横浜アリーナ
新横浜駅から徒歩圏内という抜群のアクセスに、
最大収容人数17,000人というキャパシティ、
著名アーティストのコンサートから、
バレーボールやテニス、卓球などの国際大会、
ボクシングの世界戦、格闘技の大規模興行など
ビッグイベントに利用される、言わずと知れた
日本を代表する多目的ホールである。
そんな大型アリーナに、この日初めて
バスケ選手･関係者･ファンが集結した。
彦一 「おおおお、デカいで、やっぱり！！」
弥生 「日本のトップリーグもここまで来たのね」
記者席から、額に手をかざして観客席を眺める、
週刊バスケットボール編集部一同。
町田、ニコリ。
｢ここで国内の試合が行われるという事実が、
日本バスケ界の成長を物語ってますよ」
統一プロリーグの初代王者を決める
B.LEAGUE CHAMPIONSHIPの最終決戦、
｢B.LEAGUE FINALS」
舞台はここ、横浜アリーナ。
試合開始1時間前でありながら、
すでに観客席は観衆で埋め尽くされていた。
彦一、目を瞑り、感無量という表情でつぶやく。
｢今日はみんな、ここに来とるんやろなあ…」
｢おい、洋平！ こっちだこっち！！」
｢おお！ ここか、結構いい席だな！」
｢あの争奪戦を勝ち抜いてゲットした席だぜ」
桜木軍団、東京ペイサーズのチームカラーである
赤で埋め尽くされた観客席に集合。
洋平 「おっと、みんな赤Tシャツか」
高宮、ニヤリ。
｢トーゼン買ったぜ、ペイサーズTシャツ」
大楠 「カッカッカ、俺も今日買ったところだ」
野間 「俺は以前から持ってた」
高宮 「洋平は私服かよ。浅いな、お前」
洋平 「いや、俺は…」
｢……？」
ジーーーッ、
洋平、半袖ジャージのファスナーを開ける。
現れたのは、東京ペイサーズ･背番号99の
レプリカユニフォーム
｢……！！！！！！」
高宮 「おお…、花道の…！！！」
大楠 「買ったのかよ」
野間 「ケッコー高かっただろ、それ」
洋平 「いや、もらった」
高宮 「誰に？」
洋平 「花道に」
ガタッ！
｢……！！！？」
一同、いっせいに立ち上がる。
スッ…、
洋平、それを横目に真顔で腰掛ける。
｢ちょっと恥ずかしいけど、せっかくだから、
今日はこれ着て応援すっかな」
高宮･大楠･野間、ちょっと昔を思い出す。
(そう、俺たちはエトセトラ…）
その頃、
横浜ネッツのチームカラー・濃紺に彩られた
観客席には、三井寿のレプリカユニフォームを
身にまとった、強面の4人組の姿が。
そのなかで頭一つ大きな長身の男の手には、
｢炎の男 三っちゃん Bリーグ編」と書かれた、
どうやら手作りらしいタオルマフラー。
｢三っちゃん、ついに全国制覇への挑戦だ」
堀田徳男、その人である。
ザワザワ…。
(なんだ、あの集団。全員三井のユニフォーム…）
(ただのファンじゃないぞ。妙なオーラを感じる）
堀田、タオルマフラーを握りしめる。
｢ゴメンよ、三っちゃん…。Bリーグの試合は
旗を振っちゃダメなんだ。だから、これで…」
ガタッ！！
一同、立ち上がり同じタオルマフラーを振り回す。
｢うおおおおおおーーーーーーー！！！！」
｢三っちゃああああーーーーん！！！！！」
ザワザワ…。
｢なんだ、なんだ…！！？」
｢コートに選手がいないのに名前を呼んでるぞ？」
ザワザワ…。
(危険なニオイがする…、かかわらないでおこう）
(なんか見た目も怖いし…）
｢恥ずかしい…」
関係者招待席で、彩子が赤面している。
どうやら堀田軍団のアクションを目撃した模様。
｢あの人たちと離れた席でよかったわ」
その隣には、晴子と木暮。
木暮 「まだ熱心に応援してるんだな、アイツら」
晴子 「三井さんは幸せね」
彩子 「どこが…」
そして、安西光義。
｢ホッホッホ、みんな元気で何よりです」
東京ペイサーズ・桜木花道と
横浜ネッツ・三井寿は、
この4人に招待券を渡していた。
東京ペイサーズ側でも横浜ネッツ側でもない
センターライン付近のニュートラルなエリア。
コートまではやや遠い位置ではありながら、
2人のプロ選手が用意した「特等席」であった。
同様の経緯により、山王工業高校･堂本五郎も
同校の校長と共にこのエリアに座っている。
無論、チケットを用意したのは深津一成。
そんなわけで、このエリアには次々にプロ選手や
大学バスケ選手が挨拶にやってきた。
赤木 「安西先生、ご無沙汰しています」
河田雅 「堂本監督、お久しぶりです」
惜しくもこの決勝の舞台には辿り着けなかった
川崎ニックスのツイン･コング。
頭を下げ、高校時代の恩師と握手を交わす。
安西 「準決勝は惜しかったですね、赤木君」
赤木 「はい、来年こそは必ずやファイナルに」
安西 「うむ」
晴子 「お兄ちゃん…」
木暮 （赤木…、プロでも優勝を狙う選手に…）
瞬間、歓声。
｢おおおおおお…！！！！！！！！」
｢…！！？」
安西から数席離れた座席、
堂本五郎のもとに、樽瀬勇太が登場。
堂本 「初代王者には届かなかったか」
樽瀬 「もっと練習します」
堂本 「後輩たちに負けないようにな」
河田雅 「…！？」
樽瀬、ニコリ。
｢いやあ、強敵ですよ。どいつもこいつも」
河田雅、返す。
｢負けませんよ、樽瀬さん」
さらに、
三河マーベリックス・左京伸長、
栃木ピストンズ・松本稔、
秋田ラプターズ・野辺将広らもやってくる。
Bリーグには山王工業高校出身の選手が
多数在籍しているため、プロ選手が続々登場。
この堂本五郎への訪問シーンは、さながら
スペシャルなファンサービスともいえた。
木暮 「す、すごいな…」
彩子 「勝手に緊張しちゃうわ…」
晴子 「でも…」
木暮･彩子 「……？」
晴子、続ける。
｢この凄い人たちに勝って、桜木君と三井さんは
決勝戦に進んだんですよね」
木暮 「ああ、そういうことだ」
晴子 「みんな、凄いわ。お兄ちゃんも」
安西、ニコリ。
｢今日は素晴らしい1日になりそうです」
そして関係者席には、
牧、藤真、花形、諸星、土屋、仙道、神、森重、
佐戸、須藤、若穂ら、日本代表候補選手がズラリ。
神 「信長は？ 来てる？」
仙道、首を振る。
｢いや、試合は見るもんじゃない、
出るもんだ、とか言って」
牧 「フッ」
藤真 「あ、岸本も同じこと言ってたよ」
諸星 「言いそう、言いそう」
花形、ニコリ。
｢どっちもテレビで見てるだろうがな」
佐戸、頷く。
｢もちろん誰だって、あのコートに立つことが
目標だっただろうが、なんにせよ日本バスケの
歴史的瞬間だ。しっかり見届けよう」
｢マイクオッケーです」
｢あと20分で放送始まります」
放送席は準備万端。
実況は道谷、解説は塚本、ゲスト解説は岡浜。
先の代表選でも形成されたトリオがスタンバイ、
スタッフとの最終打ち合わせに入っている。
｢黄金世代メンバーはみんなスタメンです」
｢まずはそこをフィーチャーしていきましょう」
｢桜木と三井は元チームメイトです。高校時代には
深津との対戦経験もあります。そのへんの物語も
差し込んでいってください」
岡浜 「楽しみなスタメンだね」
塚本 「若い選手が活躍すると思いますよ」
東京ペイサーズ
スターティング・ラインナップ
Ｇ／１.棟川公紀（178cm／70kg／33歳）
Ｇ／９.森尾毅彦（190cm／77kg／30歳）
Ｆ／10.R.デビッドソン（203cm／105kg／29歳）
Ｆ／99.桜木花道（199cm／101�圈�20歳）
Ｃ／17.T.ホームズ（203cm／102kg／30歳）
横浜ネッツ
スターティング・ラインナップ
Ｇ／12.深津 一成 (182cm／73kg／22歳 ）
Ｇ／31.三井 寿（186cm／75kg／22歳）
Ｆ／３.高木 祐太（191cm／83kg／26歳)
Ｆ／７.C･ポンセ（203cm／102kg／31歳）
Ｃ／14.G･パチョレック（208cm／112kg／30歳）
そして、
試合開始30分前、選手たちがコートに登場。
暗転したコートにBGMが流れる中、
ファイナルを戦う男たちが歓声を浴びる。
｢おおおおおおーーーーーーーー！！！！！！」
｢来たあああああーーーーーーーー！！！！！！」
桜木軍団 「花道いいいいーーーーー！！！！！」
堀田軍団 「三っちゃああああーーーん！！！！」
バチン！！ バチン！！
コート中央、
両軍メンバーが、握手･ハイタッチを交わす。
戦いを前に、互いの健闘を祈る。
桜木 「オウ、ミッチー」
三井 「来たぜ、桜木」
ガッシイイ！！！！
がっちりと握手。
彩子 「わぁ…」
安西 「素晴らしい光景だ」
木暮は、さっそくメガネを外し、
ハンカチを取り出した。
｢もうダメだ…」
Bリーグ･ファイナル、
まもなくティップ･オフ。
続く
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jungle123
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる（1332） へのコメント一覧
これはアツイ！！！
大人になってる！！
真ん中には安西先生
最後にミッチーの来たぜ桜木でもうダメだ
Kさんいつもありがとうございます！
初代Bリーグ王者を決める舞台はここ、神奈川横浜アリーナの地でBリーグチャンピオンシップ決勝に勝ち進んだのは王者東京ペイサーズVS台風の目横浜ネッツ！花道VS三井＆深津の戦いが始まる!
応援団も白熱しており、東京ペイサーズ陣には洋平、高宮、大楠、野間の桜木軍団が赤いTVシャツを着て応援！さらに洋平は花道からのプレゼント背番号99ユニフォームをに着ての応援。良いなぁ！
対して横浜ネッツには三井応援団堀田軍団来た〜！こちらも負けずなんと4人とも全員三井寿レプリカTシャツになんと堀田団長は手作りみっちゃんタオルマフラー。欲しい！両方欲しい！
そして、特別席には木暮さん、彩子さん、晴子さん、安西先生が！山王から堂本監督、河田、樽瀬。だけでなく、牧、花形、仙道、須藤さんなど日本代表選手がずらりと勢揃い！Kさん、なんすかこの展開は！想像しただけで涙が。
実況はお馴染み道宮＆塚本さんに解説は岡浜さん。
王者ペイサーズは棟川さん、森尾さん、花道、デビット＆ホームズのW外人の布陣に対して挑戦者横浜ネッツはスーパーカートリオに司令塔深津に炎のシューター三井の黄金世代のメンツきました！
実力、経験でいうとペイサーズが有利だが爆発力はネッツも侮れません！両チームどのようなマッチアップになるのか、戦術など予想がつかないが要チェック！要チェックな試合や！
ミッチーと花道の握手にメガネくん同様涙を流しました。
初代Bリーグ王者となるのは東京ペイサーズか横浜ネッツか？
頑張れ！横浜ネッツ！
30年間も、待たせやがって。
ありがとうございます！！！！！
もうサイコーです。
試合展開が楽しみで仕方ありません
どっちも頑張れ！
自分も思いました！
これだけで一話見たかったくらいですよね！
自分も歳とったなぁ…。
三井は更に代表に定着するには乗り越えないといけない森尾とマッチアップですからこの試合が今後のターニングポイントになるかもしれませんね。熱い試合は間違いないですが、原作キャラも代表のオリジナルキャラも魅力的な選手ばかりですし、続きを楽しみにしてます。
リアルでスポーツを応援している感覚にちかい。
こんな素晴らしいコンテンツを作ってくれたKさんに感謝です
原作では「スーパースター三井」に「素人桜木」だったのにね…いつの間にこうなった。
安西先生の前でミッチーが勝つ瞬間を見たいけど、
花道にも勝ってほしい！！
堀田さん達もお久しぶりで嬉しいです(*^▽^*)
Ｋさん、いつもありがとうございます。
いよいよですねぇ．．．。ミッチーは先輩の意地もあるし、やっとここまできた！感もある。花道君、楽に勝てると思うなよ。でもしつこいですが、ペイサーズに優勝してほしい🏆ミッチー！花道君を苦しめ成長させてください。花道！MVPを獲れ💪
どっち応援したらいいんだ、これ
ユニバ前哨戦の時に、ミッチーが得意のステップバックを封じられてから、どう成長したか早く見たいですね！
激アツ過ぎてヤバいです！！！！！！
彩子さんと晴子を考えると、安西先生はミッチーじゃない？
試合、楽しみです！
「バスケがしたいです。」
そう語った三井寿の、集大成となる試合なのか⁈
本当にワクワクする。
そわそわ・・トントン・・イライラ・・・もんもん・・・・
いや、原作では「元スーパースターで大不良」と「素人桜木」から始まり、「ブランクを感じさせないシューター」と「リバウンド王」になり…「あきらめの悪い男」と「4点分の働きの救世主」でしたよ。
原作内では、三井がスーパースターなのは、あくまでも中学時代(過去)の話。
否定しといて言ってる事同じやん
深津、三井、桜木、杉山がメインになるのかな。
個人的に桜木、杉山が３P初披露しそうな感じがします！
2勝？3勝？4勝？
ココに、宮城がいたら、あの湘北高校の体育館での乱闘事件の中心メンバー勢揃いなんだがな(勿論、流川も、その時いたけど)
そして、この試合は、スタメンとして、デビちんが復活
双方、ベストメンバーでのぶつかり合いだ
試合予想は、層の厚さでいえば、ペイサーズだし、何より、花道は、猛烈な勢いで成長していってる
ただ、安西先生が来ているとなると、三井も捨て難いし、これまで、どちらかというと、牧や藤真、宮城と比べると華の無いキャラクターとして描かれてきた深津にも、
「俺にもこんな日があってもいいじゃないか」
というエンディングをみたい気もする
まあ、どういう結果に終わったしても、堀田番長だけは、ボロ泣きだろうな(苦笑)
NBAファイナルみたいに優勝に4勝必要ならノーチャンスじゃね
大学3年生の学年なので20歳で間違いないっすね
予想してませんでしたよ〜
Kさんの描く（あえて描く）
こういう試合前の回って
実は結構好きなんですよね。
漫画スラムダンクの日常会の感じが、目に浮かんできます！
雰囲気的に、一人2枚しかとれないから、三井と示し合わせたんじゃないかな。
木暮に話して、安西先生連れてきてと、晴子は花道のアプローチもこめて。リーグ参加者には送ると失礼やし。
木暮「お前がバスケットに戻ることができたのは、誰のおかげだ」
三井「間違いなく、兄さんのおかげです」
「僕をバスケットに戻せていただき、今日の僕がいてるのは、兄さんのおかげです。細やかながら、チケットです」
木暮「いつも 悪いな。今日のヒーローインタビューで必ず、オレの名前を言えよ。それでオレにもプロの目がいき、来季はオレもBリーグ、そして、代表に入って アメリカに行くぞ」
他の読者のみなさんとおなじく、泣く。
どちらも応援したい気持ち、初めて感じる。
これから余韻で寝れない。
CHAMPIONSHIPの”H”が抜けてます！
どっちも頑張れ！どっちも勝て！！
焦らすねー
本当に面白い。
試合以外の描写も楽しみです！！
「モップはテメエが…」
本人に直接もらったならレプリカではないのでは？
徹夜で読み漁りました。アツい展開続きで、寝るのも惜しいくらい！！！
そして、いつの間にか最新話…更新楽しみにせます！
それめっちゃ見たい！
三井と花道と両方関わりがあるし、モップで初代Bリーグ決勝でコートを磨く！
桜木軍団、堀田軍団との絡みもあったし、去り際にあの一言があれば最高！
原作の山王戦、宮城の「行くぞ流川」からの三井へのノールックパスでバスケットカウント4点決めるシーンが一番好きな私ですが、タイプの違う深津とのコンビもとても楽しみです。
先が気になる。