グループB 日本×韓国
2ndクォーター開始
JPN 24
KOR 22
放送席の道谷、現在のスコアとともに
両国の選手交代を告げる。
《日韓戦は第1クォーターを終了してわずか2点差、
拮抗したゲームとなりました。そして両軍ともに
ここで選手交代があるようです》
日本代表ベンチ、2ndクォーターのスタートを
戦う5人が立ち上がる。
G / 2. 佐戸 健一 (179cm / 78kg / 30歳)
G / 4. 牧 紳一 (186cm / 88kg / 22歳 )
F / 34. 河田 雅史 (200cm / 100kg / 22歳 )
F / 33. 赤木 剛憲 (200cm / 101kg / 22歳)
C / 55. マッカーシー E(197cm / 105kg / 32歳)
「おおおおーーーーー!!! これはゴツイ!!」
「大学随一のパワフルガードに、ツインコング!」
「さらに元アメリカ人のエリック・マッカーシー!」
塚本、ニコリ。
《おっと、日本は少々サイズダウンはしましたが、
パワフルで面白いラインナップになりましたよ!
そして、三河が2選手・川崎が2選手、これは連係も
期待できるんじゃないでしょうか》
岡浜《この布陣、韓国とパワー勝負ですかねえ》
道谷《さあ、次の10分が始まります》
観客席の木暮。
「へえ〜、てっきり佐戸さんと牧が代わるかと
思いきや、仙道かあ。今日は純粋なPGタイプが
ふたりしかいないのに、早くもダブル起用とは」
彩子 「相変わらず、出し惜しみなしですね」
木暮 「そして、いよいよ赤木の登場だ」
晴子、複雑な表情。
「お兄ちゃんが出るのは嬉しいけど、せっかくなら
桜木君も一緒がよかったなあ…」
彩子 「その時間もきっと来るわよ」
「フーー!!」
日本ベンチ、腕組みの桜木が鼻から息を吹く。
眉間には大きなシワが刻まれている。
「どういうことだ。パワーで勝負するなら、
なぜこの鉄人・桜木をコートに残さない」
森尾 「天才じゃなくて鉄人なのか?」
桜木 「天才であり、鉄人だ」
大浜、ニヤリ。
「少しは我慢しろ、桜木。試合には作戦ってものが
あるんだよ。秘密兵器は、いざというときのために
温存しとかねえとよ」
ピク!!!
桜木 「…!!」
スーーーッ、
眉間のシワが消える。
森尾 (お、大浜さん、掴んでる)
赤木 (なるほど、名将は同じ案を思いつくのか)
『ビビーーーーーーーー!!!!!!!』
佐戸 「よし、行くぞ!!!!!!」
「オウ!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!!! 」」」
ガンガン!!!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!!! 」」」
ガンガン!!!!!
「「「 ディー・フェンス!!!!!! 」」」
スパーズアリーナは、さっそくの大歓声。
韓国のオフェンス。
道谷《こちらも選手交代があります》
塚本《やはり1対1が得意な選手が多いですね》
道谷《岡浜さん、日本が注意すべき点は?》
岡浜、解説。
《200cmのセンター、ソル・ギヒョンですかね。
ホン・ミョンボはどちらかといえばディフェンスの
選手でしたが、彼はガンガン来ますよ》
道谷、コートを確認。
《どうやら、岡浜さんが要注意選手として挙げた
ソル・ギヒョンには赤木がつくようです》
塚本《これは重要な役割ですよ》
道谷《キングコング・赤木、さっそくの見せ場か》
ビッ!!
韓国のボールは、やはりソルへ。
「来た!!! ソル・ギヒョンだ!!!」
「アイツ、ガンガンやってくるぞ!!!」
ダム!!!
ソル、予想通りパワーでアタック。
背中をぶつけ、ゴール下に向かっていく。
キュキュッ!!!
赤木、ゴール下で体を張る。
森尾 「赤木、ディフェンス!!!!」
諸星 「強引にくるぞ!!」
赤木 「ムン!!!!!」
ソル (コイツ…、なかなか)
ビッ!!
ソル、攻めきれない。
一度ボールを外に戻す。
道谷《させません、赤木!!!!》
塚本《いいですねえ! さすがのディフェンス!》
道谷《大学界でもその守備力で名を馳せた赤木!》
コート上のマッカーシーが、思わず声を出す。
「Ohhhh!!!! Great!!!!」
木暮 「よーーーっし、赤木!!!!!!」
晴子 「お兄ちゃん!!!」
桜木軍団、メガホンを打ち鳴らす。
「ゴリーーーーーー!!!!!!!!!」
桜木、ニヤリ。
「さすがだぜ、ゴリ!!」
日本ベンチの浜崎、ニコリ。
「さすがは黄金世代。パワー型の選手との戦いには
とっくに慣れているようだ。なあ、森重君」
森重 「別に」
ビッ!!!
韓国のボール、今度はハイポストに立つ
エースフォワードのチェ・ヨンスへ。
マッチアップは河田雅。
道谷《今度はチェ・ヨンス!!》
塚本《やはり、ここはエースに回してきた!》
キュッ!!
チェ、ターンしてリングに向く。
町田 「1対1が来るぞ!!」
弥生 「パワーで来るか、技で来るか」
(このマッチアップは、ある程度やられている。
チェ・ヨンスはなかなか一人では止められない)
クイッ! ダム!!!
チェ、シュートフェイクからドリブルで仕掛ける。
「あああああ…!!!!」
「上手い…!!!!」
河田雅、一瞬体勢が崩れた。
ドリブルでの侵入を許してしまう。
チェ (まだ若いな、34番)
が、
キュッ!!!!
赤木が現れる。
チェ 「…!!」
(ヘルプが早い…!!!)
チェの動きが一瞬止まった次の瞬間、
バッシイイイイ!!!!!!!!!
「……!!!!!!!」
ボールが後方から叩かれる。
(なんだと…!!)
チェ、振り向く。
河田雅だった。
「もらい」
観衆、いっせいにガッツポーズ。
「おおおおおおーーーーーーーー!!!!!!!」
「ナイス・スティーーーーーール!!!」
「これは、ツインコングの連係プレイか!!?」
チェ (コイツ、わざと抜かせたのか…!!?)
河田雅 (そう捉えてもらえりゃ儲けもんだ)
日本ベンチスタッフ、手を叩く。
「おおお!!! これは大きい!!!」
「韓国の最初の一本を止めたぞ!!!!」
「どちらも赤木の好プレイだ!!!!」
ワクワクを抑えきれない表情。
「いまのディフェンス、1対1もヘルプも完璧だった。
桜木がいない時間帯でも、ああいう守備ができる
選手がいるというのは、日本の大きな強みになる」
「間違いないですよ。いうなれば、桜木と並ぶ
守備のエースといったところでしょうか」
桜木 「いや、そこまでのレベルではない」
森尾 (ったく、素直になれん奴だ)
日本、2ndクォーター最初の韓国の攻撃を止める。
そして、最初のオフェンスを迎える。
ボールは、佐戸。
「よーーっし、ナイスディフェンス!!
一本行こう!!!!!」
「オウ!!!!!!」
次は、牧紳一の見せ場だった。
河田雅とのパス交換からゴール下に切れ込む。
ダム!!!!!!
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「ここで深体大ライン!!!!!!!」
キュキュッ!!
ゴール下、韓国のヘルプディフェンスが出る。
コーナーには佐戸がいる。
韓国ディフェンス、警戒。
(パスが出るぞ!!!)
(外のサトをチェックしろ!!)
桜木 「行け、ジイ!!!!!!」
大浜 「戦え」
ダム!!!!!!
牧、強引に突進。
「……!!!!!!!!」
ガッシイイイ!!!!!
ゴール下でディフェンスと交錯。
『ピピーーーーー!!!!!!!!』
ホイッスルが鳴るなか、
牧の体勢は崩れていない。
「フン!!!!!」
バス!!!!!!!
ディフェンスを吹きとばすような形で
ワンハンドジャンパーでゴールを射抜く。
道谷《ねじ込んだああああーーーー!!!!!》
塚本《おおおおおおーーーーーー!!!!!》
「おおおおおおおーーーーーーーー!!!!!」
「牧!!!!!!!!!」
が、
バッ!!!
レフェリーは、コブシを前方に突き出す。
『オフェンス!!!!』
『ノーバスケット!!!!!!』
「あああああああああ……!!!!!!!」
「オフェンスファウル…!!!!!!!」
道谷《ああっと、これはチャージングの判定!》
塚本《うーん、ディフェンスにも見えましたが…》
牧のアタックはファウルとジャッジされた。
ノーカウント。
ここで日本ベンチは手を叩く。
「オーケー、オーケー、ナイスプレイ!!!」
「牧、続けろ!! それでいい!!!!」
落胆の雰囲気は一切ない。
このチームのキーワードを考えれば、
むしろ称賛されるオフェンスファウル。
牧、ベンチに小さく手を挙げ頷く。
『コイツら……』
韓国ベンチのホン・ミョンボ、
これまでの日本とは違うことを再認識。
(第2クォーターから出て来た奴もこれか…、
この戦い方で俺たちに挑むっていうのか)
他のベテラン選手も同じような表情。
(日本…)
(やはり何かが違う…)
1stクォーターの日本は、韓国が得意とする
フィジカルコンタクトに真っ向勝負で応えた。
そして、2ndクォーターも肉体派の選手を並べ、
初っ端からパワフルなプレイを連発した。
改めて、この試合をどう戦うかのメッセージが、
見る者すべてに共有された。
―― 闘争心
過去の戦いでは、激しく押しまくる韓国に
持ち味とされる技術で応戦し、敗れ続けた。
町田 「今日は全く違うぞ」
弥生 「凄い試合になりそうだわ」
彦一 「おお…」
(日本代表が、あの韓国を相手にこんな戦い方を…)
会場が沸く。
この戦い方に満員の観衆が賛同する
「よーーーーっし、戦え!!!!!!」
「行けえええ!!!! 日本!!!!!!!」
「韓国を倒せ!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「「「 ニッポン!!!!!!! 」」」
ガンガン!!!!!
「「「 ニッポン!!!!!!! 」」」
ガンガン!!!!!
「「「 ニッポン!!!!!!! 」」」
2ndクォーター、
無得点ながら勇ましい幕開け。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1309) へのコメント一覧
チーム内には、神奈川時代からの戦友も少なくないし
「帝王」
とまで称された男としては、その手前、一歩も引けんわな
大浜監督に、
「秘密兵器」
と持ち上げられた桜木
作戦とは言いつつも、作者のKさんの狙いとしては、神奈川国体ですら実現していない
牧・赤木(引退)・桜木(リハビリ中)
の揃い踏みを、後半のお楽しみとしておきたいといったところでは?
そして、韓国をガス欠に追い込んで、
「勝てる!!」
と確信できたその時には、
牧・仙道・神・桜木・赤木
という、ラインナップが実現する可能性も(もし、流川がいたら、“神奈川ベスト5”が作れた)
いや〜、まだまだ、面白くなりそうですなぁ
Kさんいつもありがとうございます!
日本VS韓国。第1クォーター互角の展開を繰り広げる中、新たに第2クォーターを戦うのはなんと花道、仙道、森重と交代し、佐戸、牧、河田、赤木、マッカーシーの布陣きた〜!
パワー勝負と踏んでるなら、ベンチで大きなシワを出す花道だが、すかさず大浜監督が、落ち着かせる!流石全日本の監督。
名古屋会場が盛り上がる中、赤木のマークは同じ身長のソル。パワーでガンガンくるが中に侵入させない!更にツインゴリラで挟みボールを奪いました!
良いぞ〜赤木、雅史!守備のWジョーカー流石です。
オフェンスでは、新体大コンビ雅史からダンプカー牧さんが果敢にアタックし、お得意の戦術で攻めるが惜しくもファウルをとられるが印象をあたえました!
すごいほんとすごいです!韓国相手に一歩も引かず戦い続ける日本!
このまま攻めて攻めてフィジカルでゴリゴリいかせ、時がとまるゴッドハンド森尾&神さんでスリーの雨を降らしてくれ〜
赤木がこの世界仙道で雅史とともに評価されるのがほんと嬉しいです!
日本代表頑張れ〜!
牧は、まだ、21歳だった!!
サクッと倒して次の話。
ほしい。まぁ森尾、神が外すイメージは沸きにくいけど。
桜木が3P挑戦して決めたらテンションあがるし、外してもモーリーが
何とかしてくれると思う。牧のスロースタートが出て今回は
牧が落選かと思ったけどこうなったら誰がメンバー入りするのわからない。
試合のメンバーと格的に佐戸、樽瀬、仙道、桜木、河田兄、森重の7人は
怪我とかがなければほぼ決定だから残りの5人が気になる。
負けるな、パワーでもだ!
ってシーンが蘇りますね
やはり日曜の更新は嬉しいです!
出た、秘密兵器!
何年経っても桜木の喜ぶツボは変わりませんね。
あれ、ちいつもとちょっと違う
その積み重ねが大事とも言っていた。
と思いきや1284話では22歳で赤木たちと同い年になってる
Kさん、お疲れのようでしたらゆっくり休んでください
えぇ〜!!
22歳に修正されてる!!!
牧の誕生日が、いつなのかは知らんけど、桜木みたく、早生まれでもよかったのに……
流川にドライブで抜かれてもブロックしたから瞬発力はえげつない力を思い出した笑
今回のメンバーだったら、魚住なんか、会場に来ててもおかしくないと思うんだけど
山王戦の時のように、遅れて、タクシーでやって来ないかな
やはり流れを変えるにはディフェンスから、か。
牧も、オフェンスファールとはいえ果敢に勝負に出たし、徐々に日本が流れを引き寄せてるね。
着実に結果を残して、実力が認められて行くのは嬉しいですね
ケータリングで試合後控室で寿司ふるまうとかしてほしいな
花道と仙道に会話が交わされるのを
期待しちゃうな、、
「今のお前だったら、どうする?」
みたいな仙道の切り出しで、、
プロ歴考えたら当たり前なんだけど、なんか感慨深い。桜木、成長したなー