グループB 日本×韓国
試合終了
JPN 88
KOR 74
名古屋決戦、2連勝。
日本代表は、グループリーグのライバルと目される
台湾と韓国を立て続けに撃破。この夜、メディアは
新生・日本代表の勝利を大々的に報じた。
とりわけ、黄金世代の活躍は大きく取り上げられた。
―― 史上最強の日本代表、堂々の船出
―― 黄金世代が躍動、アジア制覇が見えた
―― 若き才能が勝利を牽引、代表は新時代に突入
「いやあ、花道もゴリも大活躍だったなあ」
「メガネ君、泣きっぱなしだったろ」
名古屋駅前の中国台湾料理店、
桜木軍団と木暮・彩子・晴子は大いに語った。
試合前の約束どおりの「祝勝会」。
木暮 「ははは、年取ると涙腺が弱くなってね」
彩子 「まだ大学生でしょ」
洋平、生ビールをグビッ。
「花道なんか、もうすっかり主力だもんなあ。
ヘタしたら写真が一番多いくらいだ」
手元の携帯電話の画面をスライドする。
日本の勝利を報じるニュースには、桜木の写真が
何枚も使用されている。それはまるで黄金世代の
象徴のようだった。
大楠 「実際、一番目立ってたぜ、アイツ」
野間 「感無量だ…」
晴子、その画面を見て突如落涙。
「凄いわ、桜木君もお兄ちゃんも…」
彩子 「なんでいきなり泣くのよ」
晴子 「すみません…、だって…」
野間 「分かるよ」
高宮、青椒肉絲と青菜炒めを次々に
口にかきこみながら問う。
「で、次の試合はどうなんだっけ? メガネ君」
洋平 「食ってから喋れよ」
木暮、返す。
「ああ、次の試合は夏だ。インドネシアと台湾、
アウェイで2連戦になる」
晴子 「海外まで見に行くのは難しいかも…」
高宮 「俺は台湾なら行けなくもないかな」
木暮 「おお、さすが社会人」
彩子 「アンタたち、本当に熱心なファンね」
洋平、ニコリ。
「まあ、これが一番の楽しみかもしれねえからな。
あの花道が日本代表なんだぜ」
野間、続く。
「もはや、俺は遠征資金を稼ぐために働いていると
いっても過言じゃない」
晴子、涙をぬぐう。
「グスッ…。桜木君は本当に幸せね、
こんな素敵なお友達がいて」
彩子 「だからなんで泣くのよ」
大楠 「ミッチーも試合出てこねえかなあ」
高宮 「可能性はありそうか? メガネ君」
木暮、箸を止める。
「もちろん俺も期待はしてるけど、簡単じゃない。
夏の争いはもっと熾烈かもしれないんだ」
彩子 「そうですね」
その頃、
週刊バスケットボール編集部。
「まだふたりの代表候補が残ってますね」
「夏のゲームではついに登場の可能性もあるわよ」
町田と弥生、コーヒーを飲みながら
今日のスタッツを見返している。
少し離れたデスクでは、彦一がカタカタと
キーボードを打ち鳴らしている。
町田 「次はアメリカ組の合流もあるかなあ」
弥生、頷く。
「そうなればバックコートの厚みはグンと増す」
彦一 「そして桜木さんと流川君のコンビが…」
弥生 「アンタは早く原稿書きなさい!」
彦一 「ひ、酷い…」
町田 (鬼上司だな…)
弥生、コーヒーをゴクリ。
「でもその前に、Bリーグだわ。あと2か月で
いよいよチャンピオンシップ(プレイオフ)、
初代王者が決定するわよ」
そして翌週、
代表メンバーたちは、Bリーグでも躍動した。
《東京ペイサーズ、2連勝!! 代表メンバーを
4人擁する優勝候補が初代王者へまっしぐらです》
《いやあ、今日も強かったですねえ。インサイドに
桜木と杉山が揃っているのが大きい。外国人選手が
不在の時間もチーム力が落ちませんからね》
《その強力なビッグマンがインサイドを固めるなか
森尾は今日も20得点の大活躍でした》
《選手層は間違いなくリーグナンバーワンですよ。
チャンピオンシップ進出は間違いありませんね》
桜木が記者に囲まれている。
日本代表でも絶大な人気を誇る背番号99を
やはり報道陣は放っておかない。
「桜木選手、リーグ制覇への意気込みを!」
「代表戦の経験は、何をもたらしましたか?」
桜木 「ぬ?」
杉山 「また今日は一段と記者が多いですね」
森尾 「代表戦で増えたみたいだな」
与野 「しかし相変わらずの人気だな、アイツ」
記者陣が次々に、レコーダーを桜木に向ける。
(インタビューは桜木を狙え)
(桜木は「うかつな発言」が多い)
(特に森尾が近くにいないタイミングがチャンス)
森尾 「……。」
(なんだか嫌な予感がする。試合後はアイツから
離れないようにしておこう)
《琉球ウォーリアーズと横浜ネッツの好カードは
1勝1敗! やはり、黄金世代が大活躍!》
《三井選手や花形選手は代表ユニフォーム争いも
ありますからね。気合いも入っていたでしょう》
《先週ひと足先に代表デビューを果たしている、
深津・諸星・神に負けてなるものかとばかりに、
ともに二桁得点を記録しました》
《現在、両軍ともにプレイオフ進出圏内にいます。
四強を倒す可能性のある、面白い存在ですよ》
ゴツン! ゴツン!
代表メンバーがコブシをぶつけ合う。
諸星 「オウ、出て来いよ、プレイオフ」
三井 「そっちこそ」
花形 「それまでにスタメン奪取だ」
深津 「全部勝つピョン」
神 「じゃ、次は大学リーグで」
渡邊拓 「来月からトーナメントだな」
少々茫然とした表情の彦一。
「凄い会話や…、まさに日本バスケ界のど真ん中に
この黄金世代がおる。おそらくここから5年、いや、
10年はこの層を中心とした時代になるはずや」
赤木や牧、藤真らも同様。
スーパールーキーは着実にプレイタイムを伸ばし、
スターティングラインナップに名を連ねる試合も
少なくない状況となってきた。
リーグ上位8チームによって争われる最終決戦、
「Bリーグ チャンピオンシップ」まであと2か月、
初代王者を巡る争いがいよいよ激化するなか、
代表候補合宿と代表戦を経た新世代の男たちは
さらに凄みを増していた。
彦一、コブシを握る。
「夢のBリーグ元年は、間違いなく
最高のシーズンになるで!!」
(さらに…、海の向こうでも…)
そして、アメリカ合衆国。
週刊バスケットボール編集部の言う
「ふたりの代表候補」が最大の戦いを
迎えようとしていた。
―― NCAA男子バスケットボールトーナメント
マーチ・マッドネス(3月の狂乱)と呼ばれ、
全米のバスケファンの注目を集める、
世界最大の大学バスケの大会・祭典である。
流川楓、フレデリック・カマラ擁するゴンザガ大、
沢北栄治が所属するジョージワシントン大、
ともにこの大一番に乗り込む。
カマラ 「さあ、決戦だよ、ルカワ!!」
流川 「朝からうるさい」
沢北 「やってやる、やってやるぞ!!」
そして、
宮城 「来年は俺も出る!」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1314) へのコメント一覧
宮城の発言は、宮城の実力が、まだ、米国では及ばなくて、スタメンを勝ち獲れていないということなのか
それとも、チーム全体の力として、他の大学とは差があって、トーナメントに出場するに至っていないということなのか
どちらにせよ、今の感じだと、夏に、日本代表に合流という流れには、ならなそう
ただ、今は、確か、アジアカップ本大会への出場権をかけた予選のはずだから、本大会、更に、その先にあるワールドカップの開催までには、まだ時間がある
ということは、宮城が、日本にとっての最後の
“秘密兵器”
になるのかもしれないな
40過ぎて、期待でこんなにワクワクする事 他にも無かったかもしれません♪
早くルカワ君が合流する日本代表を見たい(読みたい)ですねぇ。Bリーグではやはり花道擁するペイサーズに優勝してほしいなぁ🏀🏆次回も楽しみにしております。
・青菜炒め
この2つで容易に予想がついてしまう笑
あくまで可能性だが、流川のスピードに桜木以外ついてこれなくて、1人このスピードが当たり前の選手いますよと誰かが宮城を引っ張る展開ならいけるんじゃないかな。
彦一は1000話の時の流川をカマラ通じて繋いだし、宮城を追っていてもおかしくはないと思う。
実際大学王者のガードだし。
入学してないんでしょ。
Kさんいつもありがとうございます!
韓国戦14店差で勝利した日本🇯🇵すごい👍すごいです!
台湾料理店で語る木暮さん、彩子さん、晴子さん、桜木軍団!この光景だけで懐かしさを感じ涙が😢
花道、赤木、湘北の活躍がほんと嬉しい!夏の争いは更に流川、沢北がはいり門も狭くなる中誰がえらばれるのか?
その週でもBリーグはペイサーズが王者らしさを見せ勝ち続けます!花道&杉山でゴール下を制し、森尾が射抜く!ペイサーズ外も琉球VSネッツの白熱した戦いが繰り広げられ、三井と花形が活躍を見せる!夏のインドネシア、台湾戦にはこの2人も12人の狭き門に選ばれてほしい!
そして、アメリカでは全米のバスケファンを虜にするマーチ・マッドネス(3月の狂乱)きた〜!
流川、沢北、カマラが参戦する!やばい!やばすぎる!Kさん良いんすかこんな展開。宮城は今年は難しそうだが、来年にはスピードでDFを切り裂き相手を手玉に取る電光石火を見せてほしい!
ほんとに怒涛の展開の中、春の大学大会、リーグ戦も行われる!興奮しすぎて要チェックや!
ところで、木暮さんの進路が不明だが、社会人チーム横浜ドリームスに入り清田、木暮、仙道、福田、高砂、高野で神奈川旋風を巻き起こしてくれ〜!
花道のインタビューの時に警戒するモーリー、相田姉弟の久しぶりのやりとりには笑いました笑
ベスメンはそのバックラインに森重と桜木花道!
スモールラインナップになっちゃうけど湘北5人が代表のユニフォーム来て全員でコートに立つ瞬間も楽しみですね♪
いいやつらやん〜
「代表候補合宿と代表戦を経た新生代の男たちは」
多分新世代ですかね?
たしか堀田番長と同じ職場だったような(笑)
Kさん的には、“今池”って書きたかったかも
それに、高宮だったら、
『本店の方へ行こうぜ』
と言ってても、おかしくなさそう