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  • 2025年04月02日12:05

スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(290) リメイク版

※この記事はリメイク版です
リメイクの経緯はコチラ
元記事はコチラ


三校合同練習試合、
第一戦、湘北×三浦台。


4thクォーター、
荒石がコートに入る。

そして早々に不敵なひと言。

「俺は売られたケンカは買う主義だからよ」


石井、佐々岡、ともに表情が曇る。

(不安だ。不安すぎる…)


彦一がノートをめくる。

「18番(ゼッケン)、荒石淳也君か…。
ワイのチェックリストには入っとらんな。
中学時代は無名やった? あるいは県外?」


主審・川崎が流川にボールを渡す。

流川のスローイン。
宮城がキャッチ。


湘北ボールでスタート。

宮城 「よーーっし!! 一本行くぞ!!」


三浦台はゾーンディフェンス。

ゴール下には、194センチのセンター・平山。

その横には、荒石。


キュキュ! ガッ!

ペイントエリアならではの
ボディコンタクトが始まる。 


荒石、ギロリ。 

「痛てえーな」


平山 「…!?」


荒石 「俺は他とは違うからよ。気をつけろよ」


平山 「な…」 

(なんだコイツ…?)


宮城 「おいおい……」

(またケンカ売ってんじゃねえだろうな、アイツ)


そして、荒石が叫ぶ。

「リョーさん! こっちパーーッス!!」


「……!!!?」



彩子 「リョー…、さん…?」

晴子 「い、一応、さん付けですね…」


宮城 「声がでけーよ…」

(大体、お前、まだ何もできねーだろ…)


ビッ!

宮城、石井に渡す。 

「まずはドンドン回していけ」


「ハイ!」

石井は、宮城に戻した。


ボールは宮城から逆サイドの佐々岡へ。


荒石 (ケッ、外でチマチマ回しやがって…)


ここで、


「くれ!」 

流川がボールを要求。


(流川…!!)

佐々岡がローポストにボールを入れる。


城 「11番だ!! チェック!!」 

ゾーンが収縮する。

キュキュ!!


流川、ボールを保持したまま、
周囲の動きを確認。


石井、佐々岡は、元の位置から
ほとんど動いていない。


流川 「チッ…」

(さっきの面子のほうが動きがよかった)


その時、

流川 「お…」 


荒石が、ゾーンの空いたスペースに入ってきた。

(出せ! 場所はバッチリだろ!)


ビッ! 

流川からすかさずパスが出る。


ゴール下、荒石にボールが入った。

ノーマーク。


彦一 「おおお! 来たで、18番・荒石君!」


キュキュ!!!


主審・川崎 「…ん!?」


バス!!

荒石、ゴール下のシュートを決める。

「おっしゃああ!!」


が、

『ピピピッ!!!!!!!』



荒石 「あ?」


『トラベリング!! 赤、18!!』


宮城 「ああ…、またやっちまったか」

流川 「……。」


荒石、審判にボールを放る。 

「またかよ、クソが!」


―― また


「ああ……」 

湘北ベンチからもため息。

彩子 「出ちゃったわね…。あの子のクセが」


荒石淳也、ハンドボール部出身。


彼はハンドボールとバスケットボールの
ルールの違いに苦しめられていた。

特に大きいのは、ファウルの感覚と
制限歩数である。


トラベリングは練習時から何度も注意された。

ある程度は修正できたが、ジャンプ中に
ボールを受けて着地した際は、
どうしてもクセが出てしまうのだった。


ハンドボール=3歩まで
バスケットボール=2歩まで

という基本ルールに加え、

ハンドボール=着地は0歩目
バスケットボール=着地から1歩目

という部分も、両競技には違いがある。


荒石は、着地から2歩ステップを刻むことが
いまだにあり、トラベリング常習犯となっていた。


荒石 (ちくしょう、どうしてもやっちまうぜ…)


城が手を叩く。

「オーケー、オーケー! ナイスだ18番!」


ピク!

荒石 「ああ!!? なんつったコラアア!!」

城 「…!?」


石井 (荒石…!!!)

佐々岡 「……!!!」


バッ!!  

宮城が間に入る。 

「やめろ、荒石!!!」

荒石、歩みを止める。 

「チッ、調子に乗りやがって…」



「ふぅぅ」

流川、ため息。 

(どあほうが2人になった……)



宮城が手を叩く。 

「さあ、ディフェンスだ! 戻れ!」


そして、考える。

(ふぅ、第1クォーターの最初は
俺もこんな風だったってことか。
全くみっともねえ。反省だな…)


ベンチの桜木。 

「イヤだねえ、ああいうケンカっ早いのは」

彩子 「アンタよ、アンタ…」

(まあ、確かにこの子は入部当時に比べたら
だいぶマシになったけど)



続く、三浦台の攻撃。


ガン!!  

シュート、外れる。


宮城 「リバウンドーーーー!!!」


ガシ!!

平山が荒石にスクリーンアウト。


荒石 「ぐっ…!!」


バシイ!!

平山がボールを取る。


城 「よーーっし! ナイスリバン!!」


荒石 「チッ…!!」 

(クソが…!! 貸しやがれ)

バチィィ!!!

平山 「痛て…!!」



『ピピピーーー!!!!』

『ファウル!! 赤18番!!』


荒石 「ああ!!?」


彩子 「やっちゃった…」


桜木、ニヤリ。 

「いきなりファウルか。全く血の気が多いねえ」

彩子、眉間にシワ。 

「コラコラ…。だからアンタが言わないの」



宮城がかけ寄る。

「おい荒石、無駄なファウルは気をつけろって、
いつも言ってるだろ。リバウンドも完全に
ポジション取られてたぞ。スクリーンアウトだ」


荒石 「わーってるよ、クソ…」


再び三浦台の攻撃。

ガン!! 

またもやシュートが外れる。


「リバウンドーーーー!!!!」


ガッ!! 

前回同様、平山が荒石の前に体を入れ込む。


平山 (コイツ、おそらく素人だな)


バシイイ!!! 

リバウンドは平山。

(背はあるが、さっきの10番に比べたら全然だ)


晴子 「また、取られちゃった…」

桜木 「全然ダメだな、一年坊主」


安西 「フム……」



ザシュ!!!

続く攻撃、
三浦台は城がミドルシュートを決めた。


湘北 73
三浦 40


安田、腕組み。 

「さすがに二度もオフェンスリバウンドを
取られたら、決められちゃうな…」

潮崎、頷く。

「どうしたんだろう、荒石。
いつものパワーと高さがないな…」



ガチャ。

安西が立ち上がった。


彩子 「ん…!?」 

(まさか、交代…?)


安西、桜木に声をかける。

「桜木君、交代です」


彩子 「せ、先生…!!」 

(もう少し出してあげたほうが…)


桜木、ニヤリ。 

「だろーよ。あの一年坊主ごときじゃ、
まだこの天才の代わりは務まらないと」


安西 「流川君と交代です」


「……!!?」


桜木 「ルカワ…?」

彩子 「流川と桜木花道が、交代……?」


安西、ニコリ。

「どうやら、荒石君はキミと一緒じゃないと
力を発揮しないようだ。ふたり仲良くゴール下で
戦ってきてください」

桜木 「ぬ…?」


天崎 「なるほどね」

野茂 「そうかも」

与田 「一理ある」


桜木 「どーいうことだ?」


安西、ニコリ。

「ホッホッホ。やってみてください。
どっちがリバウンドを多く獲るか」


桜木 「どっちが獲るか?」

安西 「昨日の続きです」



そしてしばらくの後、


『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』

『交代! 赤・湘北!』



桜木がコートサイドに立った。

「ルカワ、引っ込め!」


流川 「…?」


安西 「お疲れ様です。少し休憩しましょう」

流川 (いらねーよ)


すれ違う2人。


桜木、ニヤリ。 

「ヒッヒッヒ。お前じゃ力不足ってことだな」


流川 「うるせー、すっこんでろ」



ゴール下に並ぶ、桜木&荒石。


平山、平瀬ら、三浦台インサイド陣は眉間にシワ。

(オイオイ…、イヤなのが揃っちゃったよ)



「この交代は…?」 

宮城がベンチに目を向ける。


安西、うなずく。


ピーーーーン!

宮城、ニヤリ。 

「なるほど?」


そして、声を出す。

「オラア!! 花道! 荒石!! 
どっちがリバウンド王か勝負するぞ!」


ピク!


桜木 「リバウンド王?」

荒石 「勝負?」


宮城、引き続きニヤリ顔。

「イヤなら別にいいぞ。
互いに負けるのが怖いならな」


桜木、吠える。 

「誰が!! こんな一年坊主、相手になるか!」

荒石も同じ。

「ナメんじゃねえ! ぶっ潰してやるよ!」 


安西、ニコリ。 

「さすが宮城君」



湘北ボールで試合再開。


ガン!!

石井のシュートが外れる。


宮城 「リバーーーン!!!!」 

(さあ、やれ!!)



ガシイイ!!

桜木、荒石、共にスクリーンアウトで
完全に相手を押さえ込む。


平山 「な…!?」

(コイツ、いきなり動きが変わった!?)



キュキュ!!

荒石 「うおおおおお!!!!!」

桜木 「ふんぬーーーーーーー!!!!」


バッチイイ!!!!

桜木と荒石の手でボールが弾かれる。


宮城 「互角か?」


もう一度跳ぶ二人。


バッチイ!!

再びボールが舞う。


三浦台の選手は2人の高さに全く届いていない。


宮城、しかめっ面。 

「味方同士で取り合ってやがる…」


荒石 「どけえ!! オラア!!!」

桜木 「俺のボールだ!! 一年坊主!!」


彩子 「スゴイ戦いだけど、なんかヘンだわ…」

晴子 (ちょっとカワイイ…)


バッシイイ!!!

三度目のジャンプで桜木が奪った。


「ハーーッハッハッハ!! 天才!!」


荒石 「あああ!! クソがああ!!!」


ビッ!!

桜木、宮城にボールを戻す。


宮城、受け取る。

「オ、オイ…、なんで撃たねえんだよ、
ゴール下のチャンスだったろ」


桜木 「もう一丁!!!」

荒石 「石井!! もう一回外せ!!!!」



「……!!!!???」



石井 「は…?」

宮城 「な、なんだそりゃ…」


彩子 「あちゃ〜…」



安西、ボソリ。

「失敗だったかな……」




続く



-


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