グループB 日本×韓国
1stクォーター 50秒
JPN 4
KOR 2
「ミスター・バスケットボール」こと、佐戸健一が
ストップ・ジャンプショットでリングを射抜いた。
韓国PG・パクに決められたのと同じプレイ。
「さすが佐戸!! 同じプレイで決め返した!」
「それでこそ佐戸だ!!!」
パンパンパン!!!!
佐戸が手を叩き、声を出す。
「さあ次、ディフェンス!!!!!!!」
「オウ!!!!!」
ガンガン!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!! 」」」
ガンガン!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!! 」」」
ガンガン!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!! 」」」
道谷《さあ、スパーズアリーナの大合唱!》
岡浜《凄い声援ですねえ、素晴らしい》
塚本《この一本、止めましょう!!》
韓国のオフェンス、
ボールはSFのチェ・ヨンスへ。
キュッ!!
マッチアップは、河田雅。
町田 「チェ・ヨンス、韓国最強の点取り屋だ」
彦一 「中でも外でも決めるオールラウンダー」
弥生 「そして、強気な1対1が持ち味」
ベンチから森尾が声を飛ばす。
「河田!! 1対1が来るぞ!!!」
浜崎、腕組み。
「日本はこれまで何度もアイツにやられてきた。
絶対に勢いに乗せてはならない」
諸星 (最初が肝心か)
パンパンパン!! 手を叩く。
「雅史、ディフェンス!! 仕掛けてくるぞ!!」
ダム!!!
チェ、ドリブルで仕掛ける。
「来た…!!!」
「チェ・ヨンスの1対1…!!!!」
キュッ!!!
河田雅、コースに入る。
ローポスト付近、
胸をぶつける形で、チェのドライブを止める。
道谷《止めたか!!!》
塚本《いや…》
ダム!!!!
チェ、体の角度を変え、背中を河田雅にぶつける。
塚本《彼は、あの形から強引に来ます!》
「フン!!!!!」
河田雅、退かない。
肉弾戦を受け止める。
ダム!!!
チェ、もう一度背中をぶつける。
次の瞬間、
河田雅 「…!!!!」
上体がのけ反る。
諸星 「雅史…!!!!」
赤木 「河田…!!!!」
桜木 「ぬ…!」
ダム!!
チェ、河田雅のディフェンスを
弾き飛ばすような形でゴール下に侵入。
「あああ…!!!!!」
「崩された…!!!!」
キュッ!!!
ゴール下の森重がヘルプに出るが、
ビッ!!
チェはここで森重の背後にボールを差し出す。
ディフェンス引き付けてのバウンズ・パス。
バス!!!!
受け取ったホン・ミョンボがゴール下を決める。
1stクォーター 1分10秒
JPN 4
KOR 4
道谷《韓国、返しました!》
塚本《うーん、強い…!!》
道谷《チェ・ヨンスの肉弾戦からチャンスメイク》
塚本《日本は、あれをやらせたくないんですよね》
町田、ひとつ息を吐く。
「ふぅ…、いまのなんてハッキリ言っちまえば、
ひと昔前のオフェンスなんだけどなあ…」
弥生、頷く。
「その通りね。でも日本はあれが止められなくて、
これまで負け続けてきてるのよね…」
「ドンマイ!! 日本、獲り返せ!!!!」
「オフェンス一本!!!!!」
日本のオフェンス。
フロントコートに向かいながら、桜木がつぶやく。
「フン、見えない位置で」
『…?』
マッチアップのチャ・ドゥリ、反応。
(99番…?)
桜木 「しかしそこは戦場、肘の一発や二発…」
チャ (コイツ、気付いていたのか?)
河田雅 「あの野郎…」
少し腹部をさすりながら、オフェンスに向かう。
先ほどの1on1、
二度目のローポストアタックの時だった。
チェ・ヨンスは河田雅に肘をぶつけていた。
不可抗力ではない。
狙って入れていた。
チェ、不敵に笑う。
『あれくらいは当たり前だ』
(これで日本のディフェンスは出てこれなくなる。
いつもの弱気な日本に戻って終わりだ)
桜木、河田雅に声をかける。
「丸ゴリ、あんな肘に負けんじゃねえぞ」
先ほどのディフェンスの場面で、
佐戸にかけた言葉とほぼ同じ。
河田雅 「ほう、見えていたのか」
桜木 「この格闘技の天才の目は誤魔化せん」
河田雅、フンと鼻から一つ息を吐く。
「相手は30歳の代表エースだ。当然そういう手も
含めて色んなことをやってくる。よーく分かった」
桜木、ニヤリ。
「そういや、さっきミスターは、一本返したぜ」
河田雅 「ああ、そうだったな」
ダム、ダム…。
ボールを運ぶ佐戸健一。
桜木と河田雅が話していることには気づきつつ、
その中身までは聴こえていない。
しかし、会話の内容は分かった。
(どういうわけか、アイツに発破をかけられると
燃えちまう。河田、ここはやるしかねえよな)
ビッ!!
佐戸、ハイポストの河田雅にボールを入れる。
佐戸 「行け!! 河田!!!」
桜木 「やり返してやれ、丸ゴリ!!!!」
「……!?」
諸星 「やり返してやれ?」
赤木 「獲り返すではなく、やり返す…」
牧、腕組み。
「どうやら、さっきの10番の(チェ)の得点シーン、
見えないところで何かあったようだな」
森尾、苦笑い。
「そうか、最初のオフェンスからそう来たかよ」
キュッ!!
河田雅、ハイポストでターンし、リングに向く。
真っ向勝負の1on1の体勢。
「おおおお!!! 1対1で勝負か!!!!」
「それだ!! 獲られたら獲り返す!!!」
町田 「これは勝負しそうだぞ」
彦一 「韓国の得意なスタイルで受けて立つと」
キュッ!! キュキュッ!!!
河田雅、小刻みに足を差し出す。
小さなシュートフェイクも入れる。
チェの守備の体勢を崩しにかかる。
チェ (コイツはこの体格ながら技もある)
キュッ!! キュッ!!
(ここからドリブルもパスもある、
フェイダウェイでも撃ってくる)
そのとき、ゴール下のホン・ミョンボが
河田が発する殺気のようなものをかぎ取った。
『ヨンス!! そいつは向かってくるぞ!!』
チェ 「…!?」
ダム!!!!!!
河田雅、肩をぶつける形でドリブル開始。
町田 「行った!!!!」
彦一 「勝負や!!!!」
チェ、迎え撃つ。
河田雅のフェイクにはかからなかった。
ホンの声が生きた。
桜木 「20番(ホン)、やるな」
キュッ!!!!!
河田雅、チェ・ヨンス、1対1の勝負。
体がぶつかり合う。
「おおおおーーーーーーーー!!!!!!!」
「肉弾戦!!!!!!!」
河田雅、肘で相手を押すような形で体をねじ込む。
「……!!!!??」
『レフェリー!!!!!』
『押してる!!!!!!!』
河田雅 「うおおおおーーーーーー!!!!!」
ダム!!!!
チェに体をぶつけながらシュートへ。
ホン (強引だ、コースが逸れている)
『外れるぞ!!! 左だ!!!』
キュッ!!!!
桜木とマッチアップするチャ・ドゥリ、
抜群のタイミングでスクリーンアウト。
再びホンの声が生きた。
チャは、さらにここで肘を入れる。
反則スレスレ、いや、反則で桜木を封じる。
桜木 「野郎…!!」
ガン!!!!!
シュートは外れる。
道谷《入らない…!!!》
ホン 『当たり前だ!!!!』
(そう簡単に日本にやられてたまるか!!)
ダン!!!!
リバウンドに跳ぶ。
直後、背後に気配。
「……!!!」
ホンがボールに伸ばした手の先、
さらに上にもう一つの手が見えた。
その手が、ボールをリングに押し込んだ。
ドガアアアアアアア!!!!!!!!
道谷、叫ぶ。
《森重ーーーーーーーー!!!!!!!!》
1stクォーター 1分30秒
JPN 6
KOR 4
ホンの背後で跳んだ森重、
ホンの頭上でボールを掴み、ダンクを叩きこむ。
会場、総立ち。
「うおおおおおおおおーーーーーーーー!!!!」
「森重…!!!!!!!!!!」
洋平 「すげええええええ!!!!!!」
高宮 「デカ坊主、やりやがった!!!!」
道谷《森重のリバウンドダーーーンク!!!!》
塚本《とんでもないプレイが出ました!!!!》
岡浜《これは凄い!!!!!》
ドスン!!
森重、着地。
河田雅 「チッ、外れたか…」
森重 「押し込んどいたよ」
河田雅 「何を。次は自力で決める」
森重 「リバウンドは全部獲る」
桜木 「…!!?」
森重 「赤いの、抑えられてたし」
桜木 「テメエ…」
ホン 「……。」
(コイツら…)
日本ベンチのスタッフ陣、茫然。
「桜木もだが、森重もまた怪物だ…」
「いや、河田も同じだよ」
「日本のフロントラインが、韓国を相手に…」
これには、ベンチのビッグマンも黙っていない。
赤木、浜崎、そしてマッカーシー、
コブシを強く握りこんでいる。
いつぞやの大浜の言葉が思い出される。
―― テメエの場所はテメエで奪え
リーグ最大の敵、韓国との一戦、
司令塔に続き、ゴール下の男たちの
闘争心にも火が灯った。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1307) へのコメント一覧
次回の展開も期待大ですね🎵
発破をかけてくれる言葉もいい
Kさんいつもありがとうございます!
お待ちしておりました!
相手PGが切り込んで決めるがミスター佐戸が同じプレーでやり返す!
アリーナの日本の応援が響く中、相手SFが天下の河田雅史相手に1VS1で攻め、コースに入った雅史を吹き飛ばし森重をつり出し、相手センターがゴール下を決めた!
だが、ここで、花道が気づき。雅史に喝を入れる!花道からミスターやターミネーターに助言するの良いですね。
攻守を入れ替え雅史が攻め、花道がリバウンドにいくが肘を入れ飛ばせない!戦術といえばそうだがいやらしい、まるであの時の三浦台のような感じ。
小癪なと思ったが、それを吹き飛ばす森重のダンクきました-!
雅史・花道・森重のゴール下怪獣トリオが良い感じに機能しており、この先の展開が気になる!ベンチでも赤木、浜崎、マッカーシーも闘う、闘争心!自分の場所は自分で奪う!
ほんと最高です。この先、ゴール下で大いに暴れていただきイサキコンビでスマートに点差を広げてほしい!闘争心、あとは仙道彰だが、会場が大爆発するビックプレイを見せてほしい!
肉弾戦なら、牧さん、河田、花道、赤木、森重なんてやばいチームも!
日本代表頑張れ〜!
3人のやり取り、いかつい!
バスケもサッカーも昔から韓国とのフィジカル勝負はやられてましたから、懐かしい。
身体は、無理せずに今後もお願いします。
司令塔に続き、ゴール下の男たちの
闘争心にも火が灯った
これはこれで、仙道の闘争心にいつ火が灯るか気になる!
コレが、「点取り屋」だっていうなら、仙道クラスの奴はいそうもねぇな
しかも、日本のゴール下を競い合う面々に、火まで着けてくれるとは
高く付いたんじゃねぇの、韓国さんよ
桜木の先輩に対し物怖じしない勢いがチームに活気を!そして読み手に熱を!久しぶりに鳥肌でした。
Kさん、寒い日が続きますのでお体にはご自愛ください!もう若くないんだから無理は禁物ですよ。
僕も心も燃えてきました!!!
どこかで聞いたような???
この展開好きです!!
チェ・ヨンスは試合終了時にコートに立っていられるだろうか?
何でもないルーズボール争いで、高野が「俺の時と同じだ!」なんて叫ぶのかな?
見えないようにやりなさいって
言われてたしな!
韓国はこうゆうチームですか。
肉弾戦の試合になりそうですね!
早く、赤木が見たいです😊
今回も最高でした!
森重のリバウンドダンク、
脳内で映像化されました、、
凄い迫力でしたよ、
味方に発破掛けるのもいいですが、このまま森重に言われっぱなしの桜木じゃないはず。次は桜木が相手をぶっ飛ばすほどのスラムダンクかまして森重と張り合って欲しいですね。
そして高3時にはラフプレーをを涼しく受け流していた仙道、活躍期待してます。
だが今日の日本は肉弾戦に強いメンバーを揃えてる。ゴリの出番もいずれくるはずだ。頼んだぞ。
韓国は"らしさ"がしっかり表現されてますね。
どうしても怪我しないか心配だ
あと、桜木がどんどんクレバーになっていく(笑)
技術いまいち…気持ち(反則フィジカル)で闘う…笑