだけは言われないよう頑張れ
実力は折り紙付きなのに、スター選手に紛れて地味な仕事を淡々とやらせても株が落ちない
そうなると流川オンリーのよさって何なんだろうなと思ってしまう。
1on1スキルや個人技だと僅かに沢北、
ゲームメイクスキルだと僅かに仙道、
身体能力や潜在能力だと僅かに桜木、
パワーや身長は当然森重、
それぞれの選手に対して別分野で上回れる要素はあるけれど、
あと一つ突出し切れていないor黄金世代超トップ陣と同格だが超えきれない選手のままのイメージ。
「行け」という仙道の逆!!
一戦じゃわからん
という桜木に違和感(成長)を感じるも
待っていろアメリカ、に
桜木らしさを感じる
絶妙な締めくくりでした。
ありがとうございます!
牧、三井、桜木、赤木の活躍みたいです。
ここからの戦いは相手に現NBA選手が出てくるかもしれないんだよね
今の流川や沢北よりもレベルの高い選手がいるかも知れないんだからどう戦うのか楽しみだ
桜木→仙道のホットライン(関係性)
最後の桜木の一言と身近な人がツッコむやりとり等、Kさんが原作をリスペクトしてずっと書かれていて、Kさんのこともホントすごいなと思います。
現在38の私ですが、大学生時分からずっと楽しみに拝見させていただいています。
これだけ継続なさっていることが尊敬しかありません。
今後も楽しみにしています!
どうかご自愛も忘れずお過ごしください。
なんて勝手にアツく想像しちゃいます(笑)
今年は20周年の記念イベント的なのがあるのかな?
なんにせよ、今年も日々楽しみにしてます☆
間違いなくトップだね。
プロ経験が最も長く、トップチームでレギュラー。
これを超える可能性があるのが、流川と沢北ぐらいやけど、それでも一応学生になるからね(向こうは学生でもレベル違うが)
日本にいるのとアメリカでの環境の差は大きいし仙道って原作でも勝てないし
仙道信者って過大評価しすぎ
まー漫画でしかもその続きだから
どうでもいいけど
流川の強みは、
Kさん編だと、バスケットマンさんが記述している通り1 on 1, スコアリング能力ですね。
沢北はより、SG寄りといいますか、現代バスケのスコアリングガードのように成長していますよね。
流川の方が、高さ、フィジカルもあるので、SFとして特化した成長してるのも流川ですかね。
もっと終盤畳み掛けるようなシーンがあればな…
ちょっと今後が不安だからここからさらなるレベルアップを!
前みたいな取材で、練習時間を削られないように!