「初代王者はやっぱり大本命の東京!?」
「いや、予想通りにいかないのが真剣勝負!!」
「そうやねん、ホンマに読めんのや…!!」
週刊バスケットボール編集部、
相田彦一が叫んでいる。
首を左右に振り、あーでもない、こーでもないと
問答を繰り広げるかのように叫んでいる。
弥生 「な〜にひとりで騒いでるのよ」
町田 「いつになく壊れてる…」
Bリーグ初代王者を決めるチャンピオンシップは、
1回戦の第1戦から、四強と呼ばれた上位シードが
立て続けに敗れるという波乱のスタート。
激戦に次ぐ激戦を潜り抜けてファイナルの舞台に
辿り着いたチームは、前身のトップリーグ王者、
東京ペイサーズと、
「なんと、ワイルドカードの横浜ネッツ…!!!」
再び叫ぶ彦一。
弥生 (誰かと喋ってる?)
町田 (さあ…)
会議室のテーブルには拡大して刷りだされた
トーナメント表。1回戦からすべてのゲームの
スコアが書き込まれている。
2戦先勝方式のプレイオフトーナメントは、
決勝までの全試合が第3戦にもつれ込んでいた。
まさに、死闘の記録である。
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B.LEAGUE CHAMPIONSHIP
クォーターファイナル
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東京ペイサーズ(東地区1位)
栃木ピストンズ(ワイルドカード)
第1戦
東京P 85-62 栃木P
第2戦
東京P 70-72 栃木P
第3戦
東京P 81-68 栃木P
2勝1敗で東京Pがセミファイナル進出
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名古屋スパーズ(中地区2位)
琉球ウォリアーズ(西地区2位)
第1戦
名古屋S 72-82 琉球W
第2戦
名古屋S 81-75 琉球W
第3戦
名古屋S 71-69 琉球W
2勝1敗で名古屋Sがセミファイナル進出
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三河マーベリックス(中地区1位)
川崎ニックス(東地区2位)
第1戦
三河M 64-65 川崎K
第2戦
三河M 70-66 川崎K
第3戦
三河M 68-70 川崎K
2勝1敗で川崎Kがセミファイナル進出
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大阪サンズ(西地区1位)
横浜ネッツ(ワイルドカード)
第1戦
大阪S 68-72 横浜N
第2戦
大阪S 81-79 横浜N
第3戦
大阪S 69-70 横浜N
2勝1敗で横浜Nがセミファイナル進出
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町田 「いきなり、三河と大阪が消えたという」
弥生 「あれは予想外だったわね」
彦一、腕を組んで天井を見上げる。
「ワイには聴こえたで、ふたりの声が」
町田 「声…?」
弥生 「ふたり…? どういうこと?」
彦一、続ける。
「言うまでもなく、赤木さんと三井さんや。
ともに1回戦で四強クラブを破って準決勝へ。
あの時、ワイにはハッキリと聴こえたんや、
そう、『桜木、待ってろ』という声が」
弥生 「あ、そう…」
彦一の目には、うっすらと光るもの。
「ああ…、あの青春の続きが…」
弥生・町田 「……。」
その頃、
「面白かったよなあ、準決勝」
ところ変わって、とある居酒屋。
ここでもチャンピオンシップにまつわる会話が
繰り広げられていた。
木暮、彩子、晴子、そして桜木軍団。
高宮 「ゴリとミッチーの勝負だもんな」
大楠 「あれは興奮するなってのが無理だ」
木暮、ニコリ。
「先に東京ペイサーズがファイナル進出を
決めててね。桜木が待ち受ける側ってのが
また面白い展開だったよ」
グビグビッ…、
ゴトッ!!
野間、生ビールを飲み干し、涙をぬぐう。
「あんなに胸に来る試合は、なかなかねえ。
ゴリもミッチーも本当によくやったよ。
もちろん、丸ゴリだってピョン吉だって…、
いや、あのコートにいた全選手に乾杯だ」
彩子 「そ、そうね…」
晴子 「野間君、ちょっとかわいい」
洋平 「どこがだよ」
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B.LEAGUE CHAMPIONSHIP
セミファイナル
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東京ペイサーズ(東地区1位)
名古屋スパーズ(中地区2位)
第1戦
東京P 91-85 名古屋S
第2戦
東京P 81-83 名古屋S
第3戦
東京P 80-72 名古屋S
2勝1敗で東京Pがファイナル進出
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川崎ニックス(東地区2位)
横浜ネッツ(ワイルドカード)
第1戦
川崎K 70-68 横浜N
第2戦
川崎K 67-70 横浜N
第3戦
川崎K 81-82 横浜N
2勝1敗で横浜Nがファイナル進出
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木暮、ケータイを取り出す。
「最後の10秒、もう30回くらい見ちゃったよ」
彩子 「あ、私も」
高宮 「同じ、同じ」
晴子 「いま見ても泣いちゃう…」
決勝の座をかけたセミファイナル第3戦、
川崎ニックスと横浜ネッツのゲームは、
延長戦にまでもつれ込んだ。
木暮、再生ボタンを押す。
「これこれ」
《さあ残り10秒、川崎はラストチャンスか!》
《いやあ、興奮しますねえ!》
《延長戦に突入した激闘は、残り10秒で三井の
シュートが決まり横浜の1点リード。川崎はこの
ラスト10秒にファイナル進出を賭けます》
《川崎はどこで勝負に出るか。横浜は間違いなく
ツイン・コングを警戒するでしょう》
「勝てよ、ニックス!!!!!」
「赤木、河田、頼む!!!!!」
「死守だ、死んでも守れ!!!」
「頼む、ネッツ!! 勝ってくれ!!!!」
同じ神奈川県の都市を本拠地とする両軍だけに、
川崎Kのホームコートながら横浜Nの応援も多数。
ファイナル進出をかけた決戦のコートは、
歓声とどよめきが交錯し、なんとも異様な空気に。
大楠 「ミッチー、ヘバッてたよな、多分」
高宮 「いや、ゴリもだ。すげえ顔してるもん」
画面に映っているのは、
左ウイングからの河田雅の1on1。
表示された残り時間は7秒から6秒へ。
ダム!!!!!!!
《河田が行った!!!!!》
《さあ、河田で勝負か!!!!》
キュキュッ!!!!
横浜Nのディフェンスが河田雅を囲う。
キュキュッ!!!!
河田雅、ハイポスト付近でディフェンスに
背中をぶつけてターン。
ダン!!!!!!
そして、必殺のフェイダウェイシュートの体勢に。
「うわああああああーーーーーー!!!!!!」
「決めろおおおおおーーーーー!!!!!!!」
「撃たせるなああああーーーーー!!!!!!」
歓声と悲鳴のなか、
ビッ!!!!
河田雅は空中でシュートモーションを止め、
ゴール下にパス。
「……!!!!!!!!!!」
《ああああーーっと、パスだ!!!!》
《おおおおお…!!!!!》
《赤木に渡ったああああーーーーーー!!!!》
木暮 「入ると思ったんだけどなあ…」
晴子 「あ、やっぱり泣いちゃう…」
横浜Nの執念の守備は、赤木を少しだけ
ゴール下から遠ざけることに成功していた。
ややゴールから距離のある微妙な位置から放たれた
赤木のシュートは、惜しくもリングに弾かれた。
ガン!!!!!!!
そしてブザーが鳴った。
《外れたああああ!!! 試合終了ーー!!!!》
《いやあああああああ、凄いゲーム!!!!》
最後のシュートを外した赤木は、
全身の力が抜けたかのように両膝を突いた。
続いて、両コブシと額を床につく。
川崎Kの選手たちは、その赤木のもとに
ゆっくりと集まり、次々に背中に手を置いた。
赤木はしばらく立ち上がれなかった。
吠えながらガッツポーズを連発する横浜ネッツの
歓喜の輪とは対照的な光景だった。
《川崎ニックス、最後の最後で力尽きました。
無念の赤木、立てません》
《赤木君はよく頑張りました。この敗北が彼を
もっともっと強くすると思いますよ》
《河田とのツイン・コングの躍進はこの準決勝で
幕を閉じることになりました。死闘を制したのは、
同じく黄金世代の活躍で勝ち上がった横浜ネッツ》
《拍手が止まりません。この戦いの感動を物語る
大きな大きな拍手ですね》
そこからしばらくののち、
赤木と三井が握手を交わす姿をカメラがとらえる。
晴子 「お兄ちゃん…」
木暮 「三井…」
洋平 「いや、3日前の試合だぞ」
ヒーローインタビューで三井は宣言した。
「東京を倒す」と。
木暮は画面に向かって呟いた。
「ついに全国制覇への挑戦だな、三井。
今日の勝利で終わりじゃないぞ」
洋平 「だから、3日前…」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1331) へのコメント一覧
ついに三井と桜木の対決が見れるのが楽しみです。待ち遠しい!しかし作中のメンツがビール飲んでるのにくるものがあるなぁ。自分もおじさんになったなぁ。
Kさんいつもありがとうございます!
待ちくたびれましたよ!Bリーグチャンピオンシップ!どのような展開になるかと思いきや、決勝は東京ペイサーズVS横浜ネッツの戦いに!
そこまでの戦いも、準決勝に駒を進めた東京VS名古屋と三河と大阪を破った川崎VS横浜の戦いもすごい!この川崎VS横浜ネッツの戦いは延長線にまでもつれ込む前代未聞の勝負!ゴリ&丸ゴリVSピョン吉&ミッチーきた〜!
この試合をもう一度見る木暮さん、晴子さん、彩子さん、桜木軍団のみなさま、良いですねぇ!最後の最後の延長線にまでもつれ込み、1点ビハインドの川崎、雅史&赤木のコンビで逆転を狙うが、ネッツの意地を見せ横浜が決勝に進出しました!
この2チームの戦いも良かったですし、この展開やばすぎます!ミッチーのヒーローインタビューの『東京を倒す』最高でした!決勝戦東京ペイサーズVS横浜ネッツ、この戦いどのような展開を迎えるのか?万全のペイサーズに台風の目横浜ネッツが優勝をかけて対決します!
三井にとっては全国制覇の挑戦の時!花道VS三井の戦いやキャップVS深津など目が離せないところが多すぎる。Kさん、今回は横浜ネッツが勝利し、三井寿に全国制覇を味合わせてほしい!
開始から両チーム動くか、お互いどのような戦術を取るのか?安西先生!予想をお願いします!
Kさん最高の展開をありがとう!
頑張れ!横浜ネッツ!
まーまのびしちゃうかもだったし…
いや、でもやっぱり自分も見たかったです。笑
ついに??
ある程度飛ばさないと密度えぐいことになるし致し方ないか!
ファイナルおもしろそうだ!
三井の神がかったプレイの怖さはあるけどそれを3戦発揮できるとは思えないし、花道貼り付けとけばそれで東京が完封できそうだけど、、層は厚いんだし花道いないと中で勝てないってことはないだろう
朝からテンション上がりました!
やっと三井に全国制覇のチャンスが巡ってきましたね!
以前もコメントさせていただいていたんですが、何となく三井は報われないキャラクターに感じていたので今回は今までの屈辱を喜びに変えてもらいたいです!
川崎対横浜を詳しく観たい気持ちもありましたが、想像を掻き立てて楽しむことにします!
Kさん、いつも最高の作品をありがとうございます!
チュウも泣いてるのか?
更新されない間に何試合もやっちゃってたんですね。三井推しの私には東京vs横浜が楽しみですが、赤木にも次回雪辱してもらいたい気持ちでいっぱいです
桜木vsミッチー、というわけではないけど、楽しみです。ミッチー!先輩として花道を悔しがらせてほしい。
しかし、ペイサーズが優勝してほしいです。
って凄いです。
さすがK様。
解説者が仰る通り、
ゴリはまた強くなりますね、
ますます楽しみだなー♪
3日前の試合www
そして、赤木対三井のラストは、赤木のシュートが外れての決着とは、あまりにも、非情(まだ、三井や深津にやられた方がスッキリはするもの)
で、決勝は、東京ペイサーズと横浜ネッツ
大阪サンズの樽瀬が、三井に、
「最後の12人に絶対残れよ」
と言っていたが、もし、ペイサーズを倒して優勝できたら、代表入り当確間違いなしだろう
と同時に、三井と同じく、生粋のシューターであり、これまでの日本代表のエースでもあった森尾が、おそらく消えることに…
となると、新生日本代表は、佐戸以外は、黄金世代になるんじゃないかな
野間って出てるやん
内容はともかく結果としては不遇な扱いだった二人の下剋上。
タレント揃いのペイサーズに対して2人がどういう戦いをするのか?
特に既にエースの立ち位置の三井に対し、代表で桜木に三井タイムを潰されている分どう描かれるか?
そして何より桜木封じの鍵を握っているのが深津な気がする
さらに花道がそれを上回って勝つ
三井タイムとかそーゆーのも見たかったです!
やっぱ最後はこの2人握手しますよね!!
洋平達と飲みたいです!
湘北(サンシローの代まで)で唯一全国制覇してない三井。これは楽しみですね!!
安西先生
バスケがしたいです
横浜の新コーチ 高頭力
「桜木くん、君には蚊帳の外にいてもらおうか」
「いくぞ」
秘密兵器「待ちくたびれましたよ」
(お前の名言、ついに言えたよ 神)
桜木「ぬ!?お前は!?」
深津、三井「出てきたか!」
杉山(桜木を丸裸にしたか。さすが知将 高頭)
森尾(代表に残れよ。お前こそ、オレの後継者だ)
一同「宇宙人!」
原作の湘北5人の中で、「続き」の中で唯一「全国制覇」を経験していないことに加え、樽瀬の発言だったり、インカレでの敗戦だったり、着々と三井勝利フラグが立っているようにも見える。
仮に最後はペイサーズが勝つにしても、桜木の伸び代として匂わされているスリーの重要性を改めて意識させる役割を担うんじゃないかな、と予想。
単純に作中の戦力描写をみると、ペイサーズの方がだいぶ優位なようにも見えるんだけど、準々決勝・準決勝の結果をみると、上位勢にほとんど差はないってことなのかな。
桜木もリーグ最上位クラスの選手になってしまったので、もしかしたら次は代表戦を挟んでBリーグから舞台を移したりするのかな、と想像つつ、まずは決勝戦を楽しみにしたいと思います。
Kさんが書いてくれるスラムダンクの続きが
毎週末の楽しみです。
中学生の頃から見てて、気づくと30歳になってしまいました 笑
展開的には三井ってこんなにすごい選手なんかな?といつも思ってます。
格的には少なくとも土屋より下かなと昔から思ってて、活躍する度にもやもやしてしまう部分があります 笑
三井アンチに捉えられるかもですが、
上記のこともあり、決勝は東京応援します!
私のモヤモヤを解消するくらいに
桜木が三井をボコボコにして欲しいです 笑
こんなん全試合生観戦したら、
最後は満足感と疲労感どっちが上回るんやろうかw
回想シーンで堀田番長出てきてほしかった。笑
そして更新お疲れ様です。
ついにミッチーも全国制覇に王手ですか!
その相手が桜木の東京ペイサーズというのが、またニクい運命ですね!これは良い意味でどちらも応援できません。真剣勝負を見守ります。そして準決勝もゴリとミッチーの対決でしたか!(河田と深津もね) 盛りだくさんの胸アツ対決ありがとうございます!
違う違う、そうじゃ、そうじゃない〜笑
このスーパースター三井がいる限り!!
横浜ネッツは絶対勝ァつ!!
毎度描写の取捨選択がうまいなぁと感心と言いますか、読んでて気持ちいいです。
黄金世代がプロのステージでも通用する事は既に伝わっており、黄金世代を擁するチームだけでもその全試合を描写すると、キャラが揃っていないチームも多くあり冗長気味になる。ダイジェスト形式にするにしても、それは今後の日本代表編などでのプレイ描写のバリエーションと重複するなど、今後の幅が狭まる。
原作キャラが少ないという理由からも高校編の桜木3年生時代を飛ばしたのといい、そういった取捨選択が原作キャラを大事にした原作の「続き」感を味わえて、最高に楽しいです。
桜木軍団vs三井軍団
あの体育館以来の戦い
サポーター同士の戦いにも注目
この戦いの終止符は
もちろん仏の登場
そして、あの名言とあの名言が再び
オレの名を言ってみろ〜
でも気持ちはわかる。
ゴリって試練をバネにしてくれそうな期待感がある。
飲み「干し」て欲しいです