Kの部屋 - スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
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編集者・Kが「スポーツ」「漫画」「テレビゲーム」などなどを大いに語っております。
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1265)
https://knoheya.blog.jp/archives/52046174.html
天皇杯準決勝の第1試合から、約1時間後、いつものごとく興奮気味の道谷の実況。《さあ、間もなく準決勝第2試合が始まります!カードは、東京ペイサーズと大阪サンズです!》塚本《これもまた楽しみな一戦ですよ》道谷《東西の雄が決勝の切符を賭けて戦います》天皇杯ファイナ...
jungle123
2024-03-24T10:42:47+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
いつものごとく興奮気味の道谷の実況。
《さあ、間もなく準決勝第2試合が始まります!
カードは、東京ペイサーズと大阪サンズです!》
塚本《これもまた楽しみな一戦ですよ》
道谷《東西の雄が決勝の切符を賭けて戦います》
天皇杯ファイナルラウンド
準決勝・第2試合
東京ペイサーズ×大阪サンズ
町田 「いいカードだなあ」
彦一 「あの開幕戦を思い出しますね」
ーー 東京×大阪
バスケファンにとっては、まだ記憶に新しい
Bリーグ開幕戦と同じカードである。
道谷、問う。
《昨年9月、Bリーグの記念すべき開幕戦を戦った
両チームが、再び相まみえることとなりました。
94‐88で東京が大阪を破ったあの日から約4か月、
はたして今日のゲームは、どうなるでしょうか》
塚本、返す。
《東地区のトップを走る東京と、西地区で首位に
立つ大阪ですからね、リーグ最高レベルの試合を
また披露してくれると思いますよ》
道谷、続ける。
《ではズバリ、塚本さんが注目する選手は?》
塚本、返す。
《うーん、さすがに迷いますが、大阪については
やはり樽瀬選手がキーマンだと思います。そして
東京は…、桜木選手ですね》
「………!!!!!!」
宮城 「おいおい…!!」
(天皇杯準決勝だぞ…! あの花道がこの大舞台で
解説者にそう言わせちまうってのかよ…!!)
荒石 「はぁ~、こりゃビックリだな」
天崎 「桜木さん、もうそんな位置にまで…」
彩子 「うわあ…」
晴子 「凄いわ、桜木君」
須形 「桜木さん…!!!!」
上原 「もう完全にBリーグのトップ選手だ」
安西 「素晴らしいことです」
画面の前で、かつての仲間たちが目を見開き、
感嘆と感動の言葉を続ける。
そして、
会場にいるかつての仲間たちは、この時間の定番、
予想大会に花を咲かせる。
赤木 「有利なのは東京だろう」
三井 「いや、大阪だな」
木暮 「お、割れた」
花形 「その根拠は?」
赤木・三井 「「 俺たちに勝ったからだ 」」
花形 「そ、そうか…」
木暮 「わ、分かりやすい理由だな」
『ビビーーーーーーー!!!!!!!!!』
まもなく試合開始となることを告げるブザー。
そして、歓声。
「さあ、来たぞーーーーー!!!!!!!!」
「勝った方が決勝進出!!!」
「東京と大阪、開幕ゲーム、再びだ!!!」
東京ペイサーズ
スターティング・ラインナップ
G/8.小場真志(176cm/69kg/26歳)
G/9.森尾毅彦(190cm/77kg/29歳)
F/22.C.オズボーン(201cm/100kg/29歳)
F/99.桜木花道(199cm/101㎏/19歳)
C/32.杉山祥太(203cm/102kg/25歳)
大阪サンズ
スターティング・ラインナップ
G/0.樽瀬勇太(173cm/74kg/28歳)
G/5.天月謙介(189cm/80kg/34歳)
F/12.D・パーマー(201cm/97㎏/23歳)
F/44.R・ワイアット(201cm/102㎏/24歳)
C/4.浜崎昭典(216cm/112kg/32歳)
弥生 「あの開幕ゲームとは違うスタメンね」
町田、頷く。
「東京は、棟川とデビッドソン、主力をふたりも
欠いてますからね。一方の大阪は、あの日と同じ
いつものスタメン。パッと見では大阪優勢かな」
そこに彦一。
「とはいえ選手層はリーグナンバーワンといわれる
東京ですよ。主軸の離脱があっても、最高クラスの
戦力なのは変わりません。それに…」
町田 「それに…?」
彦一 「桜木さんがおるし」
弥生、ニコリ。
「その通りね、桜木花道、今日も要チェックやわ」
ズイ!!
あの日と同じく、センターサークルに立つ桜木。
「……!!!!!」
「おおおおおお!!! ジャンプボールは桜木!」
「これまた開幕戦と同じ光景!!!!」
「面白いことやりやがるぜ、桜木の奴!!!」
浜崎 「こっちは年寄りだ、お手柔らかに頼むぜ」
桜木 「……。」
浜崎 「…?」
ここは、あの日とは違った。
ーー 桜木、ニヤリ 「行くぜ、ジャマジャマ」
不敵な笑みを浮かべた9月の桜木の顔とは違う、
なにか強い意志を感じさせる真っすぐな表情。
道谷《さあ、始まります!》
レフェリーがボールをトス。
バッシイイイイイ!!!!!!!!!
桜木が叩いた。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!!」
「桜木、高い!!!!!!!!!」
町田 「これだ!!!」
彦一 「桜木さんの規格外のジャンプ力!!」
ボールを取ったのはオズボーン。
そして、オズボーンから小場へ。
小場 「さあ、一本!!!!!!」
道谷《東京ボールからスタートです!》
塚本《桜木君、凄いジャンプでしたねえ!》
早々に会場を沸かせた桜木。
さらに、
ダム!!!!!!!
道谷《桜木、1対1!!!!》
塚本《いきなり行きましたよ!!!!》
キュキュッ!!!
大阪Sの守備陣に囲まれるが、
ビッ!!!!
空中でパス。
これがディフェンスの背後を獲っていた杉山へ。
三井 「おお…!!!」
木暮 「上手い!!!」
バス!!!
1stクォーター 15秒
東京P 2
大阪S 0
「決まったああああーーーー!!!!!!」
「東京、先制!!!!!!!!」
道谷《先取点は東京、杉山!!!》
塚本《いやあ、桜木君のパスが上手かった!!》
道谷《準々決勝でもこれが効いていました》
塚本《その通りですね、早くも魅せてくれました》
花形 「あれが、あの桜木か…」
赤木 「うむ…」
ジャンプボール、そしてアシスト、
桜木、立て続けに会場を沸かせる。
森尾 「オッケー、桜木!」
桜木 「おう」
樽瀬 「……。」
(あの開幕戦が、わずか4か月前のことか…)
そして、ディフェンス。
ガン!!!!
道谷《天月のシュート、外れました》
塚本《さあ、リバウンド》
ガッシイイイ!!!!!
完璧なスクリーンアウトから、桜木がキャッチ。
「おおおおおおーーーーーーー!!!!!!!!」
「桜木、強い!!!!!!!」
ビッ!!
そして、すかさず外にボールを放る。
これが小場に渡り、東京のオフェンスへ。
町田 「リバウンド後の捌きも的確だ」
弥生 「完璧な仕事だわ」
彦一、茫然。
「桜木さん…」
道谷《桜木、開始早々から攻守に大活躍です》
塚本《これは予想以上ですねえ》
道谷《試合前から注目選手に挙げていましたが?》
塚本《いやあ、ここまで支配してしまうとは》
森尾 「あの試合前の沈黙の答えがこれか…」
杉山 「味方でよかったですよ、まったく」
続くオフェンスも、桜木のための舞台となった。
ビッ!!
森尾がシュートフェイクからゴール下へパス。
道谷《このボールは桜木へ!!》
塚本《またもや…!!?》
クイッ!
桜木、ゴール下でワンフェイク。
ダム!!
デイフェンスを飛ばし、ワンドリブル。
「………!!!!!!!」
花形 「な…!!!」
三井 「ナイスフェイク…!!!」
守備をかわすように逆サイドへ移動し、
リバースレイアップ。
バス!!!
1stクォーター 40秒
東京P 4
大阪S 0
「うわあああーーーー!!!!! 決まった!!」
「おいおいおい!!! 止まらねえぞ!!」
「桜木、どうなってんだ!!!!!!」
道谷《東京、連続得点です!!!!》
塚本《桜木君、完全に乗っていますね!!》
樽瀬 「……。」
(もはや、あの日の桜木とは別人だな。
バスケ選手としての完成度が全く違う)
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
「「「 桜木!!!!!!! 」」」
ガガガン!!
場内は、大・桜木コール。
東京Pのあらゆるプレイに桜木が絡み、
そしてリードに導いている。
樽瀬 (凄い男だな、桜木)
ダム、ダム…。
ボールを運ぶ。
樽瀬 (だが…)
道谷《大阪は、一本返したいところ》
塚本《東京の波を止めたいですね》
ビッ!! ビッ!
ボールを回す大阪S。
動きながら、樽瀬は少し笑った。
「ちょっと、面白くなくなったかな」
小場 「…?」
樽瀬 (残念ながら、今日のお前は怖くない)
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1264)
https://knoheya.blog.jp/archives/52045771.html
天皇杯ファイナルラウンド準決勝・第1試合4thクォーター 残り10秒深体大 76三河M 75牧のビハインド・ザ・バックパスから、河田雅のスリーポイントが炸裂。道谷《決まったああああーーーー!!!!!》「逆転ーーーーーーーーーーー!!!!!!」「深体大、逆転ーーー...
jungle123
2024-03-10T17:43:50+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準決勝・第1試合
4thクォーター 残り10秒
深体大 76
三河M 75
牧のビハインド・ザ・バックパスから、
河田雅のスリーポイントが炸裂。
道谷《決まったああああーーーー!!!!!》
「逆転ーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「深体大、逆転ーーーーーーー!!!!!!」
残り10秒、深体大1点リード。
タイムアウトはもうない。
「………!!!!!!!!!!」
コートサイドに立つプロ選手も、
記者席に陣取るプレス陣も、
同じような表情で目を見開く。
信じられない光景が、目の前のコートにある。
まさに会場、騒然。
「ミスター・バスケットボール」佐戸健一を筆頭に
名だたるスター選手を擁するBリーグ優勝候補、
列強・三河マーベリックスが追い詰められている。
大学生チームに追い詰められている。
観衆の声援と悲鳴、とてつもない轟音のなか、
ラスト10秒の戦い。
そして、
この信じられない逆転シュートからの10秒、
観戦する全員が、
さらに信じられない光景を目撃することとなる。
残り9秒、
エンドラインからのスローインを
佐戸健一が受け取る。
深体大ディフェンスが動く。
守り切れば勝ち。
時間をかけさせれば勝ち。
ダム!!
佐戸、ワンドリブルから深体大守備網の隙を突き、
大きなパスを前線に放る。
「……!!!!!!!!!」
森尾 「かいくぐった…!!!」
樽瀬 (上手い…!!!!)
残り7秒、
スリーポイントライン付近で、
チーム最年長の外川が受け取る。
浜崎 (外川さん…!!!)
杉山 (撃つか…!!!!)
ビッ!!
外川、小さなシュートフェイクを入れ、
マッチアップの大野の体勢を崩し、中へのパス。
森尾 「パス…!!!!!」
樽瀬 (絶妙…!!!)
残り5秒、
ゴール下でエリック・マッカーシーがキャッチ。
ダム!!!
マッカーシー、ワンドリブル。
河田美に体をぶつける。
そして、シュートへ。
桜木 (ゴール下…!!!!!!!!)
道谷《マッカーシーだ!!!!!!!!!》
塚本《来るか!!!!!!!!》
ここから数秒、
桜木は言葉を失う。
バッシイイイイ!!!!!!!!!
道谷《河田弟、ブローーーック!!!!!!》
塚本《おおおおーーーーーー!!!!!!!》
しかし、勝負は終わらない。
道谷《いや、アンダーソンが拾った!!!!》
バッシイイ!!!!!!!!!!!
道谷《河田雅史、ブローーーーック!!!!!》
塚本《うわああああああ!!!!!!!》
それでも終わらない。
道谷《こぼれ球は佐戸…!!!!!!!》
塚本《2秒!!!!!》
バシイイイイ!!!!!!!!!!!!!
道谷《牧が叩いた!!!!》
塚本《な……!!!!!!!》
残り0.8秒、
道谷《佐戸…!!!!!!!!!!!》
残り2秒で放ったシュートは牧に叩かれた。
だが、弾かれたボールは、
もう一度佐戸の手元に落ちてきた。
無理矢理放った。
「うわああああああーーーーーー!!!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
タイムアップのブザーと、観衆の絶叫、
ふたつの大きな音の中でも、
そのボールがバックボードを叩く音は
コートに響いた。
バス!!!!!!!!
そして、リングをくぐった。
残り0秒
深体大 76
三河M 78
観衆が一斉に立ち上がった。
三河Mを推す者も、
深体大を推す者も、
関係なく、立ち上がった。
この試合最大の轟音が会場を包んだ。
そんななか、
桜木は変わらず言葉を失っていた。
「………。」
試合後、
佐戸健一は最後のシュートを苦笑いで語った。
「狙っていなかったわけじゃない」
「リングは見えたし、そこに向けて放った」
「だが、それが入ったことについては、
運がよかったとしか言いようがない」
外川も脱帽の表情だった。
「勝負としては完全に負け」
「最後あれだけ止められて勝ったのが不思議」
いつもインタビュアーを笑わせる左京が、
笑顔ひとつ見せなかった。
「正直、勝った気がしない」
「恐ろしい世代が参入してくることを
Bリーグ全選手が、肝に銘じる必要がある」
深体大選手への質問時間は、
勝者のそれよりも長かった。
牧、諸星、大野、河田雅、河田美、
さらには、最後の場面はベンチにいた
樋口や伊達健、そして唐沢監督も含め、
記者陣は最強の敗者を解放しなかった。
そして、VIPルームはこの日も慌ただしかった。
「これは、もしかしたら勝利するよりも衝撃的な
負け方だっといえるかもしれない」
「あの場面で3連続ブロックなど見たことがない」
「とはいえ、最後のシュートを決めてしまうのは、
さすがミスター・バスケットボールだな」
「運の要素は確かにあっただろうが、入ったのは
紛れもない事実。やはり持っているよ、佐戸は」
「あの天性の勝負強さ、日本の大きな武器ですね」
「しかし、代表の枠を争うサバイバルはどうやら
想像以上に熾烈になりそうだな」
劇的結末の余韻残るコート上、
次なるゲームは、東京ペイサーズ×大阪サンズ。
両チームが試合前のウォーミングアップで
汗を流す中、コート中央では森尾と樽瀬が談笑。
森尾 「また凄いものを見せられてしまったな」
樽瀬 「まいりましたよ、ホント」
森尾 「まあ、今後を考えれば頼もしい限りだ」
樽瀬 「いや、まだまだ若い者には」
森尾 「そうだな」
樽瀬 「そういえば、桜木は?」
森尾 「ん?」
樽瀬 「ずいぶん静かに見えましたが」
森尾、ニコリ。
「また何か火がついたかもしれない。
次の試合、覚悟した方がいいぞ」
樽瀬 「いや、まだまだ若い者には」
森尾 「フッ」
“籠球乱舞”と称された天皇杯、
ファイナル一つ目の椅子を勝ちとったのは
三河マーベリックス。
続く
---
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1263)
https://knoheya.blog.jp/archives/52045553.html
天皇杯ファイナルラウンド準決勝・第1試合4thクォーター 残り51秒深体大 73三河M 73「同点ーーーーーーーー!!!!!!!!!!」「深体大、追いついたあああーーーー!!!!」「あと50秒!! 凄い試合になってきた!!!」道谷、興奮実況。《河田雅史、決めました!...
jungle123
2024-03-03T18:51:48+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準決勝・第1試合
4thクォーター 残り51秒
深体大 73
三河M 73
「同点ーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「深体大、追いついたあああーーーー!!!!」
「あと50秒!! 凄い試合になってきた!!!」
道谷、興奮実況。
《河田雅史、決めました! 見事なステップから
アンダーソンをかわしての得点です!!》
塚本、興奮解説。
《いやあ、驚きましたねえ! 左京君のスリーで
三河が流れを止めたと思ったのですが、深体大が
自慢の個人技で取り返しましたねえ》
道谷、続ける。
《個々の力はプロに勝るとも劣らないといわれる
深体大ですが、まさにその通りの一本でした!
NBAキャリアを持つアンダーソンからの得点!》
塚本、続く一本を占う。
《さあ、三河にはもうタイムアウトがありません。
ここからは選手のアイデアのみで戦っていかねば
ならない。自らを「オジサン軍団」と呼ぶ彼らの
経験と底力がここから問われますよ!》
ビッ!! ビッ!
三河Mはゆっくりボールを回す。
ベテラン選手らしく、この土壇場の場面においても
落ち着いた雰囲気で、オフェンスを組み立てる。
森尾、腕組み。
「桜木の言う1対1、先に見せたのは深体大か」
杉山 「しかし、今のは凄いプレイだった」
樽瀬 「だがまだ同点、次は佐戸さんの番だ」
桜木、ニヤリ。
「ミスターも黙っちゃいねえだろ」
キュキュッ!!!
その、「ミスター・バスケットボール」と
対峙するのは、深体大主将・牧紳一。
ベンチから再び声が飛ぶ。
「2番(佐戸)、来るぞ!!」
「牧さん、ディフェンス!!!!」
町田 「今度は自ら行くか、それともパスか」
弥生 「牧君は難しい2択を突き付けられてるわ」
牧 (次はどっちだ。来るのか、パスなのか…)
ダム!!!!
佐戸、ドリブル開始。
牧 (来た…!!!!!)
キュキュッ!!!!!
ダム!! ダダム!!!!!
佐戸が細かいドリブルを重ね、左右に体を振り、
牧の守備体勢を崩しにかかる。
完全な1対1。
桜木 「さあ、来たぜ!!」
森尾 「ケン(佐戸)が仕掛けるぞ!!」
「佐戸vs牧!!!!!!!!!」
「1on1!!!!!!!!!!」
ダム!!
ダダム!!!!
キュキュッ!!!!
佐戸のドリブルの音と、牧のシューズの音が
コートに響き渡る。
ショットクロックは残り8秒。
道谷《佐戸が仕掛けます!!》
塚本《時間的にも、これは勝負でしょう!》
ショットクロック残り6秒。
佐戸の視線が、一瞬ゴール下に向いた。
牧 (パスか…!!!)
そして、上体が沈む
牧 (と見せかけてドライブ、来る…!!)
次の瞬間、
ダン!!!!!!
佐戸がその場で跳んだ。
牧 「……!!!!」
タイミングを外された。
ビッ!!!
佐戸、ジャンプショット。
桜木 「おおおおお…!!!!」
樽瀬 「上手い…!!!!!」
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!」
どよめきの中、ボールがボードを叩く。
バス!!!!
4thクォーター 残り31秒
深体大 73
三河M 75
「決めたあああああーーーーーーー!!!!!」
「ここで佐戸健一いいーーーー!!!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
そして、ブザー。
深体大、タイムアウト。
道谷《佐戸、決めました!!!!》
塚本《1対1を制しましたねええ!!!!!!》
森尾 「ケン…!!!!」
杉山 「さすが…!!!!」
浜崎、ニコリ。
「これが佐戸だ」
深津 「…!!!」
藤真 「凄い…!!!」
宮城 「見せてもらったぜ、佐戸サン…!!!」
佐戸健一、ビッグショットで勝ち越し。
大歓声の中、両軍メンバーはベンチへ。
パチン! バチン!!
三河Mメンバーが次々に佐戸の手を叩く。
殊勲の司令塔を迎える。
パチパチパチパチ!!
一方の深体大ベンチも手を叩き声を出し
メンバーを迎え入れる。
「まだまだ!」「次を決めよう!」
そんな声が飛び交う。視線は常に、前。
道谷《これで両軍タイムアウトを使い切りました》
塚本《最後の作戦タイムですね!》
道谷《塚本さん、残り時間は31秒ですが》
塚本、解説。
《時間の残し方も絶妙ですねえ! 仮に次の攻撃で
深体大が一本返したとしても、三河にはある程度の
プレイタイムがありますよ》
町田 「最後の最後、三河有利な展開に」
弥生 「これがプロのゲームの作り方ね!」
彦一 「とはいえ、勝負は全然分からんで!!!」
「残り30秒、どうなるんだ、このゲーム!!!!」
「本当にどっちが勝つか分からねえ!!!!」
「メチャクチャ面白れええええ!!!!」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!!』
観衆の大歓声とブザー音の中、
両軍メンバーがコートに入る。
深体大、
牧、諸星、大野、河田雅、河田美。
三河M、
佐戸、左京、外川、マッカーシー、アンダーソン。
道谷《両チーム、選手交代はありません!!》
塚本《これが勝負を託された5人ですね!》
道谷、問う。
《塚本さん、残り31秒です。次の攻撃、深体大は
2点と3点、どちらを選ぶでしょうか》
塚本、返す。
《難しいですが、決めたとしても三河に攻撃権が
1回あることを考えると、一気に逆転まで行きたい
気持ちはあるでしょう。同点でベテランチームに
最後の攻撃を渡したくないですからね》
花形 「ここは3点が欲しいな」
赤木 「うむ、ギャンブル的な選択かもしれんが」
三井、ニヤリ。
「なーに言ってやがる、3点に決まってんだろ。
俺なら迷わねえぜ」
深体大はエンドラインからのスローインを選択。
ビッ!
諸星がコートに入れる。
牧がこれを受け取る。
牧 「さあ、一本!!!!!!!!!!!!」
「オウ!!!!!!!!!」
道谷《ラスト30秒、深体大のオフェンスです!》
塚本《さあ、どうなるでしょうか!!》
「ディーフェンス!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「ディーフェンス!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
声が交錯する。
決めるか、守るか。
2点か、3点か。
1対1か、パスゲームか。
ショットクロック、残り7秒。
答えが見えた。
ダム!!!!!!!
「牧だ!!!!!!!!!」
「1対1!!!!!!!!!」
町田 「2点狙い!!!!!!!!」
弥生 「中に行った!!!!!!」
キュキュッ!!!!
佐戸、抜かせない。
喰らいつくディフェンス。
森尾 「させない!」
樽瀬 「ミスターはディフェンスも超一流!」
左サイド、スリーポイントラインのやや内側。
ダム!!!
キュッ!
牧、少し上体を上げる。
重心が後方に寄る。
佐戸 「…!!」
(ロッカーモーションから、ドライブ)
グッ!!
牧の体が前方に沈む。
ドライブの形。
佐戸 (やはり来た!)
が、次の瞬間、変わる。
(いや…!!)
(違う)
(コイツなら…)
佐戸は読んだ。
天皇杯準決勝、この極めて大きな舞台で、
黄金世代の中心人物ともいえる牧ならば、
敢えてこうするのではないか、と。
(さっきの俺と同じことをやってくる…!!)
(ドライブじゃない)
佐戸、シュートに狙いを定める。
キュッ!!!!!!
前に出た。
牧はドリブルをしなかった。
森尾 「……!!!!!!」
杉山 (読んだ…!!!!)
が、
シュートでもなかった。
ビッ!!!
牧、背面に右腕を回す。
その手から、ボールが外に放られる。
佐戸 「……!!!!!!!!」
佐戸の予想は当たっていた。
牧は、確かに佐戸のプレイを返して見せた。
だがそれは、
ひとつ前のプレイ、ジャンプショットではなく、
さらにその前、
ビハインド・ザ・バックパスだった。
ボールは左コーナー。
河田雅史。
道谷《河田だあああああーーーーーーー!!!》
塚本《これは…!!!!!!!》
同じ現象が起きた。
牧の最初のドリブルインにより、三河Mの
ビッグマンは、ゴール下方向へやや偏っていた。
アウトサイドで、河田雅が空いていた。
左京 (そっちか…!!!)
目の前で左京が目を見開くなか、
諸星は不敵な笑みを浮かべた。
(ああ、空くならそっちだと思ったぜ)
諸星 「雅史!!!」
牧 「撃てええええええーーーー!!!!」
ビッ!!!
道谷《河田のスリーーーーーー!!!!!》
塚本《来るか……!!!!!!!!!》
三井 「おおお……!!!!」
赤木 「河田…!!!!!!」
深体大ベンチ、吠える。
「来おおおーーーーーーーーい!!!!!!!」
ザシュ!!!!!!!!
4thクォーター 残り10秒
深体大 76
三河M 75
道谷《決まったああああーーーー!!!!!》
「逆転ーーーーーーーーーーー!!!!!!」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1262)
https://knoheya.blog.jp/archives/52045319.html
天皇杯ファイナルラウンド準決勝・第1試合4thクォーター 残り1分31秒深体大 71三河M 70道谷《さあ、ラスト90秒、最後の勝負です!》塚本《三河はダブル司令塔の布陣ですね!!》三河Mは、佐戸と左京ふたりのポイントガードを同時に投入した。この布陣に対し、解説の...
jungle123
2024-02-25T23:48:26+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準決勝・第1試合
4thクォーター 残り1分31秒
深体大 71
三河M 70
道谷《さあ、ラスト90秒、最後の勝負です!》
塚本《三河はダブル司令塔の布陣ですね!!》
三河Mは、佐戸と左京ふたりのポイントガードを
同時に投入した。この布陣に対し、解説の塚本は
2つの理由を考えた。
現在ゲームの流れを掴んでいるのは完全に深体大、
ゲームを落ち着かせるために、ベテランガードを
2枚にした、というのがひとつ。
そしてもうひとつの理由は、佐戸健一が点を獲りに
行くのではないか、ということ。
はたして、
塚本の予想は当たったようだ。
ボールを運ぶのは、左京だった。
ダム、ダム…。
左京 「よーーっし、一本!!!!!」
「オウ!!!!!」
町田 「佐戸が運ばない」
弥生 「つまり、佐戸さんは点を獲りに行く」
ゴクリ…。
彦一、唾を飲み込む。
「ミスター・バスケットボールで勝負…!!」
牧 「さあ、ディフェンス!!!!!!」
「オウ!!!!!!!!」
深体大は、マンツーマン・ディフェンス。
佐戸に牧、
左京に諸星、
外川に大野、
マッカーシーに河田美、
アンダーソンに河田雅。
深体大ベンチから声が飛ぶ。
「牧!! 2番(佐戸)で来るぞ!!!!」
「牧さん、ディフェンス!! ディフェンス!!」
杉山 「ベンチは佐戸さんと読んでますね」
森尾 「さあ、勝負の一本」
桜木、ニヤリ。
「ミスター、期待してるぜ」
キュキュッ!!!
三河M、動く。
道谷《さあ、三河の攻撃が始まりました!》
ビッ! ビッ!!
ボールが動く。選手が動く。
道谷《ボールを回す三河、どこで勝負か》
塚本《佐戸君は、いま中にいますね》
樽瀬 「外からシンプルな1対1じゃない」
浜崎 「まずは回すか」
森尾 「ケン(佐戸)がどこかで外に出るはず」
ゴール下、密集地帯に佐戸。
キュッ!!!
塚本《アンダーソンが佐戸君にスクリーンだ》
森尾 「ここか…!!!」
佐戸が外に飛び出す。
ビッ!!
道谷《佐戸にボールが入った!!》
塚本《牧君は少し遅れたか…!!》
佐戸、左45度でボールを持つ。
アンダーソンのスクリーンに捕まっていた牧、
佐戸に万全の体勢を許す。
藤真 「プレッシャーなくボールを持った」
宮城 「佐戸健一、完全有利」
諸星 (来るぞ、牧…!!!!)
河田雅 (止めろ、牧!!!!)
キュッ!! キュッ!!
佐戸、一度大きく沈み、そして上体を上げる。
いわゆる「行くと見せかけて退く」動き。
その直後、
ダム!!!
「佐戸…!!!!!」
「行った…!!!!!!!」
さらにその直後、
ビッ!!
牧 「…!!!???」
左45度から仕掛けた佐戸、
右手のワンドリブルの直後、
右手を背中に回す。
ビハインド・ザ・バックパス。
左コーナーにボールが飛ぶ。
「………!!!!!!!!」
「ないィィいいいーー!!!????」
左コーナーには、左京。
完全ノーマーク。
諸星 「……!!!!!」
佐戸のドリブルインにより、深体大の5人は
無意識のうちにインサイド側に動いていた。
そんななか、全く予想外のパスが外に飛んだ。
樽瀬 「おお……!!!」
桜木 「……!!!!!」
ショットクロック残り8秒、
左京伸長が構える。
ビッ!!!
スリーポイントシュート。
道谷《左京のスリーーーーーーー!!!!!》
塚本《来るか…!!!!!!》
ザシュ!!!!!!
4thクォーター 残り1分12秒
深体大 71
三河M 73
「来たあああああーーーーーーーーー!!!!!」
「左京のスリーーーーーーー!!!!!!」
「佐戸から凄えパスが出た!!!!!!!」
「三河、再び逆転ーーーーーー!!!!!!」
「うおおおおーーーーーー!!!!!!!」
ムードメーカーの左京、
両手を大きく振り客席を煽る。
それに呼応し、三河Mファンが一斉に立ち上がる。
「ノブナガーーーーー!!!!!!!!!」
「よく決めたああああーーーーー!!!!!!」
「これだ!! これが三河マーベリックスだ!!」
道谷《左京が決めました! 伏兵・左京の一発!》
塚本《佐戸君のパスも完璧でしたねえ!!》
樽瀬、苦笑い。
「これはさすがに騙されるよ。ここで左京さんが
コートに入ったとなれば、誰だって佐戸さんが
フィニッシャーになるものと思うだろう…」
森尾、頷く。
「それが実は逆だったと。見事に裏をかかれたな」
コート上では左京と外川が、佐戸のアタマを
パチンと叩きつつ、ディフェンスに戻る。
佐戸は、少し舌を出して笑っていた。
「ん…?」
樽瀬は、このコート上のリアクションを見て
もうひとつの予想を立てる。
続いて、三河Mベンチに目を向ける。
ベンチメンバーは、なにやら「まいったな」と
いった表情で、佐戸に拍手と声を送っている。
浜崎もその様子に気付いた模様。
「アイツ…、アドリブか?」
森尾 「ええ、どうやら…」
樽瀬、再び苦笑い。
「そうか…、作戦上はやっぱり佐戸さんが点を獲る
形だったんだ。だが、深体大が佐戸さんを完全に
警戒していると分かるやいなや、切り替えた…」
森尾 「味方すらをも欺いたか」
杉山 「なんて人だ…」
ミスター・バスケットボール、会心の一撃。
連続得点が続いていた深体大の猛チャージを
喰い止めることに成功した。
赤木 「だが、まだ時間はある」
三井 「深体大は、もう一度喰らいつけるか」
牧 「一本!!!!!!」
「オウ!!!!!!」
道谷《さあ、2点を追う深体大の攻撃です》
塚本《ここは何とか一本返したいですね》
キュキュッ!!!!
迎え撃つ三河Mの守備は、マンツーマン。
牧に佐戸、
諸星に左京、
大野に外川、
河田雅にアンダーソン、
河田美にマッカーシー。
攻守が入れ替わってもマッチアップは変わらず。
ビッ!!
ショットクロック残り11秒、
ボールは、河田雅に渡った。
位置は右45度、
スリーポイントラインの外でボールを保持。
「河田兄が外でボールを持った!!!」
「ここで勝負か!!?」
さらに、
深体大残りの4人が逆サイドに動く。
町田 「アイソレーション…!!!!」
弥生 「河田雅史君の1対1…!!!!」
ディフェンスは、JR.アンダーソン。
三河Mのエースともいえる203cmのフォワード。
そのアンダーソンと河田雅が、
周囲に味方がいない空間で対峙する。
杉山 「桜木が挙げたキーワード、1対1」
森尾 「それを仕掛けるのは、河田…!?」
浜崎、腕組み。
「いや、面白い試みだが、さすがに相手が悪い。
アンダーソンはNBAのキャリアを持つ実力者」
杉山、続く。
「しかもアウトサイド。雅史は確かにあの位置の
プレイの質も高いが、とはいえ牧や諸星のような
スラッシャーというわけではない」
花形 「外からアンダーソンと勝負…!?」
赤木 「河田…」
(これは、3番的なプレイ…)
桜木 「なーに言ってやがる」
(勝てるから、勝負するんだよな)
「行け、丸ゴリ」
ダム!!!!!!
河田雅、仕掛ける。
「行った…!!!!!!!!」
アンダーソン、並走。
抜かせない。
「あああ、ダメだ!!!!」
「抜けない…!!!!!!!」
次の瞬間、
キュッ!!!!!
河田雅は背中をぶつけるような形で両足ストップ。
アンダーソン、次の動きを読む。
(ターンだ。そこからシュートに来る)
キュッ!!!
河田雅、フロントターン。
アンダーソンから離れるように回転。
アンダーソン、右手を挙げて前に出る。
(見えた、フェイダウェイだ)
キュッ!!!!
河田雅、もう一度ステップ。
アンダーソンとすれ違うような形で、
リング側に踏み込む。
「………!!!!!!!!!」
道谷《かわしたあああーーーーーーー!!!!》
塚本《おおおおおーーーーーーっと!!!!!》
バス!!!!!!!
ワンハンドジャンパーでゴールを射抜く。
4thクォーター 残り51秒
深体大 73
三河M 73
「同点ーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
続く
--
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-
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1261)
https://knoheya.blog.jp/archives/52045103.html
その光景は、VIPルームを震撼させていた。「まさか…」「こんな展開になるとは…」天皇杯ファイナルラウンド準決勝・第1試合4thクォーター 残り1分50秒深体大 69三河M 70放送席、道谷が絶叫。《残り2分を切って1点差!! 1点差です!!大学生チームが、Bリーグ優勝候...
jungle123
2024-02-18T15:12:59+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
「まさか…」
「こんな展開になるとは…」
天皇杯ファイナルラウンド
準決勝・第1試合
4thクォーター 残り1分50秒
深体大 69
三河M 70
放送席、道谷が絶叫。
《残り2分を切って1点差!! 1点差です!!
大学生チームが、Bリーグ優勝候補の一角、
三河マーベリックスに肉薄しています!》
解説の塚本も興奮状態。
《これは凄いことが起きるかもしれませんよ!!》
この1点差は、ただの1点差ではなかった。
残り3分30秒の時点で6点あった差が、
1分強で5点縮まっての1点差である。
つまり、流れは完全に深体大。
「籠球乱舞」と銘打たれたBリーグ元年の天皇杯、
ベスト4に唯一勝ち残っている大学生チームが
名選手揃いのB1クラブを追い詰めていた。
その光景は、VIPルームを震撼させていた。
「黄金世代の強さは分かっていたつもりだが、
とはいえ、相手は三河マーベリックスだぞ」
「彼らの素質と才能は、百戦錬磨のベテランをも
超えてしまうというのか…」
「勢いは圧倒的に深体大にある。もう分からない、
どちらが勝つのか本当に分からない」
会場が真っ二つに割れている。
黄金世代のジャイアントキリングを望む者、
トップクラブの堂々たる勝利を望む者。
「行け!! 深体大!!!!」
「ここまできたらBリーグを喰っちまえ!!!」
「三河!! オジサン軍団の底力を見せろ!!」
「プロが負けるわけにはいかないぞ!!」
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「一本!!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「ディーフェンス!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
「ディーフェンス!!!!!!!」
ガンガン!!!!!
凄まじいうねりと轟音に包まれたコート上で、
牧紳一が一本指を立てる。
深体大メンバーが大きく頷き吠える。
会場の異常な絶叫にその声はかき消されるが、
この一本を絶対に獲るという強い意志は、
見る者すべてに伝わった。
決めれば逆転。
勝敗の行方を大きく左右する一本。
ボールを持つ牧と対峙するのは、佐戸健一。
ミスター・バスケットボールと呼ばれる男。
「佐戸!! 頑張れ!!!!」
「頼む!! この一本、守ってくれ!!!」
三河Mを推す者から、悲痛ともいえる叫び声。
道谷《佐戸、守り切れるでしょうか!》
塚本《ファウルできません、難しい勝負です!》
電光掲示板は、この日本の司令塔のファウル数が
4つであることを示している。
あとひとつで退場となる状態である。
彦一 「どうなるんや、この試合…!!」
町田 「牧は間違いなく勝負に行くぞ…!!」
ダム!!!!!!!
「行ったあああ!!!!!!!!!」
「牧のペネトレイト!!!!!!!」
キュキュッ!!!!
佐戸は、牧と並走するように動く。
町田 「佐戸が止めきれない…!!!!」
弥生 「牧君、チャンス…!!!」
(来る…!!!!!)
三河M守備陣が動く。
キュキュッ!!!!!!
スピードに乗る牧、ペイントエリアに侵入。
三河Mのディフェンスを引き連れるような形で
ゴール下まで潜り込む。
道谷《牧が中に入る…!!!》
塚本《いや、狭いか…!!》
牧の位置は、ほぼゴールの真下、
シュートに持ち込めない。
ガタッ!!
VIPルームが立ち上がる。
「上手い…!!!!」
「この動き、佐戸が仕向けたか!!」
「ゴール下、袋小路だ!!!」
が、
次の瞬間。
ビッ!!
ゴール下をくぐり抜けるように動いた牧、
真後ろにバウンドパスを出す。
「……!!!!!!!!!!!」
このボールが、河田美に渡った。
道谷《河田弟だ!!!!》
塚本《おおお…!!!!》
バス!!!!!
ほとんどダンクシュートのような
ワンハンドジャンパーが決まる。
4thクォーター 残り1分31秒
深体大 71
三河M 70
道谷《逆転ーーーーーーーー!!!!!!》
塚本《なんと……!!!!!!!!!》
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!』
そしてブザー。
三河M、タイムアウト。
「うわあああああーーーーーー!!!!!!!」
「深体大、ついに逆転!!!!!!!!」
「マーベリックス、万事休すか!!!!!!」
町田 「この約2分、深体大が7-0のラン…!!」
彦一 「三河が最も強さを発揮する終盤で…!!」
弥生、スコアシートを確認する。
「三河はこれでタイムアウトがなくなったわ。
残り1分半、まだ残しておきたかったはず」
町田、頷く。
「ええ、コート上の監督である佐戸が4ファウル。
本来ならば大事な作戦タイムは取っておきたい。
が、あの深体大の圧倒的猛攻で、最後のひとつを
使うしかなくなってしまいましたね…」
彦一、茫然。
「完全に追い詰めた…」
「王手だな…」
コートサイド、腕組みの森尾。
そして隣には、樽瀬勇太。
東京ペイサーズと大阪サンズ、
この後、このコートで戦うことになる2チームの
メンバーがコートサイドに並んでいた。
両軍の入場口は逆サイドに配置されていたが、
まるで、緊急事態と化したこの戦場が選手たちを
呼び寄せたかのように。
樽瀬 「まさに王手ですね、流れは深体大です」
森尾 「ああ、もう本当に分からない」
樽瀬 「桜木、どう見る?」
桜木 「ぬ?」
浜崎、ニコリ。
「黄金世代の桜木君の意見、確かに気になる」
杉山もニコリ。
「それに桜木の勘は、やたら当たるからな」
樽瀬、改めて問う。
「この状況、お前の目にはどう映る?」
桜木 「分からねえ」
樽瀬 「ほう…」
森尾 「天才をもってしても、か」
桜木 「どっちが勝つかは分からねえが…」
浜崎 「…?」
桜木 「勝負を決めるのは、1対1だ」
『ビビーーーーーーーーー!!!!!』
タイムアウトが明ける。
両軍メンバーがコートに入る。
深体大は
牧、諸星、大野、河田雅、河田美。
三河Mは、
佐戸、左京、外川、マッカーシー、アンダーソン。
道谷《おっと、ここで三河はダブル司令塔です!》
塚本《佐戸君と左京君が同時に入りますね!》
道谷、問う。
《塚本さん、三河はポイントガード2枚ですが、
これは大事に攻めたいという狙いでしょうか。
ここ数分、深体大が勢いに乗っているだけに》
塚本、返す。
《はい、普通に考えればそうなるでしょうね。
しかし、もうひとつの可能性も考えられます》
道谷《と言いますと?》
塚本《佐戸君が点を獲りに行くということです》
「この勝負、どうなる…」
会場で、画面の前で、黄金世代の選手たちが、
このラスト90秒にくぎ付けとなっている。
赤木 「佐戸さんが点を獲りに行くのか」
三井 「スピードで美紀男に勝るアンダーソンか」
花形 「外川さんの外も要注意」
須形 「凄い試合になった…」
安西 「これがバスケの最も面白い時間ですね」
藤真 「さあ、佐戸さんはどう組み立てる?」
深津 「とくと拝見」
宮城 「日本代表のポイントガードのプレイ」
4thクォーター 残り1分31秒
深体大 71
三河M 70
準決勝第1試合は、クライマックスを迎える。
続く
--
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1260)
https://knoheya.blog.jp/archives/52044945.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第4試合3rdクォーター 30秒横浜N 33大阪S 57道谷《後半開始早々浜崎のダンクシュート!!》塚本《いいですねええ!!》道谷《32歳の浜崎、今日は絶好調です》塚本《まるで若さを取り戻したかのようですよ》森尾、ニコリ。「どうや...
jungle123
2024-02-12T17:38:19+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第4試合
3rdクォーター 30秒
横浜N 33
大阪S 57
道谷《後半開始早々浜崎のダンクシュート!!》
塚本《いいですねええ!!》
道谷《32歳の浜崎、今日は絶好調です》
塚本《まるで若さを取り戻したかのようですよ》
森尾、ニコリ。
「どうやらあの人も招集されたみたいだな」
杉山 「間違いないですよ、ノリが違いますもん」
桜木 「ショーシュー…」
杉山、腕組み。
「3月から始まるアジアカップ予選に向けての合宿だ。
初回は30人を招集するらしい。異例の人数だよ」
森尾、頷く。
「おかげでウチは4人も呼ばれた。与野さん、杉山、
俺、そして桜木、お前だ」
桜木 「日本、代表…」
そしてその頃、VIPルーム。
「Bリーグ元年の今年、新たな日本代表を始動する。
ここ数年の実績にはとらわれない。この合宿では、
ベテランから学生まであらゆる層に門戸を拡げる」
「この国のバスケットボールを発展させるためには
国際大会での飛躍が必要不可欠です。アジア杯、
来年のW杯、そしてその後に控えるオリンピック、
勝ってさらなる認知と支持を獲得しましょう」
「これまで何度、壁に跳ね返されてきたことか。
世界にもアジアにも。今回こそは、なんとしても
絶対に勝たねばならない」
「佐戸・森尾の世代が現役でいる間に、黄金世代が
現れてくれた。まさにここが最大の機です」
「もう逃すわけにはいかない」
バス!!
道谷《横浜ネッツ、返しました!!!》
塚本《インサイドの強さで盛り返してきましたよ》
道谷《外国人コンビが猛威を奮い始めました!》
3rdクォーター 残り2分
横浜N 55
大阪S 68
横浜Nの武器であるインサイド外国人コンビ、
ポンセ(203cm)とパチョレック(208cm)が
ゴール下のプレイを軸にスコアを積み上げる。
両軍の点差は、24点から13点にまで縮まる。
町田 「第3クォーター残り2分、ここがヤマだぞ」
弥生 「ここで点差を詰めれば横浜に勝機あり」
道谷《さあ、大阪サンズは一本返したい》
塚本《大事な時間ですよ》
道谷《ボールを運ぶのは樽瀬勇太》
樽瀬 「オッケー、じっくり行こう!!」
「オウ!!!!!」
佐戸、ニコリ。
「見せ場だぞ、樽瀬」
ビッ!!!!!
道谷《ゴール下!!!!!!!》
矢のようなパスがゴール下に飛ぶ。
これを若穂がキャッチ。
『ピピーーーッ!!!!!!!』
バス!!!!!
ポンセに体を押されながらねじ込む。
3rdクォーター 残り1分40秒
横浜N 55
大阪S 70
「来たあああああーーーーー!!!!!!!」
「樽瀬、すげえパス!!!!!」
「出た!! これぞ樽瀬マジック!!!!」
佐戸 「ナイス!」
左京 「あれは敵わねえよなあ」
(ゆっくり攻めるような雰囲気出しときながら、
いきなりあんなことするんだからよ)
道谷《樽瀬から凄いパスが出ました!!!!》
塚本《一本でディフェンスを粉砕しましたねえ!》
道谷《追い上げる横浜には手痛い一発でしょうか》
塚本《樽瀬君、ここぞの場面で仕事をしますね》
杉山 「若穂さんのゴール下も見逃せない」
森尾 「身体能力は抜群のものがあるからな」
(桜木と同タイプだ。意識する部分もあるだろう)
桜木 「……。」
ザシュ!!
若穂、ボーナススローを決め3点プレイを完成。
3rdクォーター 残り1分40秒
横浜N 55
大阪S 71
町田 「ここで3点プレイは大きい」
彦一 「樽瀬さんが流れを引き戻した」
そう、
彦一の言う通り、流れは再び大阪Sへ。
続く横浜Nの攻撃、
バッシイイイイ!!!!!!!!!!
道谷《浜崎のブローーーック!!!!!!》
塚本《おおおおーーーーーー!!!!》
樽瀬 「走れ!!!!」
ビッ!!!
道谷《樽瀬から大きなパスが出る!!!》
塚本《ここで速攻!!!》
先頭を走るのは、デリック・パーマー、
23歳の外国人フォワード。
ベテラン日本人選手の多い大阪サンズにおいて
若さと機動力で機能する助っ人が走る。
バス!!!!!
3rdクォーター 残り1分10秒
横浜N 55
大阪S 73
「決まったああああーーーーーーーーー!!!!」
「大阪サンズ、連続得点!!!」
「またサンズが突き放した!!! 18点差!!!」
森尾 「やはり大阪サンズか」
杉山 「どうやら準決勝もまた嫌な相手ですよ」
「樽瀬さん、さすがだなあ」
関係者席で観戦中の藤真。
「この大事な時間帯でまた試合を支配し始めた。
まさにポイントガードのプレイだよ」
天崎 「いやあ、凄いっす…」
神 「取るほうも一苦労しそうなパスだ」
藤真、ニコリ。
「笑ってられないんじゃないか、神。もうすぐ
あれをキャッチする側になるかもしれないんだ」
神 「それはまだ分かりませんよ」
天崎 「そっかあ」
(なんだか遠くに行っちゃう感じだな、先輩たち。
俺も早く追いつかなきゃ)
前川 「森重はインサイドの選手が気になるかな」
森重 「別に」
家村 「お前は誰が相手でも関係なさそうやな」
前川 (その前に代表自体に興味があるのか…)
家村 (表情変わらんからな…)
再びVIPルーム。
「一次合宿は『プロ 2:1 学生』の割合で考える」
「二次でその割合がどう動くか」
「若い世代を多く入れたいのはヤマヤマだが、
アジアカップ本戦への切符は絶対に逃せない」
「アジアのバスケ界は『東高西低』。東部地区には、
オーストラリア、中国、韓国、ニュージーランド、
フィリピンと強豪が揃っています。どうしても
東部予選で強豪国と同グループになってしまう」
「未来の夢は大事だが、まずは東部予選の突破。
これが絶対条件だ。敗北は許されない」
「Bリーグが発展していかないと世界では戦えない。
一方で国際試合で代表が勝てなければBリーグの
地位向上はあり得ません。勝負の時です」
「この天皇杯が、メディアの言う『乱舞戦』の形に
なったのは正解だった。プロチームとの公式戦で
黄金世代の実力を測ることができた」
「そして、彼らは期待に応えてくれましたからね」
「まもなくだ、まもなく日本バスケの夜明けだ」
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!』
試合終了
横浜N 74
大阪S 96
道谷《大阪サンズ、ベスト4進出!!!!》
塚本《いやあ、強かったですねえ!!》
道谷《準決勝の相手は東京ペイサーズです!》
「大阪サンズ、強い!!!!」
「これはペイサーズも危ないぞ!!」
弥生 「四強決定ね」
町田 「東京、大阪、三河、そして深体大」
彦一 「籠球乱舞もいよいよクライマックスや」
Bリーグ開幕元年、
最初の天皇杯王者が間もなく誕生する。
そして、新たな日本代表も
静かに始動の時を迎えようとしている。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1259)
https://knoheya.blog.jp/archives/52044502.html
道谷《大阪サンズ、走ります!!》塚本《いやあ、止まりませんねえ!!》道谷《準々決勝最後のゲームは予想外の展開!》天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第4試合2ndクォーター 残り2分横浜N 31大阪S 50準決勝最後の椅子を掛けたBリーグ同士の対決は、優勝候補の...
jungle123
2024-01-28T21:45:28+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
塚本《いやあ、止まりませんねえ!!》
道谷《準々決勝最後のゲームは予想外の展開!》
天皇杯ファイナルラウンド
準々決勝・第4試合
2ndクォーター 残り2分
横浜N 31
大阪S 50
準決勝最後の椅子を掛けたBリーグ同士の対決は、
優勝候補の一角とされる大阪サンズが、前半から
横浜ネッツを圧倒していた。
道谷《さあ、樽瀬がボールを持ちました!》
塚本《また速い展開が来ますよ!》
バス!!!!
横浜N 31
大阪S 52
道谷《若穂が決めたああーーーーー!!!!》
塚本《これも樽瀬君のパスですねえ!!!》
道谷、興奮実況。
《戦前の予想では、スピードでは横浜ネッツに
分があるとの声もありましたが、始まってみれば
大阪サンズが序盤から速攻を連発しています!》
塚本、興奮解説。
《いやあ、樽瀬君が初っ端から仕掛けましたね!
この試合展開はちょっと予想外でしたねえ!》
森尾 「前半からこんなに開くとはな」
杉山 「ネッツは出鼻をくじかれましたね」
約1時間前、
開幕元年のBリーグにおいて、優勝候補の筆頭と
位置づけられる東京ペイサーズが、その呼び声通り
準決勝へと駒を進めた。
深体大と共に大学カテゴリからベスト8に進出した
青葉学院大学は、このプロリーグの雄に肉薄するも
最後は涙を呑むこととなった。
結果は下馬評通りプロチームの勝利だったものの、
黄金世代の学生たちが披露したパフォーマンスは
観衆および関係者の度肝を抜いて見せた。
そして、今日の戦いはまだ続く。
ベスト4進出を決めた東京ペイサーズの選手は
準々決勝第4試合が行われるコートの関係者席に。
このゲームの勝者が準決勝の相手となる。
桜木 「さすがだな、NBA兄」
棟川 「お、素直に認めるとは珍しい」
(その「NBA兄」っていうのは、
あいかわらず意味が分からんが)
桜木、ニヤリ。
「ああ、最初のアレで決まったようなもんだ。
勝負を支配してるのは間違いなくアイツだぜ」
試合開始早々のことだった。
樽瀬勇太は、横浜Nのポイントガード・屋敷から、
いきなりのスティール。
そこから自ら持ち込み先制点を決めると、
続くディフェンスでも再び屋敷からボールを奪う。
今度はドライブからパスを差し出し、アシスト。
試合開始30秒で4‐0とリードを奪う。
スコア面でも上々の立ち上がりだが、なによりも
樽瀬の2連続スティールがこの試合を飲み込んだ。
横浜ネッツは、司令塔の屋敷がチームの顔である。
その屋敷が連続してボールを奪われた事実は
4失点というスコア以上のダメージだった。
森尾 「恐ろしい男だ」
杉山 「あれがスイッチになりましたね」
棟川 「まさか大阪が速い展開で仕掛けるとは」
杉山 「結果、大当たりですよ」
森尾、腕組み。
「おそらくこの速い展開は、戦前のプランでは
ないはず。樽瀬がゲームを読んで仕掛けたんだ」
棟川、頷く。
「PGは、“コート上の監督”ともいわれたりするが、
まさにその通りの活躍だよ、樽瀬勇太」
桜木 「アメリカか」
はたして、B1クラブ同士の戦いとは思えない
点差にて、前半戦が終了した。
『ビビーーーーーーーーーー!!!!』
2ndクォーター 終了
横浜N 33
大阪S 55
道谷《22点差! 大阪サンズ、大きなリード!》
塚本《いやあ、開きましたねえ!》
森尾 「これはさすがに決まったかもなあ」
棟川 「ああ、実際の戦力差以上の点差がついた」
森尾 「ん? 桜木がいない?」
棟川 「なんだ、感想を聞こうと思ったら」
杉山 「トイレとか?」
会場ロビーエリア。
ガコン。
自販機からペットボトルを取り出す、赤い頭。
(大阪サンズ、NBA兄か…)
「あ、桜木さん」
桜木 「ぬ?」
天崎だった。
その後方には神と森重。
桜木 「チョロか」
(そうだった、こういうトコに来ると誰かに会う…)
天崎、ニコリ。
「お疲れさまです。サンズ、メチャ強いっすね。
でも、ペイサーズはウチに勝ったんですから、
準決勝で負けちゃったりしないでくださいよ」
桜木 「ああ、トーゼンだ」
天崎、振り返って森重の顔を見る。
「そういや、今日は桜木さんと森重さんの勝負が
あまりなかったっすね。もっと見たかったかも?」
桜木 「フン」
森重 「……。」
神、苦笑い。
「おかげで俺は随分苦労したけどさ」
天崎、続ける。
「今度また戦うときは、桜木さんと森重さんの
勝負を楽しみに…、って、あ、もしかしたら
わりと早く再会しちゃうかもしれないっすね」
桜木 「ぬ?」
神 「そうだな」
森重 「……。」
桜木 「どういうことだ?」
天崎、ニコリ。
「なんかいろいろ面白い話があるみたいっすよ。
俺もまた桜木さんとバスケできるよう頑張ろっと」
ピッ。
自販機のボタンを押す。
ガコン、ガコン…。
「ええっと、藤真さんはポカリで、家村さんは…」
《さあ、まもなく後半戦が始まります!》
天崎 「あ!」
神 「お!」
ロビー上部のモニターから放送席の声。
《横浜ネッツは少しメンバーを代えてきました》
《これは後半のアタマから何か仕掛けそうですよ》
《一方、大阪サンズは試合開始時の布陣です》
画面には、両軍ベンチの映像。
天崎 「後半が始まりますね」
神 「ああ、行こうか」
天崎 「んじゃ、桜木さん、また!」
ペットボトルを数本抱え、小さく手を挙げる。
桜木 「オウよ」
神 「またな、準決勝頑張れよ」
森重 「……。」
「おおおおおーーーーーーーー!!!!!!!!」
会場に大きなどよめき。
「後半開始早々のダンク!!!!!」
「32歳の浜崎、まだまだ健在!!!!」
後半、
大阪サンズが誇る216cmのセンター・浜崎の
ダンクシュートで幕開け。
森尾 「ジャマさん、まだまだ若いなあ」
杉山 「ホント、俺達には大きな壁ですよ」
「やるな、ジャマジャマ」
森尾、振り返る。
「お、桜木」
桜木、ニヤリ。
「オスギ、強敵だぜ、あのデカいオッサンは」
杉山、眉間にシワ。
「分かってるよ。ジャマさんといい、森重といい、
河田弟といい、なかなか大変なポジションだ」
桜木 「デカ坊主、丸男…?」
杉山 「アイツらもライバルなんだ、これから」
森尾、ニコリ。
「お前がいない間に面白い話が来たんだよ」
桜木 「ぬ?」
森尾 「招集だ」
桜木 「ショーシュー?」
杉山 「日本代表だよ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1258)
https://knoheya.blog.jp/archives/52044080.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合4thクォーター 1分55秒青学大 61東京P 77森重が決め、神が決め、青学大が追い上げるも、東京Pは、森尾がすかさず獲り返す。追い上げを許さない。時にプロをも凌駕するプレイを披露する青学大の選手たちは、紛れもなく本物...
jungle123
2024-01-21T12:20:55+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
4thクォーター 1分55秒
青学大 61
東京P 77
森重が決め、神が決め、青学大が追い上げるも、
東京Pは、森尾がすかさず獲り返す。
追い上げを許さない。
時にプロをも凌駕するプレイを披露する青学大の
選手たちは、紛れもなく本物だった。
この稀代の大学生チームを率いる名将・陸川は
敵軍最年少プレイヤーが見せる無限の能力の前に
一度観念しかけるも、自軍の選手もまた想像外の
能力を持つことを再認識し、考えを改めた。
そして、東京ペイサーズのベンチは、
「並のクラブなら喰われる」と彼らを称賛した。
だが、
宇野 「ウチは東京ペイサーズだ」
東京ペイサーズは並のクラブではなかった。
彼らはBリーグ屈指の列強だった。
道谷《東京ペイサーズ、力を見せつけます》
塚本《これが彼らのキャリアなんでしょうねえ》
道谷《選手の表情も落ち着いてきましたか?》
塚本、ニコリ。
《ええ、先ほどの森尾君のスリーポイントは
それだけ大きな一発だったといえます》
VIPルームが動く。
「おそらくこのゲーム自体は東京ペイサーズが
制すだろう。だが、我々の視点はそこにはない」
「全力で戦っている選手には申し訳ないが…」
前置きの上で、考え方を述べる。
「我々が見定めねばならないのは、黄金世代から
どの選手をナショナルチームに呼ぶか、だ」
「はい、ゲームの勝敗よりもそれが優先されます」
「青葉学院大学には、代表レベルでプレイできる
選手が複数名いることが、改めて確認された。
いや、彼らの能力は戦前の想定以上だった」
「その通りですね。そして東京ペイサーズ側にも
恐るべき大器を発見できました」
「彼の潜在能力もまた戦前の予想を超えていたな」
ビッ!!
藤真が東京Pディフェンスを切り裂き、
ゴール下の森重にボールを送る。
「またもやインサイド!!!!」
桜木を背負う形の1対1。
牧 「ナイスパス、そしてナイスポジション」
河田雅 「この形に入れば、森重だ」
バス!!!!
青学大 63
東京P 77
「おおおおおーーーーー!!!! 強い!!!」
「第4クォーター、森重の得点が目立ち始めたぞ」
町田 「藤真のパスが絶妙だった」
弥生 「森重君の使い方は天下一品ね」
VIPルームの会話。
「藤真健司、彼も代表合宿に招集できる選手だ」
「はい。思い返すと、ほぼミスをしていません。
専翔大の深津と並ぶ正統派のガードといえます」
ビッ!!!
森尾がワンフェイクでディフェンスを動かし、
中にボールを入れる。
ハイポストに走りこんだ桜木が受け取る。
「さあ、桜木vs森重!!!」
「このふたりの勝負、白熱しているぞ!!!」
キュッ!!!
桜木のシュートフェイク。
森重が一瞬反応。
ダン!!!
桜木、ドリブル一発でゴール下に飛び込む。
赤木 (森重が背後から来ている!)
三井 (微妙なタイミング、追いつくか…?)
桜木、速いモーションからワンハンドシュート。
バス!!!!
青学大 63
東京P 79
「おおお!! 桜木、返した!!!」
「いや、でも今のはダンクだろ!!!」
「桜木!! もっと派手なことやってくれよ!」
森尾 「まあ、それは次ってことでな」
桜木 「フン」
森尾 (コイツ、見事な選択だ)
町田、ニコリ。
「ダンクに行ったら、ブロックされてたぜ」
モニタには、リプレイが流れている。
桜木のシュートの直後に、森重の後方からの
ブロックが空を斬っている。
画面を確認する彦一。
「これは桜木さんが昔から使っていたシュート。
そうや、時間をかけると叩き落とされる恐れが
あるときは、こうやって撃つんや」
弥生、頷く。
「これはそのまま、国際試合でも使える技術だわ。
高校時代に森重君やカマラ君と戦ってきた経験が
桜木君に必要な技術を与えているのね」
(桜木君以外にも、きっとこういう例があるはず。
なるほど、世代全体がパワーアップするわけね)
道谷《両軍、譲りません》
塚本《ハイレベルな攻防が続きますね》
時間は経過していく。
点差は動かない。
そして、
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!』
4thクォーター残り5分、
オズボーンに代わり、杉山がコートに入る。
4thクォーター残り4分、
与野に代わり、脇田がコートに入る。
佐戸 「選手を入れ替えてはいるが…」
左京 「高さのアドバンテージは削らない」
外川 「そして、ベテランは外さない」
道谷、問う。
《塚本さん、このベンチワーク、さすがですね》
塚本、答える。
《その通りですね。プレイタイムが多くなった
オズボーンに代わって若い杉山君が入ってくる。
そして、厄介な存在だった与野君が外れても、
代表経験のある30歳・脇田君が入ってくる、と。
体力と経験値、双方のコントロールが抜群です》
残り時間2分、
桜木の1対1からのパスに杉山が合わせる。
「また桜木のパス!!!」
「杉山、完璧なタイミングで受け取った!!」
ダン!!!
森重が必死にブロックに跳ぶが、
それを待っていたかのように、
杉山がファウルゲット。
『ピピーーーーーーーッ!!!!!!』
「……!!!!!!!!!」
これが、5つ目のファウルだった。
4thクォーター 残り1分56秒
青学大 68
東京P 83
「うわあああああーーー!!! 5つ目…!!」
「森重……!!!!!」
「というか、杉山が上手い…!!!!!」
道谷《ここで森重退場…!!!!》
塚本《うーん、ここまでか…!!!!》
道谷《25歳ながら老獪な杉山のプレイ!》
河田雅 「さすがは杉山さん」
牧 「これはトドメだな」
杉山 「ふぅ…」
(こういうプレイも磨いていかなきゃな…、
代表での俺の居場所はなくなっちまう)
桜木 「ずる賢さは最強だな、オスギ」
杉山 「褒めてんのか、それ?」
(まあ、その通りずる賢くやっていくさ。
森重やお前みたいなのがいるんだから)
ラスト2分、
青学大は最後まで戦い続けた。
終盤、意地とも執念ともいえる
スリーポイントシュートの連発を見せる。
神、家村、藤真、立て続けにゲット。
「うおおおおーーーーー!!! 3連発!!!」
「ここで、それが出るか…!!!!」
「とんでもねえ奴らだ…!!!!!」
「いや、まさにこれぞ青葉!!!」
4thクォーター 残り18秒
青学大 77
東京P 87
「10点差まで来た…!!!!」
「だが…」
「時間がない!!!!!」
佐戸 「よくやったよ、青葉学院」
外川 「ウチがやったら危なかったかもねえ」
赤木 「俺たちは20点以上離された」
花形 「そうだったな」
三井 「さすがだぜ、チキショウ」
(そういやウチも大阪サンズに20点以上離された)
河田雅 「全く勝ち目がなかったわけじゃないな」
諸星 「ということは、俺たちも…」
牧 「もちろんだ」
ガン!!!!!!
青学大、最後のシュートが外れる。
リバウンドは桜木花道。
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
試合終了のブザーが響き渡るなか、
桜木は小さなガッツポーズを見せたあと
ボールをレフェリーに渡した。
道谷《試合終了ーーーーーー!!!》
塚本《いやあ、ナイスゲーム!!!》
道谷《制したのは、王者・東京ペイサーズ!》
塚本《しかし、青葉もよく頑張りました!!》
洋平 「ウイニングボールってやつか、花道」
高宮 「最後のおいしいトコ持って行きやがった」
大楠 「間違いなく一番目立ったよな、花道…」
野間 「凄えよ、アイツ。ホントに…」
高宮 「なんだか超久々に喋ったような気が…」
洋平 「ん?」
高宮 「いや、何でもない」
藤真、天井を見上げ、大きく息を吐く。
森尾は神に、杉山は森重に握手の手を差しだす。
陸川、優しい笑顔で手を叩く。
宇野、苦笑い気味の表情で手を叩く。
試合終了
青学大 77
東京P 87
道谷《昨年度リーグ覇者の東京、準決勝進出です》
塚本《やはり彼らが優勝候補筆頭でしょう!》
道谷《明利大戦に続き、黄金世代を撃破しました》
東京ペイサーズ、天皇杯ベスト4進出決定。
青葉学院大学、準々決勝敗退。
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1257)
https://knoheya.blog.jp/archives/52043853.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合4thクォーター 1分青学大 56東京P 73東京P、桜木のパスからボールを回し、最後はオズボーンがゴール下を決める。この一本に、観戦者の一部は騒然。森尾 「……。」 (間違いなく、相手の動きを見てから動いた)杉山 「あ...
jungle123
2024-01-14T13:28:33+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
4thクォーター 1分
青学大 56
東京P 73
東京P、桜木のパスからボールを回し、
最後はオズボーンがゴール下を決める。
この一本に、観戦者の一部は騒然。
森尾 「……。」
(間違いなく、相手の動きを見てから動いた)
杉山 「あんなことが可能なのか…」
佐戸 「まさに、寸前のキャンセル…」
青学大ベンチの陸川すらも脱帽の表情。
「桜木花道…」
(俺が放送席で観たのは、彼が高2の時か。
あれから3年、なんとも凄いプレイヤーに
なってくれたものだ)
そして、VIPルームも同様。
「おい、いまのリプレイ出してくれ…!!」
「桜木の視線が分かるアングルはないか!?」
「ひょっとすると、信じられない動きだぞ!」
もはや緊急事態、慌ただしく動き始める。
そんななか、
今度は森重がまた会場を沸かせる。
道谷《さあ、ハイポストで森重です!!》
塚本《桜木君との勝負ですよ!!》
森重が桜木を背負う形でボールを保持。
場所はフリースローラインのやや内側。
河田雅 「少し遠いか」
牧 「あの位置から決めるシュート力はない」
キュキュッ!
桜木、森重の背中に少し触れるくらいの距離感。
腰をグッと落とし構える。
(どうする、デカ坊主。回ってドリブルか?)
ダム!!!
森重、ワンドリブルからターン。
キュッ!!!!
町田 「出た!! 必殺のスピンターン!!」
弥生 「でも、リングまで距離がある…!!」
次の瞬間、
キュキュッ!!!!!!!!!
桜木、このターンに反応。
(天才の予想通り!!!)
一歩でコースをふさぐ。
「……!!!!!!!!!」
町田 「な…!!!!」
陸川 「…!!!!」
(それにも反応するのか…!!!!)
森重、両手でボールを一度持つ。
ドリブルが止まった。
当然ながら、もうドリブルは出来ない。
残された選択肢は、パスかシュートのみ。
佐戸 「彼にあの位置からのシュートはない」
外川 「これは桜木君が止めたかな」
藤真から声が飛ぶ。
「森重、一旦戻せ!!」
だが、
終わりではなかった。
ブン!!
森重、ボールをリング方向に無造作に放る。
「……!!???」
桜木 (シュート…!?)
振り返り、リバウンドに動く。
「バカモーーーン!!!!
そんなシュートが入るか!!」
桜木が吠えた直後だった。
背後から、
森重が弾丸のような勢いで飛び込んできた。
桜木 「…!!?」
藤真 (シュートじゃない…!!!)
天崎 (まさか、あの人…!!!)
陸川 「……!!」
バン!!!!!!!
ボールがボードで跳ねた。
そこに森重が飛んでいた。
「……!!!!!!」
桜木 (野郎…!!!!!)
ドガアアアアアア!!!!!!!!!!
森重、空中でボールをキャッチ。
そのまま両手でリングに叩きこむ。
4thクォーター 1分20秒
青学大 58
東京P 73
「な……!!!!!!!!」
「なにィィいいいいーーーーー!!!!???」
道谷《森重、ダーーーーンク!!!!!!》
塚本《これは凄いプレイ!!!!!!!》
彦一 「なんやそれーーーー!!!!!!!」
町田 「マジかよ…!!!!!!」
青学大ベンチ、総立ち。
「うおおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「森重!!!!!!!!」
前川 「お前って奴は!!!!!」
陸川 「コイツもまた、底が知れん…」
が、
『ピピピッ!!!!!!!!』
森重にホイッスル。
床に立つ桜木に対し「どうだ」と言わんばかりに
リングにぶら下がったまま身体を揺らしていた。
これにテクニカルファウルが課せられた。
左京 「あらら」
外川 「これは勿体ないねえ」
陸川 「ふぅ~、やれやれ」
(しばらくあんなことはなかったんだがな…。
よほど今の一発に会心の手応えがあったか、
ひそかに森重も熱くなっていたようだな)
ようやくゲームが止まった。
改めてここ数本の攻防を思い出したかのように
場内がざわつき始める。
「す、すげえ…」
「なんか、メチャクチャだぞ、あのふたり…」
「これ、日本のバスケの試合だよな…」
森尾が桜木に声を掛ける。
「おい、さっきの」
桜木 「ぬ?」
森尾 「お前、どうして与野さんにパスした」
桜木 「ん? デカ坊主を抜いた後か?」
森尾 「そうだ、俺が声を掛けたあとだ」
桜木、両手で側頭部を押さえながら答える。
「モーリーにパスをしようとしたら、チョロが
見えたからよ。だからヨノチンに変えた」
森尾 「与野さんが空いてるのが見えたのか?」
桜木 「そりゃ見回せば見えるだろ」
森尾 「……。」
(お前、自分が何をやったのか分かってるのか…)
「フン!!!」
桜木、鼻から息を吐く。
「それよりデカ坊主だ。味なマネをしおって。
次はこの天才がやり返す番だぜ」
森尾 「ふぅ~」
苦笑いで桜木の肩を叩く。
「ああ、次はお前の番だ。頼むぜ、天才」
左京 「ケン、さっきのキャンセルってのは?」
佐戸、腕組み。
「まだハッキリとは言い切れないんだが、
桜木は、相手や周囲の動きを見てから瞬時に
次のプレイを選択しているのかもしれない…」
外川 「ほっほ~」
左京 「それだけなら当たり前に聞こえるが」
佐戸、ニコリ。
「ああ、そうじゃない。跳んでいる最中だろうが
シュートモーションの途中だろうが、彼はそれを
成し遂げてしまっている。当たり前じゃない」
左京、問う。
「極端な言い方をすると、ジャンプする前に
次のプレイを決めていないということ?」
佐戸 「ああ、NBAでも一線級の選手の特長だ」
外川 「あらま、恐ろしいねえ…」
町田 「そして、森重だ」
彦一 「これまた凄い…」
弥生 「そうね…」
(この感覚、何度目かしら…。いま私たちは、
とんでもない勝負を目撃しているのかも…)
VIPルームも騒然。
「このシーンを見ろ。桜木は1対1の手前では
おそらく与野の位置を把握していない」
「間違いない、彼は跳んだ後にプレイの最中に
周りを見て、次のアクションを選択している」
「どういう滞空時間、どういう反射神経を…」
「さっきの森重といい、やはりこの世代は
従来の常識とはかけ離れている」
ザシュ!!!
テクニカルファウルのフリースロー。
東京Pはしっかりとこれを決め、1点を追加。
4thクォーター 1分20秒
青学大 58
東京P 74
道谷《これで16点差、さらに東京ボールです》
塚本《ここは引き離すチャンスですね》
続く攻撃、
またもや桜木からパスが飛ぶ。
ビッ!!!
道谷《桜木から森尾!!!》
塚本《中から外、いいパスですよ!!!》
ビッ!!!
森尾、スリーポイントシュート。
チッ!!
森尾 「…!!?」
天崎の手がこのボールに触れた。
森尾 (なに…!!?)
天崎 (やった…!!)
ガン!!!!!!!!
「ああっと、外れた!!!」
「天崎が触ったか…!!!??」
須形 「おおおおおーーーーーー!!!!!」
松坂 「天崎さん!!!!」
千種 「やった、お兄ちゃん!」
ガッシイイ!!!!
リバウンドは東京P。
やはりゴール下は圧倒的に有利。
オズボーンがボールをしっかりキャッチ。
ビシッ!!
それを藤真がかっさらう。
オズボーン 「…!!?」
一瞬ボールを下げてしまった。
そこに藤真の手が伸びてきた。
桜木 「あああああ、ボンちゃん…!!!!」
(ホケツはそういうのを狙ってくるんだ!)
ビッ!!
藤真、ボールを外に出す。
家村が受け取る。
「ヘイ!!!!!!!」
天崎が走っている。
家村、ボールを前方へ。
すかさず青学大の攻撃が始まる。
「速攻!!!!!!」
道谷《青葉、走ります!!!》
塚本《ここで早い展開!!!!》
ダダッ!!!
東京P、ディフェンスに戻る。
ビッ!!
サイドを駆け上がった天崎、
左45度あたりで、小場に止められる。
「戻りが速い!!!」
「速攻、決めさせず!!!」
天崎、ニヤリ。
「止まらないっしょ!」
ビッ!!!
ボールを後方に戻す。
センターラインから数歩進んだ位置で、
神がキャッチ。
「おおおおーーーーっと!!!!!!!!!」
「メチャクチャ遠いが…!!?」
彦一 「あるで!!!!!」
神、キャッチするやいなや、構えている。
塚本《さあ来た!!!》
道谷《これは、撃つか!!!》
陸川 「神…!!」
ビッ!!
神、スリーポイントシュート。
牧 「これまた規格外のプレイ」
諸星 「ったく、次から次へと」
ザシュ!!!!!!!!!!
4thクォーター 1分35秒
青学大 61
東京P 74
「来たあああああーーーーーーーーー!!!!」
「またもやディープ・スリーーーー!!!!!」
「すげえ!!!! 青葉、まだ喰い下がるぜ!!」
青学大ベンチ、コブシを握る。
「うおおおおーーーーーーーーー!!!!!!」
「まだまだ行ける!!!!!!」
前川 「アイツら…」
陸川 「もはやオレの予想を超えてきた…」
(まだある…。終わってはいなかった)
木暮 「凄い試合だぞ、赤木…」
赤木 「ああ、分かってる」
三井、苦笑い。
「チッ…、さっきの桜木と森重のプレイで、
赤木にハッパでもかけてやろうと思いきや、
今度は神か…、シューター枠も戦国時代だな」
東京Pベンチの宇野、腕組み。
「本当にとんでもない男たちだ」
棟川 「ええ、まったく」
宇野 「ウチじゃなきゃ喰われていたな」
棟川 「そうですね」
20秒後、
ザシュ!!!!!!!!
日本のエースは、ここぞという場面で決める。
道谷《森尾のスリーーーーーーーーー!!!!》
塚本《今度は決めた!!!!!!!》
先程の神の距離とまではいかないが、これもまた
スリーポイントラインから離れた位置だった。
天崎にとっては、想定外のシュートだった。
神 「……。」
天崎 「そんな…」
森尾 「まあ、このくらいの距離なら俺も」
桜木 「でかした、モーリー!!」
与野 「お前が上から褒めるんじゃねえよ」
4thクォーター 1分55秒
青学大 61
東京P 77
再び16点差。
佐戸 「森尾め」
左京 「敵に回したら最悪だな、ありゃ」
―― ウチじゃなきゃ喰われていたな
宇野、腕組み。
「だが、残念ながら、
ウチは東京ペイサーズだ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1256)
https://knoheya.blog.jp/archives/52043689.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合4thクォーター 30秒青学大 54東京P 71桜木が森重を抜いてシュートに向かうも、後方からブロックショットを浴びる。青学大ボールに。3rdクォーターにも同じような場面があった。その際は、森尾の声に反応し、ダブルクラッチ...
jungle123
2024-01-06T15:47:32+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
4thクォーター 30秒
青学大 54
東京P 71
桜木が森重を抜いてシュートに向かうも、
後方からブロックショットを浴びる。
青学大ボールに。
3rdクォーターにも同じような場面があった。
その際は、森尾の声に反応し、ダブルクラッチで
ブロックをかわして見せた。
今回は声が飛んでこず、ブロックを浴びた。
この一連の動きに、戦慄走る者が数名。
宇野 「……。」
(あの時は森尾の声があったからかわした…?
だとしたら、それはむしろ…)
佐戸 (ちょっと待て…)
安西 (まさかキミは、あのスピードの中で…)
続く、青学大の攻撃。
東京Pのディフェンスに変化。
道谷《おっと、マッチアップが変わりましたか》
塚本《少し変えてきましたねえ》
藤真に小場、
天崎に与野、
家村にオズボーン、
神に森尾、
そして、森重に桜木。
町田 「桜木は、森重か…!!」
彦一 「第4クォーターは攻守で真っ向勝負!」
弥生、ニコリ。
「これは確かに宇野監督、見る側のニーズを
考えてくれているのかもしれないわね」
赤木 「少し余裕ができているともいえるな」
木暮 「そういうことか」
ビッ! ビッ
青学大、ボールを回す。
東京Pベンチから声が飛ぶ。
「9番(神)、どこからでも撃ってくるぞ!!」
「森尾さん、チェックしっかり!!!」
森尾 「オーケー」
(とは言ったものの、あの距離からのシュートは
なかなか止めようもないんだがな)
ビッ!
ボールが神に渡る。
「神…!!!!!!」
「来た…!!!!!」
キュッ!!
森尾、ピッタリとつく。
神 「…!?」
密着体勢から、レフェリーの死角を突き、
神の体を小刻みに押している。
神 「……。」
森尾 (まあ、こういうのも技術だ)
神、体を横に向け、森尾に肩を当てる体勢。
シュートの動きに移れない。
キュッ! キュキュッ!!
森尾の手を避けつつピボットでボールをキープ。
棟川 「9番(神)、ちょっと嫌がってる感じだ」
宇野 「何かやっているな、森尾」
杉山 「あれは桜木にはできない守備ですね」
そこに天崎が寄る。
「ヘイ、神さん!!」
スクリーンか、それともパスを受けるか。
東京Pディフェンスの意識が外に向く。
瞬間、神はワンドリブルから中へのパス。
ビッ!
森尾 (中…!?)
佐戸 「上手い、裏をかいた」
左京 「ボールスピードもある!」
桜木 (来る…!!!!)
ボールは、インサイドの森重へ。
桜木 「来いや、デカ坊主!!!!!」
諸星 「守備は広がっている」
牧 「完全な1対1だ」
ビッ!!
ここで森重、すぐにボールを捌く。
「……!!」
このパスは、フリースローライン付近に
走りこんでいた藤真へ。
牧 「…!?」
諸星 「何を狙う…?」
桜木、吠える。
「コラアア!! 勝負せんか、デカ坊…」
キュッ!!!
森重、立ち方を変える。
桜木 「ぬ…!?」
ビッ!!!!
その森重に再びボールが入る。
間髪入れず、藤真からのリターンパス。
「また来た!!!!!」
「藤真の素早いリターン!!」
ここで森重、ボールをキャッチした瞬間に、
桜木を背中で抑えながら、リングに向かって
体が縦に向く半身の状態に。
赤木 「お…」
花形 「抜群のカタチ」
キュッ!!!!!
森重、そこから肩をぶつけるようにターン。
桜木、ゴール下から押し出される。
「……!!!!!」
宇野 「うーん…」
杉山 「あそこまでいい体勢になると…」
そして、ワンハンドジャンパー。
バス!!!
4thクォーター 45秒
青学大 56
東京P 71
「おおおおおーーーーーーー!!!!!!!」
「森重!!!!!」
「桜木から決めた!!!!!」
道谷《森重、決めました!!!》
塚本《いまのはもらい方がよかったですね!》
牧 「藤真のパスも絶妙だったな」
諸星 「飛び込んだタイミングも完璧だ」
青学大ベンチ、手を叩く。
「よーーーっし、森重!!!!!!」
「藤真さん、ナイスパス!!!!!」
桜木 「おのれ……」
森尾 「ドンマイ、次オフェンスだぞ」
桜木 「オウよ!!」
VIPルームの会話。
「何となく見えてきたかな」
「パワー勝負の1対1ならば、やや森重が有利か。
いまのように、もらい方がよければ尚更だ」
「もはやあのパワーはBリーグでも屈指でしょう。
オズボーンも止められなかったくらいですから」
「一方で、攻守が逆になると、スピードがあり
パスまで捌ける桜木を、森重は止められない」
「あれは森重にはできないオフェンスですね。
現時点では、総合的には桜木が一歩上かと」
「あとは、さっきの1対1の続きに注目だな。
森重が見せた抜かせて叩くディフェンス」
そして、東京Pのオフェンス。
道谷《第4クォーターは青葉が先制しました》
塚本《これを止めればまた流れに乗れそうですよ》
道谷《ペイサーズはどう攻めるでしょうか》
彦一 「ここは当然、桜木さんや」
弥生 「見る側としては、それを望むわよね」
ビッ!! ビッ!!
ボールは、小場、森尾と渡り桜木へ。
「さあ、来た!!!!!!!」
「桜木vs森重!!!!!!!」
三井 「おお、すげえ声…!」
木暮 「一番見たい勝負さ」
森尾 (行け、桜木)
グッ!!
桜木、腰を落とし構える。
佐戸 「1対1だ」
左京 「行きそうだね」
佐戸 「さあ、見せてみろ、桜木」
(お前の秘めたる力、俺たちを驚かせてみろ)
キュッ!!
森重、距離を詰める。
杉山 「同じディフェンスだ」
棟川 「さっきはあれでブロックされている」
桜木 「……。」
(コイツの狙いは、跳ばせて叩くこと。
だが、同じ手はこの天才には通じない)
須形 「桜木さん、また1対1だ」
帆足 「どうやらドリブル勝負っすね」
安西のメガネが光る。
「桜木君、キミにしかできないプレイがある」
ダム!!!!!!!!!
桜木、発進。
森重の横を抜く。
「行ったああああーーーーーー!!!!!!」
「この一歩目は止められない!!!!!」
牧 「この後だ」
河田雅 「森重はブロックを狙う」
森重、並走する。
桜木、森重の圧を感じながらのドリブル。
そのとき、
ゴール下に藤真が現れた。
桜木 「…!!!」
桜木が侵入するコースに入っている。
牧 「…!」
(突っ込めば、チャージング…!!)
河田雅 (また新しいディフェンスパターン)
キュッ!!!!!
桜木、急ストップ。
藤真 (ジャンプショットだ…!!)
「森重!!!!!!!!!!!!」
藤真が叫んだ。
(桜木は止まった。叩ける)
ダン!!!!
桜木が跳ぶ。
ダン!!!!
森重も跳ぶ。
瞬間、森尾の声。
「外!!!!!!!!!!!」
桜木の視界に森尾。
スリーポイントラインで構えている。
が、それと同時に天崎の姿。
桜木 (チョロ…!!!!)
天崎、手を伸ばす。
(ボールが来る…! このパス、獲れる!!)
ビッ!!
桜木、ボールを大きく外に出す。
森尾ではなく、与野の位置へ。
森尾 「……!!!」
天崎 「え…!!?」
ゾクッ!!
安西 (桜木君…!!!!)
森尾 「アイツ……!!!!!!」
(空中で天崎の動きを見たあとに、
別のフリーを探し、パスした…!!?)
宇野 「今のは…」
棟川 「桜木…」
杉山 「あんなことが可能なのか…」
森尾 「……。」
(跳ぶ前に周りを見ていたわけじゃない。
先んじて予測をしていたわけでもない。
間違いなく、相手の動きを見てから動いた)
佐戸、目を見開く。
「まさに、寸前のキャンセル…」
外川 「ん…?」
左京 (キャンセル…?)
与野に渡ったボールは、
インサイドに切れ込んだオズボーンに渡った。
バス!!!!
4thクォーター 1分
青学大 56
東京P 73
道谷《東京ペイサーズ、返しました!!》
塚本《桜木君、いまのは凄いパスでしたよ》
道谷《と言いますと…?》
全員が気付いたわけではない。
だが、会場の各所で、あるいは画面の前で
再び戦慄する者あり。
青学大ベンチの陸川は、
苦笑いと共に呟いた。
「これはちょっと届かないかな…」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1255)
https://knoheya.blog.jp/archives/52043630.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合3rdクォーター終了青学大 54東京P 71東京Pの17点リードで始まった3rdクォーターは東京Pの17点リードで終わった。放送席、モニタに映るリプレイを見ながら道谷が塚本に10分間を問う。《塚本さん、青葉は様々な見せ場を作った...
jungle123
2023-12-31T10:10:20+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
3rdクォーター終了
青学大 54
東京P 71
東京Pの17点リードで始まった3rdクォーターは
東京Pの17点リードで終わった。
放送席、モニタに映るリプレイを見ながら
道谷が塚本に10分間を問う。
《塚本さん、青葉は様々な見せ場を作ったと
思うのですが、点差は縮まりませんでした》
塚本、返す。
《そうですね。特に立ち上がりは青葉のスリーが
連続で決まり、中の森重君も1対1を制しました。
この時点では追い上げの可能性もありましたよ》
道谷《止めたのは、やはり桜木でしょうか》
塚本、頷く。
《間違いないでしょう。桜木君が1on1からパスを
捌き始めて、すぐさま流れを止めてしまいました。
そこに森尾君が絡み始めてからは、いよいよ試合が
ペイサーズのものになりましたね》
道谷、その後のプレイを振り返る。
《その後、青葉は4シューターに切り替えました。
これは青葉らしい作戦といえるのではないですか》
塚本、再び頷く。
《その通りです。いつでも攻めの姿勢に立つのが
青葉学院ですから。特に神君が見せたシュートは
圧巻でしたね。もはや世界レベルで見ても屈指の
シューターと言ってよいと思います》
道谷《桜木もあれは止められませんでしたね》
塚本《そうですね、現時点では。はい》
―― 現時点では
道谷は、もうひとつ問おうとしたが、ここで
インターバルが終了となった。
『ビビーーーーーーーー!!!!!!』
道谷、4thクォーターへの会話に切り替える。
《さあ、その後ベテランの活躍もあり、青葉の
追い上げを許さなかった東京ペイサーズですが、
ここからの10分、どう見ますか》
塚本、ニコリ。
《普通に考えれば、ペイサーズがリードを保持して
試合を決めるでしょう。そうさせない力を青葉が
持っているかどうか、是非期待したいと思います》
道谷《そのポイントは?》
塚本《そうですね、森重君ですかね》
両軍メンバーがコートに出る。
東京Pは、
小場、森尾、与野、桜木、オズボーン。
青学大は、
藤真、天崎、家村、神、森重。
須形 「やった、桜木さんの登場だ!!」
上原 「待ってたぜ!」
安西 「ほっほっほ、楽しみですね」
花形 「ペイサーズは与野さんが継続か」
三井 「またイヤらしい選手起用だぜ…」
赤木、腕組み。
「桜木をコートに戻すが、ベテランは削らない。
これが試合巧者の戦い方というやつか」
牧 「桜木につくのは、森重かな」
諸星 「もう一丁、何かありそうな気もするぜ」
河田雅、腕組み。
「第3クォーターで1度だけ勝負のシーンがあったが
あのふたりの勝負はもう少し見たかったところだ」
赤木たちも同様の会話。
「森重は桜木に対して守備の策を見出したようにも
見えたが、桜木はブロックをかわした」
三井 「そのシュートは入らなかったけどよ」
花形 「あの勝負の続きが見られるかな」
4thクォーターは、東京Pボールから。
小場 「よし、一本!!!!」
「オウ!!!!」
道谷《さあ、始まりました、ラスト10分です》
塚本《マッチアップはどうでしょうか》
藤真 「ディフェンス!!!!!!」
青学大のディフェンスは、
小場に藤真、
森尾に天崎、
与野に家村、
桜木に森重、
オズボーンに、神。
町田 「来た、桜木には森重だ」
彦一 「宇野監督、期待に応えてくれたで!」
弥生 (それは、どうなのか分からないけど)
東京Pベンチの宇野、ニコリ。
「第3クォーターの最後は、お客さんを喜ばせる
ゲームではなかった。イヤなチームで終わるのも
悪くないが、望まれる勝負も披露しておこうかな」
棟川 「それもまたプロの仕事ですからね」
杉山 「すっかり桜木はスター選手ということで」
どうやら期待に応えてくれていた模様。
ビッ!! キュキュッ!!
東京P、ボールを回す。選手が動く。
そして、桜木へ。
左45度で森重と対峙。
「おおおおおーーーー!!! さっそく!!!!」
「これだよ、これ!! この勝負が見たかった!」
須形 「来たぞ!!!」
安西 「ふむ」
道谷《塚本さん、来ました》
塚本《ええ、ここの勝負がカギですよ》
VIPルームも注目。
「さあ、桜木と森重の勝負」
「宇野さん、ここは粋な采配だ」
「森重は対桜木の作戦を持っていた。そう見えた」
桜木 「第2ラウンドだ、デカ坊主」
森重 「……。」
キュッ! キュッ!!
桜木、ジャブステップ。
小刻みに右足を動かす。
森重は、近距離で守備につく。
赤木 「第3クォーターと同じだ」
花形 「並走してブロックを狙うディフェンス」
三井 「だが、それは桜木の頭にも入っている」
桜木、ニヤリ。
「フッ…、さっきそれで抜かれたのを忘れたか」
森重 「……。」
与野 「お…」
(前回の勝負を駆け引きに使うか)
ダム!!!!!!!
桜木、ドリブルで仕掛ける。
「所詮は学生レベル!!」
キュッ!!!!
森重は斜め後方から桜木を追う。
第3クォーターの勝負時と同じ形。
ダン!!!!!
桜木、ボールを右腕に掲げ、跳ぶ。
赤木 「同じパターン…!!!」
三井 (どうする、桜木…!!?)
観衆が息を吞むなか、
バッシイイイイ!!!!!!!!!!
桜木のボールが森重に叩き落とされた。
桜木 「んが…!!?」
森尾 「おい…」
宇野 「……。」
杉山 「何やってんだ、バカヤロー!」
道谷《森重のブローーーーック!!!!》
「おおおおお!!!!! 森重!!!!!」
「今度は叩き落としたぞ!!!!!」
「桜木がブロックを読めなかった!!!!」
ガッシイ!!!
ルーズボールは天崎が拾った。
「っし!!」
青学大ボール。
道谷《青葉、最初のディフェンス成功です!!》
塚本《森重君が初っ端から仕事をしましたよ!》
キュキュッ!!!
ディフェンスに戻る東京P。
森尾が桜木に声をかける。
「さっきと一緒だったろう、何やってる!」
桜木 「ぬ?」
森尾 「森重のブロックをかわしただろ」
桜木、思い出す。
―― 「後ろーーーーーーーーー!!!!!!」
桜木 「あ…」
(モーリーが叫んだアレか…)
与野、眉間にシワ。
(忘れてんのは、お前のほうじゃねえか)
三井も眉間にシワ。
(頭に入って、なかった…)
桜木、ブツブツと呟きながら、守備につく。
「そういうことか、デカ坊主…。この天才が
跳んでからブロックに来るという…」
杉山、苦笑い。
「アイツ、本当に分かってなかったっぽいですよ」
棟川 「天才なのか、馬鹿なのか…」
宇野 「……。」
(あの時は森尾の声があったからかわした…?
だとしたら、それはむしろ…)
佐戸 「さっきは森尾が声をかけたんだっけ?」
左京 「ああ、なんか叫んでたよな」
外川 「今回は声がないからブロックされた?」
左京 「はっはっは、おもしれえ奴だ」
佐戸 「…!?」
(いや、ちょっと待て…)
全く同じパターンだった1対1に対して、
馬鹿正直にブロックショットを浴びた桜木。
やや呆れた顔を見せる人間もいるなか、
しかし、東京Pベンチの宇野と客席の佐戸は、
違う感想を抱いた。
そして、安西も。
(桜木君、まさかキミは、
あのスピードの中で…)
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1254)
https://knoheya.blog.jp/archives/52043201.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合3rdクォーター 残り3分30秒青学大 51東京P 67東京P、桜木がベンチに下がる。そして迎える青学大のオフェンス。藤真 「一本!!!!!」「オウ!!!!!!!」道谷《青葉ボールから試合再開です》塚本《桜木君がいない間に...
jungle123
2023-12-17T18:04:22+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
3rdクォーター 残り3分30秒
青学大 51
東京P 67
東京P、桜木がベンチに下がる。
そして迎える青学大のオフェンス。
藤真 「一本!!!!!」
「オウ!!!!!!!」
道谷《青葉ボールから試合再開です》
塚本《桜木君がいない間に追い上げたいですね》
東京Pベンチの宇野は静かに呟いた。
「ここでクローズさせてもらう」
東京Pのディフェンスは、
藤真に納和、
天崎に与野、
家村に杉山、
神に森尾、
森重にオズボーン。
道谷《ディフェンスはマンツーマンのようです》
塚本《なんと、神君につくのは森尾君ですか》
道谷《ペイサーズ、これは不気味な仕掛けです》
神 (森尾さん…)
森尾、ニコリ。
「ちょっと勉強させてもらうよ、お前のプレイを」
牧 「どうなるかな、神の位置」
諸星、腕組み。
「桜木はバカみたいな運動量で神についてたけど、
森尾さんに同じことができるとは思えねえもんな」
河田雅、頷く。
「神はいま、完全に当たっている時間帯だ。
策もなくこういう布陣にしているわけがない」
だが、
試合巧者・東京Pの交代策の対象は、
神ではなかった。
ビッ! ビッ!
青学大がボールを回す。
左45度、天崎の位置。
マッチアップは、交代で入った与野。
「……!!!!!!」
不自然なほどに空いている。
天崎 「…!?」
与野 (さあ、撃てるぜ、1年生)
花形 「む…」
三井 「また、いやらしいことを…」
(リズム外で撃つなよ、天崎。相手の思うツボだぞ)
ビッ!
天崎、藤真にボールを戻す。
「おおっと、撃たない…!!!」
「空けられて逆に戸惑ったか…!!?」
与野 「どうした、撃たないのか」
天崎 「……。」
(クソ…、調子狂うな…)
たったワンプレイ。
外の選手がボールをもらい、
そしてボールを戻しただけ。
だがこれで、青学大のリズムが崩れた。
キュキュッ!!!
東京P、藤真への守備はタイト。
納和が体を当てプレッシャーをかける。
納和は190cm・85kgの大型ガード。
体が当たるたびに藤真の体勢が崩れる。
「チッ…」
藤真は2・3度ドリブルを突き、パス。
家村に渡るが、「パスをさせられた」藤真からの
展開だけに、リズムが悪い。
普段の調子でシュートに持ち込むことができない。
ビッ!!
家村、藤真に戻す。
町田 「なーんか、踏ん切り悪いぞ…」
弥生 「青葉らしくなくなったわね」
天崎 「……。」
(俺がさっき撃たなきゃダメだったんだ…)
与野、ニヤリ。
(ああ、その通りだ。青学大のバスケは、
「空いたら撃つ」んじゃなかったのか?)
棟川 「与野め、ああいうところはさすがだな」
桜木 「ほう…」
宇野、ニコリ。
「ここから数分、ウチは『嫌なチーム』になる」
ショットクロックの数字が減っていく。
7、6、5…。
「時間がない…!!!」
「青葉、撃て!!! 撃たなきゃダメだ!!!」
ビッ!!
ボールは神へ。
桜木 「…!」
時間はない。しかし、ボールは神。
観衆が沸く。
「そうだ、これがある!!」
「いまの神は止められないぞ!!!!」
キュキュッ!!!!
ここに与野が寄る。
神 「…!!」
天崎 「…!!」
道谷《おっと、森尾と与野、ふたりがかり!!》
塚本《仕掛けますねえ、ペイサーズ!》
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!』
神 「……!!!」
『24秒オーバータイム!!!!!』
3rdクォーター 残り3分6秒
青学大 51
東京P 67
「うわああああーーーー!!!! やられた!!」
「ここで24秒…!!!」
「これは痛い…!!!!!!!」
道谷《ああっと、青葉、撃てませんでした!!》
塚本《うーん、これは痛いターンオーバー…!》
木暮 「これは…」
三井 「色々とやり方があるもんだな…」
赤木 「ああ…」
(ウチとやったときとは違う。そしておそらく、
プロに入ればこういうことは往々にしてある、
もちろん世界大会でも…)
「あの桜木からもシュートを決めた神が…」
「いきなり抑え込まれちまったぞ…!!?」
宇野 「これもまたバスケだ」
棟川 「嫌なチームですね、まったく」
その“嫌なチーム”は、オフェンスでも継続。
『ピピーーーーーーーーッ!!!!』
ゴール下、森尾のシュートフェイクに
森重が引っ掛かった。
『ファウル、青学大・15番、ツーショット!』
スクリーンを使って中に切れ込んだ森尾は、
ストップ・ジャンプショットと見せかけて、
強引にインサイドへ侵入。
そこで対峙した森重を、罠にかけた。
ザシュ!!!!
ザシュ!!!!
道谷《森尾、外しません!!》
塚本《さすがです》
3rdクォーター 残り2分50秒
青学大 51
東京P 69
「18点差、さらに開いちまったぞ…!!!」
「桜木が下がっても、リードは縮まらねえ!!」
桜木 「ぬ…」
棟川 「ははは」
(ま、お前が下がった瞬間に追い上げられてちゃ
Bリーグ制覇なんて、できっこないからな)
桜木が抜けた東京Pは、続くディフェンスでも
またベテラン・与野が仕掛ける。
『ピピーーーーッ!!!!』
『ファウル、東京P・6番!!』
今度はゴール下に現れた。
森重の手を叩き、フリースローを献上。
町田 「これまた嫌なファウルだぜ」
弥生 「ここで森重君にフリースロー」
町田、苦笑い。
「外しそうなんだよなあ。根拠ないけど」
彦一、静かに頷く。
(確かに、外す気がする…。根拠はないけど)
ガン!!
ザシュ!!
森重、成功は1本。
3rdクォーター 残り2分30秒
青学大 52
東京P 69
青学大のスコアは1点しか積みあがらなかった。
リードしている東京Pにとって、このファウルは
成功といっていい。
道谷《また与野でしたね》
塚本《相手にとっては嫌な選手でしょうねえ》
陸川 「ふぅ…」
(外すなら、まだ2本目のほうがよかったかな。
1本目はリバウンドのチャンスすらない…)
「青葉、完全にリズムを狂わされてる…!!」
「ペイサーズのゲームが上手すぎるんだ!!」
青学大メンバー、
この数本の攻防で、その顔には質の違う汗。
藤真 「くそ…」
森重 「……。」
塚本、解説。
《これは非常に嫌な時間でしょうねえ。精神的に
かなり疲れると思います。桜木君と真っ向勝負を
していたほうがマシだったでしょう》
道谷《まさに試合巧者、東京ペイサーズ》
塚本《勝ち方を知っていますね》
その後、
両軍2点をくわえ、3rdクォーターが終了。
3rdクォーター終了
青学大 54
東京P 71
「17点差、前半終了時と同じだ!!」
「青葉が勝負をかけても点差は変わらない!」
「これがプロと学生の差か…!!!」
青学大の選手たちは、プロを圧倒するプレイを
何度も披露した。同年代の桜木と共にこの試合を
沸かせ続けた。
森重は誰が相手になろうと、ゴール下の1対1では
相手を凌駕し続けた。
神のスリーポイントシュートは、止めようのない
レベルに達しようとしていた。
観客席も放送席も記者席もVIPルームも
その能力に何度も度肝を抜かれた。
だが、スコアは変わらなかった。
続く
--
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-
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1253)
https://knoheya.blog.jp/archives/52042834.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合3rdクォーター 残り4分10秒青学大 51東京P 64道谷《さあ、外で桜木がボールを持ちました》塚本《森重君に1対1を仕掛けるようですね》道谷《今日はこの位置からの攻撃が目立ちます》塚本、解説。《後半は特にそうですね。彼...
jungle123
2023-12-03T21:14:35+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
3rdクォーター 残り4分10秒
青学大 51
東京P 64
道谷《さあ、外で桜木がボールを持ちました》
塚本《森重君に1対1を仕掛けるようですね》
道谷《今日はこの位置からの攻撃が目立ちます》
塚本、解説。
《後半は特にそうですね。彼は元々スピードが
ありますので、ドライブの仕掛けも得意ですが、
今日はさらにそこからのパスも冴えわたっていて
ペイサーズの攻撃の軸といえるほどの活躍です》
道谷《青葉はそこに森重をつけました》
塚本《賭けといえば賭けです。どうなりますか》
桜木 「行くぜ、デカ坊主」
森重 「俺が勝つ」
桜木、構える。
キュ!! キュキュッ!!!
足を小刻みに動かす、ジャブステップ。
弥生 「これは完全に勝負の体勢ね」
彦一 「どこかであの爆発的一歩目が火を噴く」
キュッ!!!
森重は距離を詰めて守備に立っている。
花形 「退かないか」
赤木、腕組み。
「桜木のドライブは直線型だ。距離を取って立てば
抜かれる可能性を減らせるのだが…」
(ただ、いつかの試合でもアイツは退かなかった…)
ダム!!!!!!!!!!
桜木、ドライブ。
「行ったあああーーーーーーー!!!!!!!」
「森重との勝負!!!!!!!」
陸川 「森重、止めろ!!!!!!」
前川 「頼む!!!!!」
桜木、森重の横を抜く。
陸川 「……!!!!」
外川 「おお…!!!」
左京 「やはりスピードは桜木!」
横を抜かれた森重、並走するように走るが、
桜木が一歩速い。後方から追う形に。
佐戸 「…!!?」
(もしや…!!)
ダン!!!!
森重を振り切った桜木、
ボールを掲げ、リングに向かって跳ぶ。
「天才!!!!!!!!」
佐戸 (抜かれる前提の守備だった…!?)
赤木 (そういうことか…!!!)
森尾が叫ぶ。
「後ろーーーーーーーーー!!!!!!!」
桜木 「……!!!!!」
クイッ
桜木、空中でボールを下げる。
森重 「……!!!」
ダブルクラッチ。
後方から差し出された森重の右腕をかいくぐる。
彦一 「なんやてええええーーーーー!!??」
リングをくぐった桜木、
体をひねりながら後方にボールを放つ。
「おおおおおおおーーーーーーーー!!!!!!」
「来たか……!!!!!!!!!!」
ガン!!!!!
リングに弾かれる。
桜木 「…!!!」
(クソ…!!!!)
「あああああーーーーーーーー!!!!!!」
「惜しいいいいーーーー!!!!!!!」
ガッシイイ!!!!
リバウンドは、杉山。
森重がブロックに跳んだあとのリバウンド勝負。
これは東京Pが絶対的に有利。
「撃たせるな!!!!!!」
「チェック!!!!!!!」
キュキュッ!!!
青学大ディフェンスが杉山に寄る。
が、
ビッ!!!!
杉山はこの守備網をかいくぐり、
ボールを外へ捌く。
諸星 「うわっ…!! さすが…!!!」
河田雅 「見えてる!!!」
その先には、森尾毅彦。
陸川 「…!!!」
前川 (やられた…!!!!)
そこに天崎。
「……!!!!!!!!」
一瞬にして距離を詰める。
両手を挙げて立ちはだかる。
森尾、撃てない。
陸川 「おお!!!!」
前川 「でかした、天崎!!!!!」
森尾 「……!!!」
道谷《天崎、空けません!!!!》
塚本《よく止めました!!!!》
須形 「おおおお!!!! 天崎さん!!!!」
千種 「やった…!!!!」
だが、東京Pのボールは止まらない。
森尾はシュートフェイクを一つ入れたあと、
インサイドへリターンパス。
ビッ!!
天崎 「あっ…!!!」
森尾 「パスも上手いんだ、俺」
天崎 (いや、知ってますけど…!!)
ボールはゴール下の杉山へ。
キュッ!!!
森重が出る。
桜木、吠える。
「こっちが空いたあああああーーー!!!!!」
杉山 (いや、そっちじゃないかな)
ビッ!!
再びボールを外へ。
もう一度、森尾。
天崎 「…!!!」
オズボーンのスクリーンに捕まっていた。
河田雅 「おお!」
牧 「一枚上か」
道谷《森尾が空いている!!!!》
塚本《撃つでしょう!》
森尾、スリーポイントシュート。
3rdクォーター 残り3分40秒
青学大 51
東京P 67
「決まったあああああーーーーーー!!!!」
「外・中・外!!! これまた完璧!!!!!」
「森尾、これは外さない!!!!!!」
天崎 「ああああああ!!! クソ!!!!」
森尾 「でもシュートが一番得意なんだ」
天崎 (知ってるっつーの…!!!!)
須形 「ああ、天崎さん…」
安西 「ふむ、相手が上手かった」
そして、悔しがる男はもうひとり。
桜木 「だあああああああ!!! クソ!!!」
杉山 「…!?」
桜木 「こっちも空いてただろ、オスギ!!」
杉山 「いいだろ、3点のほうがデカいんだから」
桜木 「ぬぬ」
道谷《16点差、これは大きなスリーポイント》
塚本《追いかける青葉には痛い3点ですね》
木暮 「ここで3点か…」
花形 「ああ、今のは大きい。だが、それより」
三井、苦笑い。
「ああ、その前のプレイだ。桜木と森重の勝負。
いまのはどっちも凄かったぜ…」
赤木、腕組み。
「スピード勝負の桜木に対して、跳ばせてから
叩く形を選択した森重、そしてそのブロックを
空中でかわした桜木…」
外川 「あれはハイレベルだったねえ」
佐戸 「ええ」
VIPルームもざわつく。
「いまのディフェンス、国際試合ではよく見られる
パターンです。絶対的に高さに自信を持つ選手は、
ああやって、ブロックするために撃たせる」
「分かってるよ。なぜならば日本代表がいまの形で
叩き落とされるシーンを何度も見てきたから…」
「だがこれは世界大会でもNBAでもない。ましてや
森重寛はまだ大学2年生…」
「だがそれで終わらず…、あろうことか桜木花道は
そのブロックをかわしてしまった」
「本当に凄い、凄すぎる…」
東京Pベンチ・宇野、ニコリ。
「うむ、一旦十分かな」
『ピピーーーーッ!!!!』
続く青学大の攻撃に対し、東京Pのファウル。
ここで時間が止まり、選手交代のブザー。
『ビビーーーーーーーーーーー!!!!!!』
3rdクォーター 残り3分30秒
青学大 51
東京P 67
「……!!?」
交代の指示は、桜木。
「なにィィいいいいーーーー!!!!???」
「桜木、交代!!!???」
神 「桜木…?」
森重 「……。」
ダダッ!!!!
桜木、ベンチの宇野に向かってダッシュ。
「ちょーーーっと、待てえええーーーい!!!」
宇野 「ん?」
桜木 「なんで俺が…!!!」
宇野、動じず。
「交代だ」
パシッ!
隣に立っている棟川が桜木の尻を叩く。
「お前、出ずっぱりだろ。少し下がってろ」
桜木 「ぬ……」
(デカ坊主もジンジンも出ている…)
棟川 「お前の気持ちはよく分かるよ、だが…」
桜木 「…?」
棟川、続ける。
「チーム全体の動きがお前のプレイに偏っていた。
それもまた事実だ。こういうときは少しゲームを
落ち着かせることも大事なんだ」
交代で入る与野から声がかかる。
「それだけ抜きん出ていたってことだろ、天才」
桜木 「分かったよ…」
ガタ…。
ベンチに座る。
天才とおだてられても、
いつもの調子にはならなかった。
与野 「フッ…」
桜木の不服そうな顔を見てほほ笑む。
(若いな)
町田 「桜木、交代かあ。もっと見たかったなあ」
弥生 「そうね、でも妥当なベンチワークよ」
町田 「そりゃそうですけど」
弥生 「ま、高校生なら下がらないだろうけどね」
彦一 「……。」
(そうや…、そうなんや…。桜木さんはいま
東京ペイサーズの選手なんや。トップリーグの
ベンチワークの中で戦っとるんや)
青学大、家村のスローイン。
藤真が受け取る。
「よし、行くぞ!!!!!!!!!」
「オウ!!!!!!!」
宇野は、ベンチに座らず立っている。
「まだ第3クォーターだが…」
道谷《青葉ボールから試合再開です》
塚本《桜木君がいない間に追い上げたいですね》
宇野 「ここでクローズさせてもらう」
続く
--
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1252)
https://knoheya.blog.jp/archives/52041940.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合3rdクォーター 4分青学大 42東京P 60タイムアウト中に選手交代。青学大、前川に代わって天崎を投入。コートに立つのは、藤真、天崎、家村、神、森重。インサイド型の選手が森重のみとなり、パワーとサイズは大きくダウンし...
jungle123
2023-11-26T14:42:43+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
3rdクォーター 4分
青学大 42
東京P 60
タイムアウト中に選手交代。
青学大、前川に代わって天崎を投入。
コートに立つのは、
藤真、天崎、家村、神、森重。
インサイド型の選手が森重のみとなり、
パワーとサイズは大きくダウンしたが、
アウトサイドシュートの脅威は増した。
「ここで4シューター!!!!」
「青葉が勝負に出た!!!!!」
藤真 「さあ、行くぞ!!!!!」
「オウ!!!!!!」
道谷《18点ビハインドの青葉、逆襲なるか》
塚本《この4シューターの布陣で勝負ですね》
キュキュッ!!!
神が動く。
キュキュッ!!!
それを追いかけ、桜木が動く。
牧 「あのマッチアップが最大のポイントだ」
河田雅 「神が赤頭の守備を振り切れるか」
諸星 「しばらく抑え込まれちまってるからな」
ギン!!
桜木 「撃たせんぞ」
この試合の最中に、桜木はレベルアップを遂げた。
敵も味方も壁として利用し、縦横無尽に動く神に
何度も翻弄されつつも、徐々にアジャストしていき、
ついに捕まえることに成功。
パワーファイターもピュアシューターも守れる
新時代のディフェンダーが誕生しようとしていた。
が、
レベルアップを果たしたのは、
桜木だけではなかった。
神もまた、この規格外の選手を相手にすることで
新たな動きに挑むこととなる。
ビッ!!!
中外を行き交ったボールが、神へ。
藤真からのパスだった。
キュッ!!!
すかさず桜木が現れる。
町田 「やはり空かない…!!!!」
弥生 「驚異のディフェンス…!!!!」
クイッ!
神が小さなシュートフェイクを入れる。
桜木、反応。
上体が浮く。
ダム!!!
神がドリブルを仕掛ける。
しかし桜木、
すぐさま重心を戻し、これにも反応。
赤木 「…!!!!」
三井 (すげえ…)
桜木 「それもお見通し…」
キュッ!!!!!
神、すかさずステップバック。
スリーポイントラインの遥か後方、
もはやセンターサークルの付近。
桜木 「……!!?」
佐戸 「おお…!!!」
左京 「メチャクチャ遠いぞ…!!!」
ビッ!!
神、シュート。
三井 「な…」
(あんな位置から…!!?)
ザシュ!!!!!!!!
3rdクォーター 4分20秒
青学大 45
東京P 60
「な……!!!!!!!」
「なにィィいいいいーーーー!!!!??」
道谷《スーパー・ディープ・スリーーー!!!》
塚本《こ、これは凄い……!!!!!!》
道谷《とんでもない位置から決めて見せました!》
記者席、騒然。
町田 「おいおいおいおいおい…!!!!!」
彦一 「なんちゅう距離や…!!!!!」
弥生 「ステップバックのディープ・スリー…!」
(スピードとキレは三井君に及ばないものの、
いまの距離は常軌を逸しているわ…!!)
桜木 「あんな位置から…」
チームメイトの藤真も目を見開く。
「お前…!!」
青学大ベンチ、総立ち。
「おいおいおい、すげえのが来たぞ!」
「神…!!」
陸川、立ち上がる。
「ディフェンス!!!!!!!!」
キュキュッ!!!!!!!
青学大、マンツーマンに変更。
納和に藤真、
森尾に天崎、
オズボーンに家村
杉山に神、
桜木に森重。
特に、藤真と天崎は、
かなり高い位置から当たる。
「マンツーマン…!!!!」
「大きなミスマッチだが、マンツーマン!!!」
木暮 「そして、桜木には森重…!!!」
赤木 「青葉、守備でも勝負をかけたか」
その驚異のジャンプ力を武器に空中からパスを
捌き始めた桜木は、試合を支配しつつあった。
その桜木に、森重が1on1でマッチアップ。
陸川 「まずはそこを潰す。森重に賭ける」
町田 「出来るのか…!!?」
弥生 「いまの桜木君はインサイドだけじゃない」
ダム!!!!!
桜木、外からのドライブ勝負。
「行くぞ、デカ坊主!!!!!!!」
森重との1対1。
「さあ来た!! このマッチアップ!!!!」
「桜木がドリブルイン!!!!!」
キュッ!!!
急ストップからジャンプ。
しかもフェイダウェイ。
森重がブロックに跳ぶが、
ビッ!!
桜木、空中でパス。
赤木 「……!!!!!」
(あの体勢から…!!!?)
ゴール下、オズボーン。
家村とは大きなミスマッチ。
バス!!!!!
3rdクォーター 4分40秒
青学大 45
東京P 62
難なく決める。
道谷《やはり、インサイドはペイサーズ!!》
塚本《あの位置は家村君では厳しいか…!!》
道谷《そして手前の桜木のパスですね、塚本さん》
塚本、興奮。
《ええ、信じられないパスですよ。あれだけ後ろに
跳びながら、そこから体勢を崩すことなくパスを
出してしまうとは、どういう体の構造なのか…!》
須形 「いまのは……」
安西、ニコリ。
「桜木君にしかできないプレイですね」
(いま、桜木君が元々持っていた能力と、
積み上げてきた技術が融合しようとしている)
VIPルームも騒然。
「どうなってるんだ、この試合は。またひとつ
選手たちのプレイレベルが上がってしまった」
「神宗一郎のディープ・スリーも脅威、
桜木花道のあの空中パスも脅威」
「Bリーグにもあんなプレイができる選手は…」
タイムアウト明け、神のスーパープレイで青学大が
3点を加えるも、東京Pはすかさず獲り返す。
青学大としては、手痛い失点。
だが、藤真は手を叩き鼓舞する。
「構わない!! 獲られたら獲り返すのみ!!!
ドンドン撃っていくぞ、みんな!!!」
「オウ!!!!!!!!」
もはや、外から撃つという宣言。
自チームの作戦を、大声で相手に披露。
陸川、腕組み。
「構わん、4シューターの布陣を敷いた時点で、
そんなことは相手にも分かっていること」
そして、
ザシュ!!!!!!!
「また神だあああーーーーーーーー!!!!!!」
「これもまた遠い!!!!!」
とんでもなく高い位置で家村のスクリーンを使い、
桜木を一瞬引き離し、再び神のスリーポイント。
3rdクォーター 残り5分
青学大 48
東京P 62
道谷《神宗一郎、2連発!!!!!》
塚本《喰らいつきますねえ!!!!!!》
道谷《獲られたら獲り返す、青葉のバスケ!!》
シュートを打った神、スクリーンをかけた家村、
共にセンターサークル付近に立っている。
赤木 「あんな位置でスクリーンを…」
花形 「普通に狙えるエリアだというのか…」
三井 「神め…」
(そうか、テメエは距離を追求するってことか)
桜木 「おのれ…」
森尾が声を掛ける。
「桜木、離れていても気を抜くな!
その位置でも9番(神)は狙ってくるぞ!」
桜木 「ああ、分かった!!」
続く攻撃、
東京Pの選択は、インサイド。
バス!!!!!
道谷《ペイサーズ、インサイドで決めます!》
塚本《ここは絶対的に有利ですからね!》
オズボーン×家村、杉山×神、
この2つのマッチアップは完全なミスマッチ。
牧 「ある程度、割り切っている部分か」
諸星 「桜木に森重をつけたからな」
河田雅 「青葉は外から獲り返すのみだ」
牧 「アイツらは、それに賭けている」
そして、決める。
ザシュ!!!!!!!!!
「藤真あああああーーーーーーー!!!!」
「ここで決めるか、藤真健司!!!!!」
3rdクォーター 残り4分20秒
青学大 51
東京P 64
パスを出したのは、神だった。
やはり、スリー2連発が大きかった。
守備の意識を自分に向けさせることに成功した。
一瞬の隙を突きフリーになった藤真は、
その一瞬のチャンスをモノにしてみせた。
塚本、興奮実況。
《神君を意識したのは確かでしょう。しかし、
青葉が外から撃つのは分かっているんですよ。
ペイサーズも最大の注意を払っているはずです。
それでも決めて見せる! 恐ろしいですね!》
桜木 「今度はパスか、味なマネを」
神 「まだまだ諦めないよ」
―― 諦めない
桜木、ニヤリ。
「ああ、そーこなくちゃよ」
「いやああああーーー!!! 凄い!!!」
「青葉、喰らいついてるよ!!!」
「これは、まだまだ分からねえぞ!!!!」
道谷《東京ペイサーズのオフェンス》
塚本《やはり狙いはインサイドでしょう》
ボールを持つのは、桜木。
スリーポイントラインの外。
キュッ!!
マッチアップは森重。
VIPルームが注目する。
「これが、この試合の最後の注目ポイントかな」
「森重寛が、外から仕掛ける桜木についている」
「さっきは、フェイダウェイからのパスを許した」
「だが、そこまでしなければ、パスすら出せない
ディフェンスだったと言えるのかもしれない」
「森重にもまた、秘めたる力が残されているか」
神は桜木との戦いを経て、新たな武器を披露した。
一方の桜木も、そのマッチアップのなかで、
中外問わないディフェンス力を開花させた。
VIPルーム陣が最後に目を向けたのは、森重。
進化し続ける桜木との勝負。
陸川、腕組み。
「もはや桜木は手に負えないレベルに達しつつある。
だが森重、お前なら何とかできるはず」
桜木 「行くぜ、デカ坊主」
森重 「俺が勝つ」
続く
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スラムダンクの続きを勝手に考えてみる(1251)
https://knoheya.blog.jp/archives/52041723.html
天皇杯ファイナルラウンド準々決勝・第3試合3rdクォーター 3分20秒青学大 42東京P 56道谷《桜木、杉山との連係から見事な得点!》塚本《しかもファウルも奪いましたよ》桜木がフリースローレーンに立つ。同時に、コートサイドに動き。道谷《そして、ペイサーズは森尾...
jungle123
2023-11-04T16:32:45+09:00
スラムダンクの続きを勝手に考えてみる
準々決勝・第3試合
3rdクォーター 3分20秒
青学大 42
東京P 56
道谷《桜木、杉山との連係から見事な得点!》
塚本《しかもファウルも奪いましたよ》
桜木がフリースローレーンに立つ。
同時に、コートサイドに動き。
道谷《そして、ペイサーズは森尾が入ります》
塚本《ここを勝負の時間と見ましたかね》
森尾 「小場、一旦休憩な」
小場 「っす」
パチン!!
手を合わせる。
森尾がコートに入り、小場がベンチに下がる。
町田 「てことは、納和がPGに入るのかな」
弥生 「いや、もしかしたら…」
彦一 「…ん?」
桜木 「待ってたぜ、モーリー」
森尾 「そうか、んじゃ頼むぜ、天才」
道谷《さあ、桜木のフリースローです》
塚本《決めれば3点プレイですね》
佐戸 「これは決まるかな」
外川 「桜木クン、ノリノリだもんねえ」
桜木、構える。
(外す気がせん!)
ザシュ!!!
3rdクォーター 3分20秒
青学大 42
東京P 57
道谷《しっかり決めて、15点差!!》
桜木 「天才!!」
東京Pベンチ、手を叩く。
「オッケー、オッケー! ナイス桜木!」
「さあ、次、ディフェンス!!!」
藤真 「一本、一本返そう!!!」
「オウ!!!!」
ビッ! ビッ!!
青学大、ボールを回す。
インサイド・アウトサイドを行き来する。
赤木 「いつもの青葉の攻撃だ」
花形 「さすがだ、まだ落ち着いている」
森尾 「桜木、行ったぞ!!!」
桜木 「…!!」
キュッ!!!
桜木の位置に、家村が来る。
「スクリーンかけた!!!」
「やはり、神で勝負か!!!」
「いや、そこから森重のパターンもあるぞ!」
キュッ!!!
桜木、かわす。神を離さない。
続いて、前川が現れる。
「おっと、2枚!!!」
「再び、桜木に二重のスクリーン!!!」
桜木 「フン!!!!!」
前川とぶつかるが、ものともしない。
跳ねのけるように、神についていく。
「…!!!!!」
三井 「おお…!!! ノーファウルか」
赤木、腕組み。
「ああ、桜木にイリーガルな動きはなかった。
今のがファウルになるなら、むしろ前川だろう」
道谷《桜木、神をフリーにさせません!!》
塚本《ディフェンスの動きもよくなった!》
神 「……。」
ビッ!!!
藤真 「家村!!」
神へのパスコースを遮断された青学大、
もうひとりのシューター、家村へ。
「家村だ!!!」
「神へのスクリーンの後に、外に出た!」
天崎 「家村さん!!!!」
(決めてくれ!!!)
が、
ガン!!!!!!
道谷《入らない!!!!》
塚本《森尾君がプレッシャーかけましたね》
家村 (クソ…!!)
森尾 「っし、リバン!!!!」
ガッシイ!!!!
ゴール下の肉弾戦。
杉山が森重をスクリーンアウトで抑える。
そして、オズボーンがリバウンドを奪う。
道谷《ペイサーズボール!!》
塚本《森重君、獲れませんでしたね》
杉山 「ふぅ」
(コイツと真っ向勝負はできないからな、
抑え込む方に全力集中させてもらったぜ)
森重 「……。」
(スクリーンアウト、上手え…)
弥生 「これでまたペイサーズのオフェンス」
町田 「青葉の得点が止まっちまったな」
納和がボールを運ぶ。
「よし、一本!!!」
彦一 「やっぱり運ぶのは納和さんや」
弥生 「……。」
ビッ!!
ボールは桜木へ。
そして、歓声。
「来た!!! 桜木!!!!」
「もはやこのゲームの主役!!!」
「頼むぞ、桜木!! 森尾もいるぞ!!!」
観客も分かっている。
ここ数本の桜木のプレイにはパスがある。
そしていま、森尾が投入されている。
藤真 「ディフェンス、9番(森尾)チェック!」
家村 「ああ、分かってる!!」
前川 「99番(桜木)からのパス、注意な!」
弥生 「やっぱり…」
彦一 「…?」
ゴクリ…。
弥生、唾を飲み込む。
「ボールを運んだのは納和選手だったけど…、
ここからゲームを動かすのは、桜木君だわ」
彦一 「桜木さん…?」
町田 「ああ、攻撃の軸は完全にアイツだ」
弥生 「凄いことね…」
(だから、ゲームメイクに長ける小場選手よりも、
守備とリバウンドに強い納和選手を残した…)
ダム!!!
桜木、ドリブルで仕掛ける。
「さあ、行った!!!!」
「シュートもある、パスもある!!」
ビッ!!
桜木、ミドルレンジのシュート体勢から、
ゴール下の杉山へボールを送る。
諸星 「ここはパスか!」
ビッ!!!
ゴール下で受け取った杉山、すぐさまパス。
河田雅 「もう一丁パス…!!」
ボールは外へ。
佐戸 「やはり、そう来たか」
左京 「完璧」
森尾に渡った。
桜木から杉山へ、杉山から森尾へ。
いつからか仲良しトリオのようになっていた
この3人の間でボールが素早く回された。
道谷《ここで森尾毅彦!!!》
塚本《これは来たでしょう!!!》
ザシュ!!!!!!
3rdクォーター 4分
青学大 42
東京P 60
道谷《森尾のスリーーーー!!!》
塚本《ここで決めるのが森尾君です!!!!》
「うわあああーーーー!!! 完璧!!!!」
「パスもシュートも文句無し!!!!」
『ビビーーーーーーーーー!!!!!』
ここで青学大、タイムアウト。
「青葉、ここはさすがにタイム…!!!!」
「これは、たまらない…!!」
牧 「まいったな…」
河田雅 「あの赤頭が、攻撃を組み立てた…」
諸星、苦笑い。
「ああ、司令塔的な指示を出したりはしてねえが、
自分の仕掛けで相手守備を動かして、そこからの
パスでチャンスメイクしてやがる」
牧 「タイプ的には、仙道のようなイメージだな」
河田雅 「赤頭が仙道…?」
記者席もざわつく。
予想だにしなかった試合展開。
「おいおい、桜木、どうなってやがる」
「身体能力の高さは分かっちゃいたが…」
町田 「場内騒然ってやつだな」
彦一 「そりゃそうやで…」
(桜木さん、どこまで凄い選手になるつもりや…)
そして、青学大ベンチ。
「………。」
息を切らした選手たちがベンチに座る。
席を空けたベンチメンバーは、
やや不安げな表情で、ドリンクやタオルを渡す。
陸川、苦笑い。
「ふぅ…、まさかこんな展開が待っているとは。
これはちょっと想定外ってやつかな」
天崎 「桜木さんが…」
簗地 「信じられん…」
藤真 「監督、攻めましょう」
「……!!!?」
陸川 「藤真…」
藤真の目が光る。
「いま思い切って動かないと、時間がなくなる。
ここから勝つためには、賭けに出なければ」
家村 (藤真…)
森重 「……。」
陸川、ニコリ。
「さすがは元・監督だな。考えることは同じか」
「おお…」
青学大ベンチ、空気が変わる。
焦燥感から、期待感へ。
陸川も藤真も、まだ勝利を諦めてはいない。
そして、そのために何が必要となるのか、
監督と主将の意見が見事に一致している。
声が上がる。
「オッケー、オッケー、行こうぜ、藤真!」
「賭けに出ようぜ! 俺たちは挑戦者だ!!」
「やりましょう、監督!!!」
陸川 「よし、天崎行くぞ」
天崎 「ハイ!!!!!」
藤真 「4シューターで勝負に出る」
「よーーーっし、やってやろうぜ!!!!」
「まだ第3クォーターだ、ここから、ここから!」
「やれる!!! やれるぞ!!!!」
三井 「お、青葉ベンチ盛り上がってる」
赤木 「アイツらも諦めることを知らんらしいな」
花形、ニコリ。
「まだまだ行けるぞ、藤真」
『ビビーーーーーーーーーー!!!!!!!』
タイムアウトが明けた。
東京P、交代なし。
青学大、前川に代わって、天崎。
「おおおおおおーーーーーーーーー!!!!」
「青葉、これは4シューターの布陣か!!!」
「ここでギャンブルに出た!!!」
牧 「仕掛けるなら今だろうな」
河田雅 「まだ時間は十分にある」
森尾 「ほう…」
桜木 「よし、かかってこい」
歓声のなか、両軍メンバーがコートに出る。
藤真が、エースシューターの肩を叩いた。
「頼むぞ、神」
神 「やります」
続く
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